【コラム】

サラリーマンが知っておきたいマネーテクニック

72 サラリーマンもiDeCo(イデコ)に加入することができる?

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連載コラム『サラリーマンが知っておきたいマネーテクニック』では、会社員が身につけておきたいマネーに関する知識やスキル・テクニック・ノウハウを、ファイナンシャルプランナーの中村宏氏が、独断も交えながらお伝えします。

iDeCo(イデコ)の加入者が2017年1月だけで8.3%増!

昨年から話題になっている「iDeCo(イデコ)」。もともと「個人型確定拠出年金」という名称で2001年から存在していましたが、2017年1月から、これまで加入が認められていなかった専業主婦や公務員などにも門戸が開放され、誰でも加入することができるようになりました。このことをキッカケに、「iDeCo(イデコ)」という親しみやすい(?)愛称がつけられ、昨年から大々的に広報されています。金融機関による顧客獲得競争も激化しています。

そのおかげもあってか、先日、厚生労働省が公表したところによると、iDeCo(イデコ)は2017年1月の1カ月間だけで、加入者数を8.3%も増やしました。とはいえ、1月末時点での加入者数は33万1,585人。昨年12月末が30万6,314人でしたので、約2万5,000人増えたにすぎません。

会社が導入を決めて従業員が加入する「企業型確定拠出年金」の加入者数が昨年12月時点で589万人であることを考えると、iDeCo(イデコ)の加入者はまだまだ少ない。ただそれだけに、普及の余地があるといえるでしょう。原則60歳まで引き出すことができない制約はあるものの、その代わりに極めて大きな税制優遇(掛け金が全額所得控除、運用益非課税、給付時の所得控除)がある仕組みです。老後の資金準備を効率的に行う有力な手段として積極的に活用してほしいものです。特に20代、30代、40代の方などは、少子高齢化の影響で、今よりも公的年金の受給水準が低くなると言われています。「自助努力」での財産形成がますます求められます。

企業型確定拠出年金の主な役割は退職金作り

企業型確定拠出年金の加入者数が多いのは、その主な役割が退職金作りだからです。もともと企業は従業員の退職金を企業の責任で準備していましたが、長く続く低金利など運用環境の悪化に伴い、退職金の一部、あるいは全部の運用を従業員に委ねることにしたのです。退職金の原資となる掛け金を従業員に支払い、その運用は従業員の自主性に任せるのが企業型確定拠出年金の基本的な枠組みです。労使の合意を経て導入した企業数は、昨年12月末時点で2万4,869社に及びます。

従業員側にとっては「会社が運用責任を放棄した」という後ろ向きな見方もあれば、「自分でうまく運用すれば退職金を大きく増やすこともできる」という前向きな考え方もできます。どうせ運用するのであれば、前向きに取り組みたいものですね。

企業型確定拠出年金を導入している会社の中には、「マッチング拠出」といって、会社が支払う掛け金とは別に、従業員が任意で自分の給与の一部を掛け金として拠出できるようにしている会社もあります。会社が支払う掛け金と自分の掛け金を一緒にして運用することで、「自分の財産形成」という意識が高まる効果があります。

サラリーマンが誰でもiDeCo(イデコ)に加入できるワケではない!

今年1月から専業主婦や公務員を含め、「誰でも確定拠出年金に」入ることができるようになりました。これは「誰でも個人型確定拠出年金(iDeCo)に」ではありません。

サラリーマンの中には、「自分も個人型確定拠出年金(iDeCo)に加入できる」と誤解している方もたくさんいると思われます。全員の方が入れるワケではありません。個人型確定拠出年金(iDeCo)に加入できるサラリーマンは、以下の通りです。

サラリーマンが個人型確定拠出年金(iDeCo)に加入できる?

