審査結果はいかに

3機種のエントリーを受け、筆者はe☆イヤホンの店舗にて試聴・審査を実施。まさかのBluetoothイヤホン参戦など、今回も想定の範囲を超えたエントリーが目立ったが、悩みながらも「私以外私じゃないの王」にふさわしい1機種を選ばせてもらった。さっそく発表すると、第1回「私以外私じゃないの」王は……エントリーナンバー1番、オンキヨー「E700M」に決定!

オンキヨー「E700M」

決め手は音場の広さと各パートのバランスの良さだ。定位感もよく、ドラム、ベース、ギター、ピアノがしかるべき位置からこぼれ落ちるように聴こえてくる。ピアノの一音一音は特に粒立っているが、押し付けがましくなく聴こえる点も好印象だ。

ボーカルの主張は確かに弱め。しかしそのぶん楽器パートのテクニックが前に出て、バンドの危うさと根の強さの両方を感じることができる。また、コーラスとボーカルの掛け合いがこの曲の魅力だと筆者は考えているのだが、コーラスは遠くから投げかけられるように、ボーカルはまるで自分の言葉となって湧き出てくるように聴こえる点が非常に面白い。

とはいえ、ワイヤレスながら一本筋の通った音を鳴らす「X2」には大変驚かされたし、ドラムとベースを体でしっかり受け止めたいときは「Auglamour R8」を使うのが良いと思う。ビジュアルという観点だけで考えれば、ソニー「h.ear in」のボルドーピンクがよく合うのでは、なんて個人的に考えたりもした。

筆者の独断と偏見で「E700M」を「私以外私じゃないの王」としたが、今回の判定に異議アリの読者もいらっしゃるだろう。やはり、音の好みは人それぞれ。「E700M」だけでなく、ぜひ「X2」や「Auglamour R8」でもこの曲を一度聴いてみてもらいたいと思う。そうすることで、惜しくも王座を逃したイヤホンたちの報われない気持ちも整理できる気がする。