クリエイティブワーク用のPCを選ぶ際にはさまざまな選択肢があるが、やはり性能面は重視したい。そこでオススメなのが、クリエイター向けデスクトップPC。ハイパフォーマンス、拡張性とアップグレード性、高い冷却性能、修理のしやすさ、そして優れたコストパフォーマンスと、ノートPCよりも優位な点が多いのである。

高い処理能力を活用し、画像や動画編集などのクリエイティブワークだけでなく、ゲーム配信やVTuber活動にも挑戦できる。もちろん最新のAAAタイトルも高画質設定でスムーズにプレイ可能。高性能なプロセッサーやグラフィックボードを搭載したクリエイター向けデスクトップPCは、まさにオールラウンダーなマシンなのだ。

とはいえ、多彩なパーツで構成されるクリエイター向けデスクトップPCを、どのように選び、そしてカスタマイズすればいいのか悩んでいる方も多いことだろう。

  • ユニットコム「iiyama PC SENSE-F176-144F-SKX」18万9,800円~

というわけで今回は、高い性能と手頃な価格を両立したミドルタワー型クリエイター向けデスクトップPC「iiyama PC SENSE-F176-144F-SKX」の実機レビューとともに、購入にあたってどのようなポイントに注目すべきか解説していこう。

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ユーザーの用途に応じて、ぴったりな構成を選択できる

「iiyama PC SENSE-F176-144F-SKX」はOSに「Windows 11 Home」、プロセッサーに「Intel Core i5 プロセッサー 14400F」(10コア[6P+4E]、16スレッド、最大4.70GHz、65W)、グラフィックボードに「GeForce RTX 5060 Ti(8GB GDDR7)」を採用。メモリは16GB DDR5-6800(8GB×2、DIMM×2、最大256GB)、ストレージは1TB(M.2 PCIe Gen4 x4接続)を搭載している。

  • 前面

  • 背面

  • 右側面

  • 左側面

今回のレビュー機では、マザーボードにMSI製「PRO B760-VC」を装備。PCケースはユニットコムオリジナルで、サイズは約230×465×465mm(幅×奥行き×高さ)。インタフェースは上面にUSB 3.2 Type-C×1、USB 3.0 Type-A×2、3.5mmコンボジャック×1、背面にUSB 3.1 Type-A×2、USB 3.1 Type-C×1、USB 2.0×4、PS/2コネクタ-(キーボード、マウス兼用)×1、ライン出力×1、ライン入力×1、マイク入力×1、センター・サブ出力×1、リア出力×1、S/PDIF出力ポート×1、グラフィックボードにHDMI×1、DisplayPort×3が用意されている。

  • 上面にはUSB 3.2 Type-C×1、USB 3.0 Type-A×2、3.5mmコンボジャック×1、電源ボタン、リセットスイッチを配置

  • 背面にはUSB 3.1 Type-A×2、USB 3.1 Type-C×1、USB 2.0×4、PS/2コネクタ-(キーボード、マウス兼用)×1、ライン出力×1、ライン入力×1、マイク入力×1、センター・サブ出力×1、リア出力×1、S/PDIF出力ポート×1を用意。またグラフィックボードにはHDMI×1、DisplayPort×3が装備

BTOパソコンである本製品は購入時にカスタマイズが可能。プロセッサー、グラフィックボードは固定だが、メモリは16GB/32GB/64GB/128GB、1stストレージは1TB/2TB/4TB SSD、2ndストレージは「なし」/500GB/1TB/2TB/4TB SSD、3rd&4thストレージは1TB/2TB/4TB/6TB/8TB HDDから選択可能だ。

なおSSDはリード7300MB/s、ライト6300MB/sの「WD_BLACK」、HDDは連続動作・振動保護対応の「WD Red Plus」を指定できる。また、熱伝導率の高いCPU冷却グリス、水冷CPUクーラー、ケースファン、大容量電源ユニットなども用意されている。ユーザーの用途に応じて、ぴったりな構成を選択できるわけだ。

  • 本体上面

  • 本体下面

  • パッケージにはキーボード、マウス、電源ケーブル、説明書、各種パーツ付属品、DSP版「Windows 11 Home」が同梱

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内部空間が広めに確保されておりメンテナンス性、拡張性は良好だ

