【レビュー】

いまペン入力が熱い? - PCやスマホ、タブレットで使えるペンの種類や違いをあらためておさらい

「Surface」シリーズ、「iPad Pro」、「YOGABOOK」や、残念な結果となりましたが「Galaxy Note 7」など、スタイラスペンに対応した端末が増えています。Windows 10でも「Anniversary Update」で、ペン入力のサポート機能「Windows Ink」を搭載し、力を入れる姿勢を見せています。しかし、いまだに「指でいいんじゃないの?」という方も多いようです。

たしかにスティーブ・ジョブズ氏も、「iPhone」を発表したときのプレゼンテーションで「スタイラスはなくしそうだからやめておこう。指は皆が生まれながらに持っている世界最高のポインティングデバイスだ」という趣旨で語っていました。

現在、スマホやタブレットを使っていて、特に不都合を感じていないのであれば、スタイラスペンに対応した端末に買い換える必要はありません。しかし筆者は、スマホ、タブレットにスタイラスペンは必須だと考えています。その理由を述べる前に、まずはスタイラスペンの種類についてご紹介しましょう。

上から感圧式スタイラス、静電容量式スタイラス(シリコンゴム)、静電容量式スタイラス(導電繊維)、静電発生式スタイラス、デジタイザースタイラス「Apple Pencil」と「Surfaceペン」

ペン先のアップ。並びは同じ

現在広く使われているスタイラスペンは大きく分けて、感圧式スタイラス、静電容量式スタイラス、静電発生式スタイラス、デジタイザースタイラスの4種類があります。

感圧式スタイラスは、ディスプレイを押したときの圧力を検知するスタイラスペンです。「ニンテンドー3DS」で使われているのがこの方式となります。

感圧式スタイラスは古くから使われてきたポインティングデバイスで、PDA(Personal Digital Assistant)ではほとんどの端末に採用されていました

静電容量式スタイラスは、手から発生する静電気を伝える仕組みのスタイラスペンです。ペン先にはシリコンゴムや導電繊維が用いられ比較的安価ですが、静電気を伝えやすくするためにペン先にある程度の太さが必要です。

静電発生式スタイラスは、電池によりペン先に静電気を発生させるスタイラスペンで、静電容量式スタイラスよりペン先が細く作られています。

デジタイザースタイラスには、電磁誘導方式、アクティブES方式、N-trig、Apple Pencilなどがあります。共通の特徴は筆圧感知機能とパームリジェクション機能を搭載していること。また、電磁誘導方式にはバッテリーが不要という特徴があり、Galaxy Noteシリーズではスマートフォンのボディーに収まる小型サイズを実現しています。

静電容量式及び静電発生式スタイラスは静電容量式タッチパネルを採用したスマートフォンやタブレットであればどれでも利用できますが、デジタイザースタイラスはディスプレイ側がハードウェア的にそれぞれの方式をサポートしている必要があります。たとえばApple PencilがiPad Proで使えるのに、iPhone 7やiPad Air 2、iPad mini 4などで使えないのはそのためです。また、Galaxy Note 4用のデジタイザースタイラスをiPad Proで利用することも、その逆もできません。

なお静電発生式スタイラスのなかには、Bluetooth接続機能を備え、対応するアプリケーションで筆圧感知やパームリジェクションを利用できる製品が発売されています。アプリケーションは限られますが、端末を選ばないというメリットがあります。

デジタイザースタイラスの種類 採用端末 特徴
電磁誘導方式 Galaxy Noteシリーズ、ワコム製ペンタブレットなど 筆圧感知2048段階以上(Galaxy Note 7は4096段階)、傾き検知あり、バッテリー不要
アクティブES方式 HP Elite x2 1012 G1、ThinkPad X1 Yoga、Toshiba dynaPad N72/Vなど 筆圧感知2048段階、傾き検知あり、低コストですがバッテリーが必要
N-trig Surface Pro 4、VAIO Z Canvas、VAIO Zなど 筆圧感知1024段階、傾き検知なし、低コストですがバッテリーが必要
Apple Pencil iPad Pro 筆圧感知レベル非公表、傾き検知あり、バッテリーが必要

さて、本題に戻りましょう。筆者は現在、主にiPad Proでデジタイザースタイラス「Apple Pencil」を日常的に活用しています。以前は静電容量式スタイラスを使っていましたが、現在はほとんど利用していません。それほどデジタイザースタイラスを気に入って利用しているのは、下記の3つの理由からです。

  • ペン先がよく見えるので細かな文字を書きやすい

デジタイザースタイラスのペン先は非常に細く作られています。そのため指とは比べものにならないほど細かな文字や図を書くことが可能です。静電発生式スタイラスもペン先が細く作られていますが、残念ながらデジタイザースタイラスほど細かな文字を書こうとすると、濁点や半濁点などを取りこぼすことがよくあります。さまざまな静電容量式スタイラスを試しましたが、デジタイザースタイラスと同等の感度を持つ製品には出会えていません。

左が指、中央が静電容量式スタイラス、右がApple Pencilで書いた文字です。それぞれで可能な限り小さい文字を書いてみました。その差は歴然です

  • パームリジェクションにより誤反応がない

デジタイザースタイラスには、手のひらをディスプレイの上に置いても誤反応しないパームリジェクションという機能が搭載されています。静電容量式及び静電発生式スタイラスでは手のひらがディスプレイに触れないようにして書く必要がありますが、デジタイザースタイラスでは無造作に手を画面に置き、書くことに集中できます。手のひらによる意図しない描画をソフトウェア的に無視(除外)するアプリケーションもありますが、デジタイザースタイラスほど完全なパームリジェクションは実現できません。

iOS端末用ノートアプリ「GoodNotes 4」は、Apple Pencilと接続されている場合は、手のひらや指がディスプレイに触れても一切描画されることはありません

  • ペンと指先に別の機能を割り当てられる

そして忘れてはいけないのが、デジタイザースタイラスと指先に対して、別の機能を割り当てられること。たとえばGoodNotes 4であれば、Apple Pencilで文字や図を書き、1本指で用紙をスクロールし、2本指で拡大縮小可能です。静電容量式及び静電発生式スタイラスを使う場合は、用紙をスクロールする際に2本指でスワイプする必要があります。地味に思えるかも知れませんが、2本指スワイプはペンを大きく持ち替える必要があるので、実際に作業してみると効率がまったく違うことがわかります。

1本指なら、ほとんどペンを持ち替えることなく、中指で用紙をスクロール可能です

Surfaceペンはノック部分に消しゴム機能が割り当てられているので、ペンをクルリと持ち替えるだけでツールを変更することなく描線を消せます

筆者はIT系ライターという職業柄、PDFに文字を書き込んだり、メモアプリケーションで大量に取材メモを書き取る機会がよくあります。そんな私にとっては、デジタイザースタイラスはなくてはならないアイテムです。万人に必要なものではないかもしれませんが、家電量販店の店頭などで一度デジタイザースタイラスの使い勝手を試してみてはいかがでしょうか?

関連キーワード

人気記事

一覧

新着記事