拙著記事で述べたように、Windows 10テクニカルプレビューは、「Ring Progression」と呼ばれる開発工程でプレビュープログラムを実施している。ファーストビルドの9841から始まり、10月22日(以下、すべて現地時間)にはRing Progressionを導入したビルド9860をリリース。そして11月12日、新たなビルド9879をリリースした。新ビルドではタスクバーに関する新たな改善と、高精度タッチパッドによるタッチジェスチャーなど新機能が確認できる。

11月12日(現地時間)にリリースしたWindows 10テクニカルプレビュー ビルド9879。バージョンダイアログ自体はビルド番号以外に変化は生じていない

タスクバーの検索ボタンなどが表示/非表示可能に

次期OSとなるWindows 10はPCのメインOSとしてだけでなく、異なるサイズのタブレットやスマートフォンなど各デバイス上で動作するため、重要な位置を示す存在だ(Microsoftはスマートフォン向けOSであるWindows Phoneとの完全融合タイミングを明らかにしていない)。しかし、現在の開発途中にあるWindows 10テクニカルプレビューは、あくまでもユーザーの使い勝手を中心に改善を試みているように感じる。正にそれが今回の「ビルド9879」の変更点に見え隠れするのだ。

たとえばタスクバーに加わった「Search」「Task View」ボタンは、タッチ操作を前提にした設計であれば正しい実装である。だが、デスクトップ操作を主たるユーザーにとっては、タスクバーの表示領域を狭める原因となり、筆者もWindows 95の開発途上版「Chicago」を思い返すような野暮ったい印象を拭いきれなかった。

そのようなフィードバックが多かったか否か分からないが、本ビルドには各ボタンの表示/非表示を切り替える項目がコンテキストメニューに用意されている。<Show Task View button><Show Search button>はそれぞれ「Task View」ボタンと「Search」ボタンに連動し、チェックオフでタスクバーからボタンを取りのぞくことが可能になった。

タスクバーのコンテキストメニューに加わった<Show Task View button>と<Show Search button>

<Show Task View button><Show Search button>をチェックオフした状態。ファーストビルドと同じ状態に戻った

Windows FundamentalsチームのGabe Aul氏による説明によれば、ウィンドウの最小化/復元のアニメーションの効果が不評だったため軽減したという。こちらを図版や言葉で説明するのは難しいが、ビルド9860は最小化状態にあるウィンドウを1度アクティブにした状態で、元のサイズに拡大する仕組みだった。これらの効果がWindows 8.1以前に戻っている。

Windowsストアアプリのウィンドウバーには<…>ボタンによる専用メニューが用意されていたが、こちらのデザインを漢数字の「三」に似た"ハンバーガースタイル"アイコンに変更(ブログでは3本線と説明している)。こちらはチャームやフルスクリーンボタンを見付けにくかったというフィードバックに応じた結果だ。

Windowsストア専用ボタンのデザインを変更。Microsoftは「ハンバーガースタイル」と称している

外見的な変化は確認できなかったが、クラッシュやハングアップ時のレポート情報を元にしたマイナーなバグを数多く修正したとAul氏はブログで述べている。さらに同氏は我々テクニカルプレビューユーザーの使用が開発に直接貢献していると謝辞を加えた。