地味ながらHDDも、着実に速度・容量を向上させてきている。一方、新しい記憶用デバイスとして、SSDも低価格化が進み、より身近になってきている。HDDの換装というと、自作PCユーザーがすることで、一般ユーザーには縁遠いと思われるかもしれない。その理由は、作業が面倒なことだろう(さらに失敗すれば、取り返しのつかない事態となる可能性もある)。そこで、AOSテクノロジーズのファイナルハードディスク/SSD入れ替え15+(以下、入れ替え15と略記)を使えば、簡単でしかも安全に移行を行うことができる。

そして、注目したいのは、小さな容量のSSDへの移行である。本稿執筆時、容量あたりの単価が安いHDDは、3TBクラスだ。一方、SSDであるが、価格低下が続いているとはいえ、128GBで1万円前半あたり、1TBクラスとなると5万~6万といったところだ。HDDと同じ容量のSSDという選択肢はかなり少ない。さらに、SSDへの移行では、容量が足りないことも十分ありうる。そんなときでも、入れ替え15ならば効率的に移行が行える。

使い方は2通り

入れ替え15であるが、使い方は以下の2通りがある。

  • Windows環境で、入れ替え15(Windows版)をCDから起動
  • 付属CD、起動用のUSBメモリからWindows PE版を起動

より確実な方法は、後者である(光学ドライブの有無で、CDとUSBメモリを使い分けるといいだろう)。特にUEFI環境では、最初に起動用のUSBメモリを作成する必要がある。もし、Windows版でうまく移行ができない場合には、後者の方法をとってほしい。ここでは、Windows 7でWindows版を使い、SSDにコピーを行ってみた。

入れ替え15を使ってみる

まずは、コピー先となるSSDを接続して、PCを再起動する。入れ替え15を起動すると、図1のメイン画面となる。非常にシンプルである。

図1 入れ替え15のメイン画面

ここでは[Windowsから実行する]を選択する。自動的にコピー元やコピー先が選択される(図2)。

図2 ドライブの選択

次へ進むと、ドライブの状態を確認する(図3)。

図3 状態の確認

コピー元の方が使用量が多いと、図4となる。

図4 容量不足を指摘

[次へ]で、コピー元のHDDのデータが調べられる(図5)。

図5 データの調査

すると、図6のように表示される。

図6 除外するデータの選択

ここで、コピーしないデータを選択する。まず設定したいのは、一時ファイルをコピーしないである。普段PCを使っていると、さまざまな一時ファイルが溜まっていく。たとえば、ブラウザのキャッシュなどもそうだ。この例では、6.5GBになっており、かなりの量といえるだろう。あとは、音楽、動画データなどもとりあえず、除外してもいいだろう。こうして、SSDに収まるように調整する。

再度、調査が行われ(図4と同じ)、パーティションの調整なども行うことができる(図7)。

図7 パーティションサイズの変更

コピー先のドライブのスライドバーで、調整する。当然だが、コピーする容量以下にはできない(黄色の部分)。その後、コピー前の最終確認となる(図8)。

図8 最終確認

ここで、下のほうにある[コピー先のドライブの内容の確認済み]の前にあるスイッチを[はい]にする(図9)。

図9 [はい]に設定

重要なポイントなので、しっかり確認しよう。その後は、ドライブの分割(図10)やフォーマット(図11)が行われる。

図10 ドライブの分割

図11 フォーマット

あとは、ファイルのコピーが行われる(図12)。

図12 コピー中

コピーが完了すると、図13のようになる。

図13 コピー完了