動作時の温度も低い

最近の高速SSDは、発熱も無視できないレベルになってきている。製品によっては、連続して負荷をかけると、かなり高温になってしまう。

発熱に対処するために、960 PROは、「Heat Spreading Label」と呼ばれる技術を新たに採用した。製品ラベルに熱伝導性に優れた銅箔を積層することで、チップから発生した熱を効率良く冷却する仕組みだ。また、960 PROは消費電力も低減されている。書き込み時の平均消費電力は、512GBモデルが4.7W、1TBモデルが5.2W、2TBモデルが5.0Wと低い。

そこで、非接触で温度を計測できるEC Technology社の放射温度計「N10IT001」を利用して、960 PRO 1TBと950 PRO 512GBの動作中温度を計測してみた。

負荷をかけるために、Iometer 1.1.0を用いて4KBランダムライト QD32を連続実行させ、10分経過後の温度を計測している。計測場所は、M.2コネクタから1cm程度離れた場所で、室温は28℃であった。

960 PRO 1TBの温度は53.1℃だったが、950 PRO 512GBは58.2℃まで上昇。確かに、960 PRO 1TBのほうが約5℃も温度が低くなっていた。半導体にとって高熱は大敵なので(寿命が縮むスピードが上がってしまう)、動作時の温度が低い960 PROは、高負荷が連続してかかるような使い方でも、より安心できる。

放射温度計「N10IT001」を利用して温度の計測を行った

温度計測の様子。赤いレーザーの照射点付近の温度を計測できる

コンシューマー向けSSDの常識を再び破った960 PRO、最速を求めるユーザーに

Samsung SSD 960 PROは、NVMe対応の超高速SSDであり、SATA 3.0対応SSDとのパフォーマンス差を明らかに体感できる。昨年登場したSamsung SSD 950 PROが、これまでコンシューマー向けSSDとして最速を誇っていたわけだが、Samsung SSD 960 PROはさらにその上を行く。ベンチマーク結果も期待通りだ。

また、発熱が小さくなっていることや、2TBモデルが追加されたことなど、さまざまな点が進化しており、コンシューマー向けSSDの常識を再び破る製品といえるだろう。

同時に発表されたSamsung SSD 960 EVOも、Samsung SSD 950 PROと同等以上の性能を実現しているので、一般的な使い方ならSamsung SSD 960 EVOでも不満を持つことはないはず(いずれ機会があれば960 EVOもテストしてみたい)。だが、とことん最速を目指すのなら、現時点で最速のSamsung SSD 960 PROを選ぶことをおすすめしたい。