勤務先に企業型確定拠出年金があり、マッチング拠出もある場合には、マッチング拠出を積極的に活用しましょう。企業型確定拠出年金は、個人型(iDeCo)と違って口座管理手数料などのコストを自己負担する必要がないため有利です。

勤務先に企業型確定拠出年金があっても、マッチング拠出がない場合には、会社が個人型(iDeCo)の加入を認めていれば加入することができます。しかし、それは会社の退職金制度の枠組みに変更をかけることにもつながりかねないため、実現が厳しい場合もあります。

勤務先に企業型確定拠出年金がない場合には、個人型(iDeCo)に加入することができます。なお、個人型(iDeCo)に加入できる場合も、条件によって拠出限度額が異なることに注意が必要です。

勤務先が企業型確定拠出年金を導入しているサラリーマンは、まずは足元の運用をしっかり行っていくことが基本です。個人型(iDeCo)に加入したくてもできない場合には、NISA(少額投資非課税制度)など活用して、有利な財産形成を行うようにしましょう。

執筆者プロフィール : 中村宏(なかむら ひろし)

ファイナンシャルプランナー(CFP認定者)、一級ファイナンシャルプランニング技能士。ベネッセコーポレーションを経て、2003年にFPとして独立し、FPオフィス ワーク・ワークスを設立。

「お客様の『お金の心配』を自信と希望にかえる!」をモットーに、顧客の立場に立った個人相談やコンサルティングを多数行っているほか、セミナー講師、雑誌取材、執筆・寄稿などで生活のお金に関する情報や知識、ノウハウを発信。新著:『老後に破産する人、しない人』(KADOKAWA中経出版)

メルマガ「生活マネー ミニ講座」(平日・毎日配信)
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インデックス

