Macで最速のI/OインタフェースはThunderboltだが、コストパフォーマンスの観点を踏まえればUSB 3.0もいい勝負。そして、USB 3.0には数十%ほど高速化の余地があるとしたらどうだろう? ここでは、東京都・秋葉原のMac専門店「秋葉館」のUASP/USB 3.0対応HDD/SSDケース「林檎派 Macbeth mini 800-3」(以下、Macbeth mini)を使い、USB 3.0接続のSSDがどれだけ速くなるかを検証してみたい。
Macで「UASP」
現行のMacで最速のインタフェースといえば、Thunderbolt。理論上の転送速度は最大10Gbpsと、内蔵HDD/SSDに利用されているシリアルATA(SATA 3.0は6Gbps)を上回る。しかし、Windows PCでの採用が遅れているなどの事情から、Thunderboltの普及ペースはなかなか速まらない。結果、Mac用にThunderbolt対応の外付けストレージを購入しようとしても、高価なうえに選択肢が少ないのが現状だ。
現実的な選択肢は、やはりUSB 3.0だろう。Macのみならず多くのWindows PCにも採用されているため、ここ数年で急速に普及して対応機器の値ごろ感も高まった。理論上の最大転送速度は5Gbps、外付けストレージデバイスの実効速度を考えれば十分に高速な規格といえる。
しかし、USB 3.0には「伸び代」がある。IntelのIvy Bridge世代以降のCPUを搭載したMac、かつシステムがOS X 10.8以降であれば、USB規格の拡張仕様である「UASP」(USB Attached SCSI Protocol)を利用できるのだ。
UASPは、USB登場以前に広く普及していたPCの周辺機器接続規格「SCSI」(Small Computer System Interface、スカジー)の命令を、USB転送に取り入れたもの。USB 2.0のデータ転送に利用されてきた、BOT(Bulk Only Transfer)規格の性能を改善するために開発された。UASPモードで接続されたストレージ装置は、通常のUSB 3.0機器として利用する場合よりも高速にデータ転送できる。PCとストレージの双方に、UASP対応USB 3.0ホストコントローラが必要であり、OS側にもドライバが要求されるが、前述した通りここ1~2年で発売されたMacならば「UASP Ready」だ。