以前から話題になっていたBroadwell-EベースのCore i7 Extremeプロセッサがとりあえず無事に発表された。同じコアを利用したXeon E5 v4シリーズは4月1日に発表されているから、むしろ何でこんなに遅くなったのか? という感じも無くはないが、評価結果をお届けしたい。

Photo01:評価中、不満げに机の周りをうろちょろしていたまめっち先生。邪魔

Broadwell-Eのポジショニング

まずはIntelの資料を基に、製品のポジショニングや特徴について簡単に説明しておきたい。製品的には、従来のCore i7-5960Xやi7-58xxシリーズの後継となる(Photo02)。

Photo02:パッケージはこんな感じ

製品概略はこんな感じ(Photo03)である。パッケージはLGA 2011-3のままであり、BIOS Updateは必須だが、既存のX99マザーボードをそのまま利用できる。

Photo03:Intelのコンシューマ向けCPUとしては初の最大10コアに

Broadwell-E/Broadwell-EP世代も、Haswell-E/Haswell-EPと同様に3種類のダイが存在するという話は塩田氏の記事にある通りで、10/15/24コアの3種類だが、Broadwell-Eではこのうちローエンドにあたる10コアのダイを利用する(Photo04,05)。

Photo04:メモリコントローラやQPIなどがかなりの面積を占めるということもあり、ダイには未使用のエリアが存在する

Photo05:Photo04の内部ブロックがこちら。右列のCoreの横は本当に未使用領域である。頑張れば1コア+LLCくらいは入るが、2コア+LLCは無理っぽい

これに合わせて、Intel Turbo Boost Max 3.0 Technologyを搭載し、より性能の引き上げが可能になったとしている。もっともその肝心のIntel Turbo Boost Max 3.0 Technologyが何か? という話に関しての直接的な説明はない。一応Overclocking Featuresとしてこんなスライド(Photo06)があるので、こちらとも何かしらの関係があるかもしれない。

Photo06:コア毎のオーバークロック設定が可能なほか、恐らくはAVXユニット利用時は倍率を下げられる模様。VccUは何を意味しているのか現状では不明

さて、製品の性能であるがIntelによれば以下のような数字が示されている。

  • 3Dレンダリングで前世代比35%、4コア製品比で2倍の性能改善(Photo07)
  • エンコード性能で25~85%高速(Photo08)
  • 3Dゲームの物理エンジンが35%高速化(Photo09)
  • 4KでゲームをしながらのTwitchが25%高速(Photo10)
  • VRコンテンツ生成が20%高速(Photo11)

Photo07:数字はCineBench R15とのこと

Photo08:数字はそれぞれAdobe Premire Pro、HandBreak、Kolor Autopano Video Proとのこと

Photo09:あくまでも物理エンジンで、3DMarkの数字そのものではないことに注意

Photo10:これは要するにゲームプレイのライブ配信である

Photo11:これはBlenderを利用した場合の性能なので、どちらかといえばPhoto08に含めるべきものな気がする

実際にどうかというのは、後ほど検証するとして、微妙にゲーム性能そのものに関しての評価結果が示されていないのは興味深いところだ。

Photo12が今回発表された4製品のスペック及び価格である。前世代製品であるHaswell-Eベースの製品っとの比較がPhoto13で、主な違いは「10コアのサポート」「公式にDDR4-2400をサポート」「Turbo Boost Max Technology 3.0のサポート」といったあたりになる。最後にPhoto14が現行のCore i7-6000シリーズとの比較である。

Photo12:個人的には、動作周波数が一番高いCore i7-6850Kが一番良い気もするが、このあたりは使い方次第の部分でもある

Phtot13:LLCが最大25MBという点も強調されているが、こちらはコアの数に比例しているから当然の話である

Photo14:動作周波数は当然Skylakeコアの方が高いわけで、Broadwell-Eでは動作周波数はそこそこに据え置いて、むしろコアを増やす方向になっている