連載目次
第87回 2018年スタート! 「つみたてNISA」の始め方
第86回 民間の医療保険、加入のポイント
第85回 健康保険の保障は、自己負担3割だけではない!
第84回 投資信託選びは、金融庁の「つみたてNISA」対象商品の要件を参考に!
第83回 疾病特約や介護特約が付いても保険料が無料になる団信生命保険がある!
第82回 銀行のカードローンに注意!
第81回 統計データを見て、平均と自分をくらべてみる!
第80回 サラリーマンが加入している「厚生年金」の機能は老後の年金だけじゃない!!
第79回 9月までに「マイナンバー」を提示しないとNISA口座が使えなくなる!?
第78回 超低コスト投資信託のススメ
第77回 「ふるさと納税」の返礼品競争が抑制される!!
第76回 クレジットカードの使い方の基本
第75回 エンゲル係数を計算してみよう!
第74回 後悔しないマイホーム予算の立て方(2)
第73回 後悔しないマイホーム予算の立て方(1)
第72回 サラリーマンもiDeCo(イデコ)に加入することができる?
第71回 2017年4月からも、学資保険や個人年金保険で資金準備をする?
第70回 「結婚にかかるお金」を参考に貯蓄目標額を設定する!
第69回 「セルフメディケーション税制」を使って税金を節約しよう!
第68回 20代~30代は、2018年からスタートする「積立型NISA」を活用しよう!
第67回 年末年始は少し時間をかけて、家計や資産を点検して来年の目標を作る!
第66回 贈与を受けると贈与税がかかる!?
第65回 年末調整の情報を活用し、「ふるさと納税」ができる金額を年内に確認しよう
第64回 住宅ローンの借り換えは、金利だけでなくコストにも注意!
第63回 中途退職時に受け取る退職金、使いすぎに注意!
第62回 年末調整の季節が到来! - サラリーマンもたまには「税金」のことを考えよう
第61回 コンビニATM、時間外でも手数料無料の金融機関は?
第60回 利回り8.3%の「百貨店友の会」、預貯金金利が低い今こそおすすめ
第59回 確定拠出年金で老後資金準備! 2017年からは専業主婦や公務員も対象に
第58回 中古住宅を購入してリフォームなら【フラット35】リノベがおすすめ
第57回 厚生年金、国民年金にはしっかり加入する!
第56回 20代・30代サラリーマンのお小遣い事情
第55回 実際の年齢ではなく「健康年齢」で保険料が決まる保険が登場!
第54回 おすすめ投資信託は「ノーロード」&「インデックス型」&「バランス型」(2)
第53回 おすすめ投資信託は「ノーロード」&「インデックス型」&「バランス型」(1)
第52回 子供のできたときに入る生命保険は「収入保障保険」
第51回 新入社員は必読! 給与明細を徹底解剖
第50回 子供の教育費の目安とは? 高校までは毎年の収入の範囲でカバーする!
第49回 正社員なら30歳までに200~300万円貯めよう!
第48回 2016年3月の住宅ローン金利が史上最低を更新!?
第47回 マイナス金利で「個人向け国債」が高利回り商品に!?
第46回 マイナス金利、住宅ローンは「固定金利」への切り替えの絶好機!?
第45回 通勤手当の非課税限度額が月15万円に引き上げられる!?
第44回 1月から医療費の領収書はちゃんと保管! 確定申告をして節税をしよう!
第43回 『ジュニアNISA』がはじまる前に「贈与税」の仕組みを理解しておこう!
第42回 子供や孫ができたら「ジュニアNISA」口座を開設して教育資金の準備をする!?
第41回 新しい年を前に! 一生涯の収支計画を作ってみよう!!
第40回 年末調整の「生命保険料控除」で得する方法
第39回 女性専用の医療保険…普通の医療保険とどこが違う?
第38回 「老後破産」に陥らない!!--20代・30代からのライフプランの考え方(3)
第37回 「老後破産」に陥らない!!--20代・30代からのライフプランの考え方(2)
第36回 「老後破産」に陥らない!!--20代・30代からのライフプランの考え方(1)
第35回 中古住宅を個人から買うときは、「消費税」がかからない!!
第34回 旅に出るときは、スマホで旅行保険に加入して万が一の事態に備える!
第33回 子供の教育費はこうして準備する! (3)
第32回 子供の教育費はこうして準備する! (2)
第31回 子供の教育費はこうして準備する! (1)
第30回 財形貯蓄をしている子育て世帯に朗報! 「財形住宅融資」が金利を▲0.2%優遇
第29回 「結婚・子育て資金」を"非課税"でもらえる制度ができた!
第28回 物価上昇時におススメ! "超短期"の「定期預金」で安全確実にしっかり貯める!
第27回 クレジットカードより家計管理が断然便利!? デビットカードを使いこなす!
第26回 賃金が上昇したら、アップ分を元手に投資で増やす!…「積立投資信託」
第25回 住宅エコポイント制度が2年半ぶりに復活! 最大45万円分のポイントがもらえる!
第24回 がん保険に別途入る必要はない!? - 医療保険の入り方(2)
第23回 病気やけがで入院・手術になったらどうする!? - 医療保険の入り方(1)
第22回 【フラット35】Sが拡充!? 長期固定金利が当初5年、10年が変動金利並みに!
第21回 「ふるさと納税」が拡充! 寄附の上限額が2倍になる!?
第20回 「仕事」だけでなく、「家計」でも"1年の目標"を立てよう!
第19回 "超低金利時代"の住宅ローン、「変動金利」と「固定金利」のどちらを選ぶ?
第18回 「晩婚夫婦」の家計が、"より慎重で計画的"な運営を求められるワケ
第17回 日本銀行の追加の「超金融緩和政策」に、サラリーマンはどう対処する?
第16回 「財形貯蓄」はサラリーマンの貯蓄の"王道" - どんなメリットがある!?
第15回 20代・30代のフルタイム共働きサラリーマンの家計管理術(2)
第14回 20代・30代のフルタイム共働きサラリーマンの家計管理術(1)
第13回 入院・手術するなら年内・年明けどっちが得? 高額療養費制度が2015年に変わる!
第12回 保障を残しつつ、今後の保険料の支払いをストップできる『払済保険』って何?
第11回 近くにカーステーションがあれば、クルマを持たず「カーシェアリング」を使う!
第10回 帰省先でも役立つ! 人のクルマを借りるときは「超短期自動車保険」に入る!
第9回 金利だけくらべてはダメ! 住宅ローンはコストも含めて比較する!!(2)
第8回 金利だけくらべてはダメ! 住宅ローンはコストも含めて比較する!!(1)
第7回 生命保険の保険料、「年払い」にするだけで節約できるって知ってた?
第6回 ボーナスの時期こそ! 「住宅ローン」の"繰上返済"は、早ければ早いほど効果大!!
第5回 『ふるさと納税』で地域貢献&美味しい特産品をお得にゲット!
第4回 「インフレ時代」の貯蓄術--少しでも"金利"の高いものを選ぼう!
第3回 おじいちゃん、おばあちゃんから子どもの教育費をもらって家計にゆとりを!
第2回 カードで買い物はいいが、「リボルビング払い」はもったいない。
第1回 確定拠出年金の「マッチング拠出」は、"節税"の観点から積極的にやる!

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