ミドルタワー型ケースを採用した本製品のメンテナンス性、拡張性は良好だ。前面パネルは手前に引っ張るだけで開けられるし、上面、下面のメッシュフィルターも素早く取り外し可能なので、たまったホコリやチリをエアダスターなどで素早く吹き飛ばせる。あまりに目詰まりしていると、冷却効率に影響を与える可能性があり、見た目的にもよろしくない。気づいたときにサクッと掃除できるツールレス設計は、筆者のようなものぐさタイプにもうれしい仕様だ。

  • 前面パネル、上面と下面のメッシュフィルターはツールレスで取り外せる

左右側面の金属パネルは背面側のネジを回すだけで取り外し可能。グラフィックボードの電源ケーブル以外は背面配線が徹底されており、前面から吸気し、背面から排気するスムーズなエアフローが実現されている。メモリや拡張スロットへのアクセスも容易である。ケース内の内部空間は広く確保されているので、メンテナンス性も高いといえる。

  • 左側面内部

  • 右側面内部

マザーボードは前述のとおり今回のレビュー機では、MSI製「PRO B760-VC」が採用されており、標準構成モデルではメモリースロットには2基、M.2 SSDスロットには1基の空きがある。また右側面の下部には3.5インチ/2.5インチ兼用内蔵ベイが2基用意。標準構成で購入したあと、メモリやストレージ容量に不足を感じた場合は、ユーザー自身で増設、換装が可能である。

ただし購入後に自分でカスタマイズした場合にはメーカー保証が切れてしまう。そのため、週1回程度、動画編集したいなどとあらかじめ用途が具体的に決まっているのであれば、購入時にメモリは32~64GB、データ用ストレージとして2~4TB程度のHDDなどを増設しておくことをおすすめする。

  • 今回のレビュー機では、マザーボードはMSI製「PRO B760-VC」を採用

  • CPUは「Intel Core i5 プロセッサー 14400F」(10コア[6P+4E]、16スレッド、最大4.70GHz、65W)を搭載。CPUクーラーはインテル製空冷CPUクーラーを装着

  • メモリはcrucial製「CT8G56C46U5」(8GB、DDR5-5600)を2基搭載。スロットはこのほかに2基利用できる

  • ストレージはPCIe Gen4 x4接続SSD「KINGSTON OM8TAP41024K1-A00」を搭載(出荷時期によって異なる製品が搭載される可能性があります)

なお、将来的にグラフィックボードのアップグレードを予定しているのであれば、電源ユニットを購入時にカスタマイズしておいたほうがいい。というのも電源ユニットの交換は、せっかく綺麗に配線しているケーブルを再セットアップしなければならないからだ。また、電源ケーブルは抜き差しにかなり力が必要だし、手が大きいとかなりやりにくい。

ただし電源ユニットの容量が不必要に大きいと、消費電力が増えてしまう。アップグレード予定のグラフィックボードの「推奨電源ユニット容量」をチェックして、プラス100~200Wぐらいの電源ユニットを選択しておくといいだろう。

  • グラフィックボードはMSI製「GeForce RTX 5060 Ti 8G VENTUS 2X OC PLUS」を搭載(出荷時期によって異なる製品が搭載される可能性があります)

  • 電源は750W(80PLUS BRONZE認証)を装備

  • 3.5インチ/2.5インチ兼用内蔵ベイを2基用意

  • 拡張スロットはPCI Express 4.0[x16]、PCI Express 3.0[x16](※x1動作)、PCI Express 4.0[x16](※x4動作)、PCI Express 3.0 [x16](※x1動作)、PCI Express 3.0 [x16](※x1動作)を搭載

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クリエイティブ系アプリ、AAAタイトルを快適に動作させるパフォーマンスを発揮

今回借用した「iiyama PC SENSE-F176-144F-SKX」は、Intel Core i5 プロセッサー 14400F/GeForce RTX 5060 Ti/メモリ16GB/ストレージ1TB(PCIe Gen4 x4接続SSD)という標準構成モデルだ。

