米Microsoftが2016年3月30日(すべて現地時間)から開催中の開発者向けカンファレンス「Build 2016」。1日目に続く2日目のキーノートは、開発者にとって濃い内容。新製品は披露されなかったため、エンドユーザーに影響をおよぼすような新テクノロジーをピックアップしよう。

Xamarinを完全無償化!

最初は「Xamarin(ザマリン)」を使ったiOSおよびAndroidエミュレーター。Xamarinとは、C#言語を使って、Android、iOS、Macのネイティブアプリケーションを作成できる開発ツールだ。2016年2月にMicrosoftが買収を発表し、Microsoft製品となったのは記憶に新しい。

「iOS Simulator on Windows」でテキストボックスやビューボックスを並べて、オブジェクトを指定するだけで簡単なiOS版地図アプリケーションが完成した

こちらはAndroidエミュレーター。Xamarin Inspectorから値を変えて表示するオブジェクトの配色を変更している

BUSINESS EDITIONが年間で20万円オーバー(個人も約5,000円/月)の有償製品だったXamarinだが、今回「Xamarin for Visual Studio」として完全無償化。対応エディションは、個人開発者が無償/有償のアプリケーションを開発できる「Visual Studio Community」を含んでいる。

完全に無償化となった「Xamarin for Visual Studio」

ただしMicrosoftは翌日の31日に、「Xamarin Studio Community」を発表し、必ずしもすべての機能が無償で使える訳ではないことを明らかに。なお、今回の発表では、Xamarin Runtimeのオープンソース化や、UnityやRedHatが.NET Foundationの新しいメンバーに参加したこともアナウンスされた。

Visual Studio Team Serviceに含まれる「Xamarin Test Cloud」を利用することで、多種多様なAndroidデバイスのUIテストも容易に行える

BMW Connectedが本日から利用可能に

BMW Digital Life Service&Engineering VPのThom Brenner氏が登壇し、ユーザーと車、家とモバイルデバイスをつなげる「BMW Connected」が、本日から利用可能になると発表した。

ダッシュボード上のパネルに映し出される各種情報。一種のスマートデバイスと言えるだろう

車に取り付けられたIoTデバイスからデータを取得し、クラウド上に蓄積。この情報を多角的に共有する

一見するとMicrosoftの発表会で……と思うが、BMW ConnectedはMicrosoft Azureを活用し、スケジュールに応じたナビゲーションやリモート制御による施錠など各種サービスを実現している。そうした背景もあって、Build 2016でのお披露目となったのだろう。

BMW ConnectorはMicrosoft Azureの各種サービスを利用することで実現している