NECパーソナルコンピュータは15日、同社製ノートPC「LaVie」およびデスクトップPC「VALUESTAR」の2014年秋冬新製品を発表した。

10シリーズ39機種の発表となり、モバイルPCやタブレットの拡充、CPUの強化、最新のMicrosoft Office Premiumの搭載などが特徴。一部モデルを除き10月23日から順次発売される。

同日、都内で開催された発表会では、NECパーソナルコンピュータ 取締役執行役員常務の留目真伸氏や、商品企画本部の柴山友則氏らが登壇。秋冬モデルの方向性や新商品のポイントを解説した。

11.6型のデタッチャブルPC「LaVie U」

NEC製2014年秋冬モデルのモバイル系PC

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取締役執行役員の留目真伸常務

秋冬モデルはモバイル分野に注力

発表会で登壇した取締役執行役員の留目真伸常務は、PC市場における自社製品の位置づけを解説。

同社製PCはコンシューマ向け市場の台数ベースで「市場シェアトップとなる29%を維持している」とし、その要因を「"安心・簡単・快適"をテーマに、ハードとソフトを組み合わせた総合的なソリューションとして届けている。これが評価されている」とした。

コンシューマ向け製品の市場シェアの推移(台数ベース)

また、Androidタブレットのシェアも2014年9月で21%を超え、「マジョリティ層への訴求が課題だったが、徐々に広がってきており手応えを感じている」とコメント。PC市場の中でもモバイルPC分野の成長が大きく、「外出先にPCを持って行って使うニーズは確実に増えている」と、市場背景を説明した。

秋冬モデルのキャッチコピーは「あなたの"ほしい"がきっと見つかる」

この背景をもとに、今回の同社PC秋冬モデルは、特にモバイル分野へ注力する。Core Mプロセッサを搭載した11.6型の2-in-1 PC「LaVie U」、そして上位モデルでSIMフリー版を揃える8型Androidタブレット「LaVie Tab S」のモバイル新製品2シリーズを紹介し、「(モバイル分野における)多様化するニーズに応えられるよう、多くのラインナップを用意した」と自信を見せた。

「トップメーカーの責務として、日本人の生活に合ったデジタルライフを提案する。世界最高レベルのデジタルライフ体験を誰にでも提供していく」(留目氏)。

LaVie U

LaVie Tab S

2014年秋冬モデルは10シリーズ39機種

商品企画本部の柴山友則氏。新製品は「今ユーザーが不満に思うポイントを改善するアイデアを盛り込む」とコメント

「通信接続の煩わしさを解消している」 - 柴山氏

商品企画本部の柴山友則氏は、秋冬新製品の中でも特に同社が力を入れるタブレット・モバイルPC新製品「LaVie Tab S」および「LaVie U」の特徴を紹介した。

「LaVie Tab S」は、8型フルHD解像度のAndroid 4.4搭載タブレット。大きな特徴として、上位モデルがLTEに対応し、SIMロックフリーとして発売することが挙げられる。

「通常のWi-Fiタブレットでは、インターネットにつなぐ場合、スマートフォンでテザリング設定をしてから、タブレット側で接続・通信確認をしてから、ようやく検索できる。LaVie Tab Sはそんな通信接続での煩わしさを解消している製品」(柴山氏)。

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上位機はLTE対応のSIMロックフリーモデル。SIMはmicroSIMに対応する。なお、実際に製品を手にすると約310gと7.9mmの本体厚は、かなり薄く軽く感じられる

対応バンドは1/3/8/19(2.1GHz帯/1.8GHz帯/900MHz帯/800MHz帯)で、推奨LTEサービスはNTTドコモの「Xi」。製品には複数のMVNOサービスの設定を登録済みとなっており、「ユーザー側でSIMを購入後、簡単な設定で使えるようになる」と強みを語る。

また、本体に高い省電力性を持つAtom Z3745を採用するほか、1,920×1,200ドット解像度の8型IPS液晶の搭載、2GBのデュアルチャネルメモリなど、「タブレットとしてもハイエンド」と性能の高さをアピール。また、厚さ約7.9mm、約310gという薄型軽量設計も特徴とした。

LaVie Tab Sのラインナップ

また、Intelの2-in-1向け最新CPU、Core Mプロセッサを搭載した11.6型デタッチャブルPC「LaVie U」については、「タブレットとモバイルの中間ではなく、『PCの使い勝手を改善する新プラットフォーム』として提案する」と、コンセプトを説明。

PC画面を持ち出したいニーズに対応したといい、特徴として、Core Mの搭載やファンレスのきょう体、eMMCよりアクセスが高速なSSDの採用、1.8mmストロークを確保した着脱式キーボードなどを挙げた。

LaVie Uの位置付けとラインナップ

質疑応答では、Chromebookの影響やLTE対応PCの予定、13.3型で世界最軽量をうたう「LaVie Z」の今後などに話が及んだ。

Chromebookについては動向を注視するが、現時点で日本市場での投入は考えていないとする。また、LTE搭載製品の展開については「LaVie Tab S」の動向を踏まえ検討予定。LaVie Zはいろいろな検討を行っている、との回答があった。

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