UQコミュニケーションズ(以下、UQ)は12月26日、同社が提供する通信サービス「UQ WiMAX」の利用エリアを拡大し、都営地下鉄三田線の大手町駅構内でサービスを開始した。同駅の改札付近やホームなどの駅構内とトンネル内の一部でWiMAXが利用可能となった。また、報道関係者向けに大手町駅構内のWiMAX無線設備を公開し、見学会を実施した。
UQでは、11月28日より都営三田線 大手町駅構内でのWiMAX無線設備の設置工事に着手。このほど、設置工事が完了し、12月26日からサービス開始となった。今回設置された無線設備は、3カ所ある改札付近に各1基ずつと、ホームの両端付近に各1基ずつの計5基。首都圏の地下鉄の駅構内でWiMAX無線設備が設置されたのは、今回が初めてとなる。
改札付近の天井に設置されているアンテナは、直径115mmの円盤状で無指向性アンテナとなっており、周囲約200mの範囲をカバーする。天井裏には日立製作所製のWiMAX基地局が設置されている。
ホームでは、神保町寄り・日比谷寄りの各トンネル付近の天井に、対角線状に2基のアンテナが設置されている。ホームのアンテナは改札付近のものとは異なり、200×200mmの板状の指向性アンテナとなっている。天井裏には、改札付近のアンテナと同様に日立製作所製のWiMAX基地局が設置されている。アンテナはホーム側とトンネル側の2方向を向いており、直線距離で約500mの範囲をカバーする。これにより、トンネル内の一部でもWiMAXの利用が可能となっている。
都営三田線の大手町駅に隣接する神保町駅では、2012年1月初旬よりWiMAX無線設備の設置工事を着手し、同月末よりサービスが開始される予定。また、反対側の隣接駅である日比谷駅では、2012年2月末のサービス開始を予定している。
UQでは、その後も都営三田線の残り各駅のほか、浅草線、新宿線、大江戸線の各駅でもエリア整備を進め、2012年内の順次サービス開始を目指している。現在のところ、1駅あたり約1カ月の工期がかかっているが、今後は「得られたノウハウを活かしながら工期を短縮し、同時並行で設置工事を進めることで」(UQコミュニケーションズ 建設2部 及川氏)、エリア整備の目標達成を目指すとのこと。
なお現在、UQのWiMAXサービスが利用できるのは全国47都道府県の主要都市で、実人口カバー率は東名阪主要都市で99%以上、全国政令指定都市で95%以上、全国で75%となっている(2011年10月末時点)。同社は今後、首都圏に加え、中部・関西圏などの全国の主要鉄道路線についても、駅やトンネル内でWiMAXを利用できるようにエリア整備を進めるとしている。
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