「FREED 2 EC-SX310」。ゴールド系とレッド系の2色展開

シャープは6月16日、スティック型のコードレスサイクロン掃除機「FREED」の新モデル「FREED 2 EC-SX310」(以下、EC-SX310)を発表した。今回のモデルチェンジでは、パーツの軽量化と重心バランスの最適化により、手にかかる重さを従来の40%低減。発売は7月中旬で、推定市場価格は税別70,000円前後。

スティック型掃除機はサブからメインに

同日に開催された製品発表会には、シャープの健康・環境システム事業本部 ランドリーシステム事業部長の林一正氏が登壇し、掃除機の業界動向について説明した。林氏によると、以前はメインの掃除機としてキャニスター型掃除機を購入し、コードレスのスティック型掃除機はサブ機として買い求める人が多かった。

しかし、小型ながらハイパワーなモーターの実現や、バッテリーの長寿命化などによってコードレスの掃除機は高性能になってきた。現在は高級コードレス掃除機をメインの掃除機として購入するユーザーが増えているという。

シャープ 健康・環境システム事業本部 ランドリーシステム事業部長の林一正氏

コードレスのスティック型掃除機は、コードの抜き差しをする必要がなく、手軽に利用できるのが特長だ。一方で、構造上モーターやバッテリー、ダストカップなどのパーツが手もとに集中するため、掃除中に手に重さがかかるというデメリットもある。家中を掃除するメインの掃除機として使われることが増えてきているなか、「長時間使うと疲れる」ことに問題を感じ、今回のFREED 2を開発した。

掃除機の業界動向を見ると、コードレス掃除機は年々伸長。キャニスター型とスティック型掃除機の構成比は14年を境に逆転し、現在はスティックタイプ出荷台数のほうが多い(シャープ推定値による)

スティック型掃除機の構造上、掃除中の手には負担がかかりやすい。メインの掃除機にもかかわらず、「長時間掃除をすると疲れる」現状に問題を感じた

重心バランスを見直して、さらに軽く

EC-SX310ではモーターとバッテリーを軽量化。さらに各パーツの配置を見直し、重心バランスを製品の中心軸上に置く「マジックバランス」を採用した。これにより、バッテリーなどの重量を分散させ、手にかかる重さを約40%低減。

従来モデルでは、製品重量約83%に当たる約1.82kgの重さが手にかかっていたが、新モデルでは製品重量の約51%に相当する約1.08kgまで軽くなっている。さらに、掃除機を左右にひねる動作をした際、手にかかる負荷も従来比で約半分となった。

パーツの配置を見直し、吸込口とハンドルを結ぶ中心軸上に重心を置いた「マジックバランス」。モーターなどを軽量化したこともあり、手にかかる負荷は約40%軽減されたという

持ち手部分に重量計をつけ、手にかかる負荷を計測する実験もあった。従来機とEC-SX310は重量差が約100gしかないにも関わらず、EC-SX310のほうが約820g軽く感じる結果に

壁などに立てかけなくても自立するので、掃除の一時中断・再開がスムーズにできる

マジックバランスを採用したことで、自立するようになったのも特徴。掃除機を壁に立てかける必要がなくなり、掃除の中断・再開をサッと行える。自立するのは、急な来客時や、掃除中に床上のものを動かす時にも役立つ。

小型モーター駆動で前へ進む自走ヘッドを採用。従来モデルの約4倍のパワーで、前に進むのをアシストしてくれる。そのため、フローリングはもちろん、毛足の長いじゅうたんなどの上も軽い力で掃除できるという。

ヘッドに搭載されたモーターによって前へ進む自走式。人が手で押さなくても、スイッチを入れると勝手に前進する

「ハイブリッド掃除」で拭き掃除も

掃除性能も向上した。「大風量ターボモーター」の採用により、吸引風量は従来比で約30%増量。さらに、ヘッドの前方と側面に吸込口を設けることで、ヘッド周りのホコリやチリを引き込んで吸引することが可能になり、壁際などのゴミの取り残しも防げる。

ヘッド内の回転ブラシは、汚れをかき出す「ハードブラシ」、ホコリをふき取る「ソフトブラシ」、ブラシの雑菌繁殖を抑える「Ag+イオンブラシ」、フローリング表面の汚れを磨く「床みがきブラシ」で構成される。「床みがきブラシ」とは、床を拭いたような効果を発揮するブラシ。これにより、ゴミを吸引する掃除だけでなく、「拭き掃除」も同時に行える。

従来機より30%アップした吸い込み風量で、壁際のホコリもキャッチ

赤い「ハードブラシ」、緑の「ソフトブラシ」、水色の「Ag+イオンブラシ」、そして黄色の「床みがきブラシ」の、4種類のブラシを搭載している

ホワイトボード用の油性ペンで書いたフローリングの落書きを消すデモ。床みがきブラシのおかげで、ヘッドを数回往復させると、ほとんどのインクが消えた

最長30分の連続運転が可能

コードレス掃除機で気になるバッテリー性能についてだが、EC-SX310はフル充電で最長約30分の運転が可能だ。また、急速充電ができるため、充電時間が約80分と短いのも特徴だ。充電方法は従来モデル同様、本体からバッテリーを外して専用充電器に取り付ける「セパレートチャージ」方式。別売の予備バッテリーを購入しておけば、バッテリーを交換することで掃除時間を延長できる。また、充電器のみをコンセント周辺に設置し、掃除機本体は物置などに収納するといった使い方も可能だ。予備バッテリーの推定市場価格は税別8,000円前後。

バッテリーは本体から取り外して充電するセパレートチャージ式。スピーディーに充電できるのが特長で、3分の充電で約1分動作させることも可能だ。バッテリーの充電台には、付属ブラシを差し込む収納スペースも用意

EC-SX310の下位モデルとして「EC-SX210」も発表された。EC-SX210はパワフル自走や床みがき機能などを省略しているほか、付属ブラシの数も少ない。EC-SX210の推定市場価格は税別50,000円前後。

ゴールド系とレッド系のEC-SX310。ブルー系とピンク系のEC-SX210