美容整形が勧められるケース

一口に美容整形と言っても、そこに至る目的はさまざま。場合によっては、そのままにしておくと健康被害が及ぶことから、美容整形で扱われる施術が有用とされることもあります。

また、実際には体への負担なくできる施術なのに、「美容整形は危険」という偏見によってキレイになる機会を諦めてしまうのは、医師としても残念です。ここでは整形が勧められるケースをいくつか挙げますので、参考にしてみてください。

■二重整形

まつ毛が内側に向かって生えてしまう「まつ毛内反(逆さまつげ)」の改善の治療として手術を受けた結果、二重になることがあります。保険適用あり。

■ワキのボトックス注射

必要以上に汗をかいてしまう「多汗症」の治療として、ワキにボトックス注射を打つ治療が行われます。症状によっては保険適用となる場合もあります。

■エラのボトックス注射

エラ部分にボトックス注射を打って、咬筋の働きを弱めます。小顔目的だけでなく、歯ぎしりが激しく奥歯が欠けてしまう人には、歯を保つ目的として有用です。

■注射による若返り(ボトックス注射、ヒアルロン酸注射など)

ボトックス注射もヒアルロン酸注射も、効果は数カ月程度で一時的なもの。シワがひどくなってからでは治療が難しいことも多いですし、気分が前向きになれるのであれば、やってみてもいいと思います。

■シミ治療

若いときに浴びた紫外線の影響が数年後、シミやそばかすとなって肌に現れることも多いです。毎日メイクで隠しているのであれば、レーザー治療などを受けてもいいと思います。

■ほくろ除去

昔は「ほくろで運命が変わる」などと言われましたが、放っておくと悪性化することもあるので、レーザー治療や外科手術で除去してもいいと思います。

最後に

美容整形の目的は、顔や体を変えることで行動を変えるきっかけづくりをすること。美容整形外科医の多くは、お人形のような完ぺきな像をつくりたいわけではなく、患者さんがコンプレックスを解消するお手伝いをし、人間が本来持つ"前向き"という心の美しさを提供することが使命だと感じています。ぜひ美容整形をされる方にも認識してほしいですね。

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美容整形は「整形疑惑」のようなネガティブな話題にもなりやすい。興味はあるけれど周りの目が怖い、と思う人は少なくないはずだ。一方で美容整形は、そんなウワサ話を笑って吹き飛ばせるほど、ポジティブに生まれ変われる可能性も秘めている。前向きな人は、整形後もどんどん美しくなっていくことができるだろう。

ただ、美容整形をしていてもしていなくても、加齢による変化は避けられない。ずっとキレイでいるためには、年相応の美しさを受け入れていく"前向きさ"もまた、求められるのではないだろうか。

※画像と本文は関係ありません

記事監修: 福澤見菜子(ふくざわ・みなこ)

2003年度ミス慶應グランプリで、歴代のミスの中でも唯一「専門医」の資格を持つ医師。

2006年に慶應義塾大学医学部を卒業後、同大学病院、東京大学医学部附属病院 形成外科・美容外科、大塚美容形成外科 千葉院院長などを経て、2013年より湘南美容外科クリニックに勤務。そのほか、日本形成外科学会 専門医、日本美容外科学会(JSAPS) 正会員、日本抗加齢医学会 正会員、埼玉医科大学総合医療センター 形成外科・美容外科 非常勤助教など。

医師として、正しい美容医療の普及と実現に貢献することをライフワークとし、オフィシャルサイトでも情報を発信している。