定番ベンチマークを実施したところ、CPUベンチマーク「CINEBENCH R23」のCPU(Multi Core)は13314pts、CPU(Single Core)は1783pts、総合ベンチマーク「PCMark 10」の総合スコアは7273、Essentialsは9749、Productivityは7693、Digital Content Creationは13918、3Dグラフィックスベンチマーク「3DMark」のPort Royalは9777、Time Spyは14968、Fire Strikeは29411、Wild Lifeは93004、ストレージベンチマーク「CrystalDiskMark 8」のシーケンシャルリード(1M Q8T1)は6071.121 MB/s、シーケンシャルライト(1M Q8T1)は5329.477 MB/sを記録した。クリエイティブ系アプリ、AAAタイトルを快適に動作させるパフォーマンスを備えているといえるだろう。

CINEBENCH R23
CPU(Multi Core) 13314pts
CPU(Single Core) 1783pts
PCMark 10
総合 7273
Essentials 9749
Productivity 7693
Digital Content Creation 13918
3DMark
Port Royal 9777
Time Spy 14968
Fire Strike 29411
Wild Life 93004
CrystalDiskMark 8(単位:MB/s)
1M Q8T1 シーケンシャルリード 6071.121 MB/s
1M Q8T1 シーケンシャルライト 5329.477 MB/s
1M Q1T1 シーケンシャルリード 3246.237 MB/s
1M Q1T1 シーケンシャルライト 4872.291 MB/s
4K Q32T1 ランダムリード 459.105 MB/s
4K Q32T1 ランダムライト 244.340 MB/s
4K Q1T1 ランダムリード 68.249 MB/s
4K Q1T1 ランダムライト 142.324 MB/s
  • 「CINEBENCH R23」のCPU(Multi Core)は13314pts、CPU(Single Core)は1783pts

  • 「PCMark 10」の総合スコアは7273、Essentialsは9749、Productivityは7693、Digital Content Creationは13918

  • 「3DMark」のPort Royalは9777

  • Time Spyは14968

  • Fire Strikeは29411

  • Wild Lifeは93004

  • ストレージはPCIe Gen4 x4接続SSD「KINGSTON OM8TAP41024K1-A00」を搭載

  • 「CrystalDiskMark 8」のシーケンシャルリード(1M Q8T1)は6071.121 MB/s、シーケンシャルライト(1M Q8T1)は5329.477 MB/s

初めて購入するクリエイター向けPC、ゲーミングPCとしてもってこいの1台

「iiyama PC SENSE-F176-144F-SKX」は19万円切りのクリエイター向けデスクトップPCでありながら、RAWファイルの現像、複数のレイヤー処理、複雑なフィルター適用や、4K動画の編集、リアルタイムプレビュー、書き出しなどを快適にこなせるパフォーマンスを備えている。またレイトレーシングを多用する最新のAAAタイトルも高画質設定でプレイ可能だ。ユニットコムからはより高性能なマシンも用意されている。しかし、初めて購入するクリエイター向け、ゲーミング向けのデスクトップPCとしては、コスパの優れたもってこいの1台といえるだろう。

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「iiyama PC SENSE-F176-144F-SKX」の主なスペック

メーカー名 ユニットコム
製品名 iiyama PC SENSE-F176-144F-SKX
CPU Intel Core i5 プロセッサー 14400F(10コア[6P+4E]、16スレッド、最大4.70GHz、65W)
メモリ 16GB DDR5-6800(8GB×2、DIMM×2、最大256GB)
SSD 1TB(M.2 PCIe Gen4 x4接続)
HDD ※オプションで選択可能
チップセット Intel B760
光学ドライブ
グラフィックス GeForce RTX 5060 Ti(8GB GDDR7)
OS Windows 11 Home
LAN 有線LAN(2.5GBASE-T)×1
無線 オプション
インタフェース 【上面】USB 3.2 Type-C×1、USB 3.0 Type-A×2、3.5mmコンボジャック×1
【背面】USB 3.1 Type-A×2、USB 3.1 Type-C×1、USB 2.0×4、PS/2コネクタ-(キーボード、マウス兼用)×1、ライン出力×1、ライン入力×1、マイク入力×1、センター・サブ出力×1、リア出力×1、S/PDIF出力ポート×1
【グラフィックボード】HDMI×1、DisplayPort×3
サイズ 約230×465×465mm(幅×奥行き×高さ)

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