現代はまさに「データ爆発の時代」

メモリマーケティングチームのジム・エリオット氏が「IT Market Trends」と題して講演

次に、メモリマーケティングチームのバイスプレジデントであるジム・エリオット氏が、「IT Market Trends」と題して講演を行った。要旨は以下の通りだ。

同氏は、スマートフォンやタブレットなどが普及したことで、世の中の様相が一変したことを指摘。FacebookやTwitterが急速に広まり、SNSには毎日膨大な情報が書き込まれる現代は、まさに「データ爆発の時代」だ。特に、モバイル機器のデータトラフィックは成長を続けており、2018年には100億を超えるデバイスがインターネットにつながり、そのデータ量は190EB(エクサバイト)にも達すると予想されている。

NANDフラッシュやSSDの需要もさらに伸び、2018年におけるPC市場でのSSD需要(容量ベース)は2014年の4.7倍となる6,000万TB近くに、データセンター/エンタープライズ市場だと2014年比で8.4倍の3,300万TBだ。そうした中でサムスンは、NANDフラッシュ市場の34.7%、SSD市場で46.6%のシェアを獲得しており、市場でのリーダーシップを担う。

現代はまさに「データ爆発の時代」である

モバイル機器のデータトラフィックは年々成長を続け、2018年には100億を超える数のデバイスがインターネットに接続され、そのデータ量は合計で190EB(エクサバイト)にも達すると予想されている

人類が文明の夜明けから2003年までに生み出した全データ量が5EBであり、1EBはHD動画なら1万3,300年分、電子書籍なら4兆7,000億冊分に相当する

SSDの成長予測。PC市場でのSSD需要は、2018年には2014年比で4.7倍の6,000万TB近くになる。データセンター/エンタープライズ市場の場合、2018年には2014年比で8.4倍の3,300万TBになる見込み

しかし、プロセスルールの縮小によるNANDフラッシュの密度向上には限界が来ており、別のアプローチが求められている。そのブレークスルーとなるのが、世界初の3D Vertical NANDフラッシュ「3D V-NAND」である。

ジム・エリオット氏に続いて、3D V-NANDの技術的な解説を行ったのが、フラッシュデザインチームのリーダーであり、副社長を務めるキョン博士である。キョン博士の講演については、別記事『「Samsung SSD 850 PRO」が搭載する3D V-NANDとは - 2014 Samsung SSD Global Summit技術プレゼンより』をご覧いただきたい。

NANDフラッシュ市場で34.7%、SSD市場で46.6%のシェアを獲得しているサムスン

サムスンは、世界初となるSSDベースのPCを2006年に開発し、メインストリーム市場に対するSSD投入の先駆けとなった。当時使われていた32GB SLCの1GBあたりの価格は14ドルであった

2008年には、こちらも世界初となるMLCベースのSSDを出荷。これにより、SSDのコストは40%も下がり、1GBあたりの単価は5.1ドルまで低下した

続いて2012年には、やはり世界初の3bit MLCベースのSSDを出荷。SSDのコストはさらに下がり、1GBあたりの単価は0.79ドルとなった

プロセスルールの縮小によるNANDフラッシュの容量向上は、もはや限界。別のアプローチが求められている

そのブレークスルーとして生まれたのが、世界初の3D Vertical NANDフラッシュ「3D V-NAND」だ