Qualcommは、2017年1月に発表した新たなハイエンド向けSoCである「Snapdragon 835」を解説するイベントを、中国・北京で開催した。その中で、実際にSnapdragon 835が動作するスマートフォンでのベンチマークが実行できたので、その結果をお伝えする。

Snapdragon 835

モバイル向け初の10nmプロセス製造SoC

Snapdragon 835は、モバイル向けで初めての10nm FinFETプロセスで製造されるSoC。製造はサムスンで、CPUとしてKryo 280、GPUとしてAdreno 540、DSPとしてHexagon 682、ISPとしてSpectra 180、そしてLTEモデムとしてX16などを搭載する。

プロセスルールは10nmで、パッケージサイズも小型化した

Snapdragon 835の構成

従来よりも性能向上を図っただけでなく、3世代前のSnapdragon 801に比べると電力消費は半減した。

パフォーマンスだけでなく、ギガビットLTE、VR、ネイティブのDSD対応、写真やビデオ向けの性能向上、セキュリティ機能の強化など、各種の機能向上も図られている。スマートフォンだけでなく多彩な製品への搭載が見込まれ、Windows 10のARM対応によって、Windows搭載製品への展開も期待される。

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電力消費も着々と削減

ベンチマーク5種で性能チェック

というわけで、QualcommのリファレンスデザインであるQRD(クアルコム・リファレンス・デザイン)を使用したベンチマークテストの結果である。テストしたのは、あらかじめインストールされていたAnTuTu 6.3.3、Geekbench 4.0、GFX Bench 4.0、3DMark、PCMarkの各ベンチマーク。参考のため、Snapdragon 820を搭載するXperia XZ(SO-01J)でもテストを実施した。ただし、2機種でアプリのバージョンが一致していない可能性があるほか、一部時間内にテストがきちんと終了しなかったものもあることを最初にお断りしておきたい。

リファレンスとなるQRD(クアルコム・リファレンス・デザイン)

ベンチマークを実行しているところ。上はQRD、下は比較のXperia XZ

ちなみに、各ベンチマークアプリの情報では、CPUはSnapdragon 835が8コア1.90GHz、Snapdragon 820が4コア1.59GHzとなっていた。

それでは定番ベンチ「AnTuTu」から順にみていこう。