みなさんこんには。節約アドバイザーの丸山晴美です。『丸山晴美の節約道場! 年100万円貯めるためのマネーテクニック』では、Q&A方式で、年間100万円を貯めるテクニックを紹介しています。今回は、年末年始にお金を計画的に使うにはどうすればいいのか、と悩んでいる方からの質問です。


【Q】もうすぐボーナスが出ます。「給料+ボーナス」は、ある程度まとまったお金で、急にリッチになった気分になって、どんどん欲しいものが出てきていて、何からどう買ったらいいのか迷っています。でも、ふと思うんです。毎回、年明けになるとその時のお金が無いんです。しかも、なぜかクレジットカードの請求を見て慌ててしまっているんです。一体、その時のお金はどこへ行ってしまっているのでしょうか? そして、年末年始の上手なお金の使い方を教えてください。


【A】お金に羽が生えて飛んで行くということは、まさにこのことでしょうね。何にお金が消えていってしまったのか、それは私にもわかりませんが、予想されるものは"消えもの"ではないかと思います。"消えもの"とは、「食べたら」「飲んだら」「吸ったら」「スッたら」「泡に」「乗って」消えるものを指します。

簡単に説明すると、「食べたら」「飲んだら」はどちらも食べなければ、飲まなければ生きていけませんが、中には食べなくても、飲まなくても良いものがあります。例えば、ジュースやお菓子、お酒、おつまみなどです。

「吸ったら」はタバコ。「スッたら」はギャンブル、「泡」は洗剤やシャンプーなどにかけて、日用品や美容費。「乗って」は、タクシーなどです。これら"消えもの"は、消費してしまうと跡形が残りにくいので、何につかったかわかりにくいというわけです。場合によっては、この中にムダが潜んでいる場合もあるのです。

計画的にお金を使う方法ですが、頭で考えると整理ができませんので、必ず紙に書き出しましょう。

ステップ1

まずは、入るお金を書き出します。これは、基本的には11月分の給料とボーナスです。もちろん、副収入があればそれを書いてもいいでしょう。

ステップ2

いくら貯めるかを考えましょう。給料分の貯蓄(目安は1~3割)と、ボーナス分の貯蓄(目安は7割)を書きましょう。

書くだけではなく、入ったら必ず財形や定期預金などで普通預金とは別のところへ預けます。

ステップ3

日常の生活費を割り出します。

これは第23回でもご紹介しましたが、以下を参照して割り出しましょう。

『収入-(固定費+貯蓄+公共料金の予算+保険料など)=生活費』

ステップ4

年末年始で予想されるイベントの出費を書き出します。

例えば、クリスマス、年末年始の帰省費用(お土産代、交通費など)、お年玉、忘年会、住宅ローンのボーナス払いといったその時期限定の出費です。

ステップ5

ステップ4で書いたイベントに対していくらくらいの出費が予想されるか金額を書いて、その費用がどこから支出されるかを書きます。

例えば、クリスマスの費用は食事とプレゼントで、3万円とするなら、その3万円はボーナスから出すのか、それとも別のところから出すのか。帰省費用が10万円であれば、あらかじめ見越して積み立てていた場合は、そこから出す。といったようにその予算がどこのお金から出るのかを書いていきましょう。

足りないのであれば、もう一度イベントを見直して優先順位の番号を付け、低いものは参加を見合わせたり、飲み会であれば持ち寄りにするなど低予算でできる方法を考えるようにしましょう。

このように、イベントと出費をあらかじめ書き出して、予算を組んだら、その予算を守ることが大切です。予算を守るためには、場合によっては1次会のみ参加にする。終電までには帰るといったルールを決めておきましょう。

ここで大切なのは、予算が厳しくなったからと言って、クレジットカードで当座を凌がないことです。結局は翌月以降の支払いになり、年明けの生活が厳しくなるからです。

あり得ないことですが、忘年会の幹事をした際に、支払いをクレジットカードにして、会費を現金で徴収した場合、そのお金を翌日引き落とし口座に入金するのは問題ありませんが、それを使い込んでしまうことは絶対にやめましょう。

忙しく、出費の多い年末年始だからこそ、余裕のあるうちにお金の流れを整理しておくことをおすすめします。

執筆者プロフィール : 丸山 晴美(まるやま はるみ)

外国語の専門学校を卒業後、旅行会社、フリーター、会社員、コンビニ店長へと転職。22歳で節約に目覚め、年収が350万円に満たないころ、1年で200万円を貯める。26歳でマンションを購入。2001年に節約アドバイザ―として独立。ファイナンシャルプランナー、消費生活アドバイザーの資格を取得し、お金の管理、運用のアドバイスなどを手掛け、TV、雑誌などで幅広く活躍している。