多くの女性の悩みの一つに「便秘」があるだろう。ひどいケースになると、1週間、2週間に1度しか体外に出さないこともあり、ぽっこりおなかのもととなってしまう。

便秘の一因に「出す力の不足」がある。腹筋や腰周りのインナーマッスル(腸腰筋)などが衰え、便を体外に押し出すことができないのだ。インナーマッスルを鍛えるには運動しかない。そこで、「脱・便秘」に向けて手軽にできる2種類の「快腸エクササイズ」を、「腸」研究の第一人者である理化学研究所の辨野義己特別招聘研究員に教えてもらった。

足上げエクササイズ

Step1: いすに座る

Step2: ひざ付近に両手で押さえて、片足ずつを上げ下げする

近くに机がある場合、太ももで机を下から押し上げるように太ももを上げると、より効果的になる。

足は高く上げる

いす歩きエクササイズ

Step1: いすに座る

Step2: 背筋をぐっと伸ばす

Step3: リズミカルに左右の両脚を上下動させ、足踏みをする

いすに座りながらのウオーキングというイメージで、しっかりと足を踏み出すことがポイントとなる。

歩いているような感覚で、その場で足踏み

「偏った食事」「ストレス」「運動不足」が問題

辨野特別招聘研究員によると、日本人女性の実に半分が便秘だという。しかも、そのうちの7割近くが、5日に1回しか排便をせず、1週間ぐらい出ないという人もざらにいるとのこと。

「便秘になる理由は3つあります。1つ目は自分の好きなものしか食べない『偏った食事』。2つ目は『ストレス』です。そして3つ目が『運動不足』なのです。腸腰筋などのインナーマッスルが、体にたまっているものを出すために大事になってくるので、『階段の上り下りを自分の足でする』などのライフスタイルを確立させるようにしましょう」

今回紹介するストレッチは、あくまで「出す力」を鍛えるためのもので、辨野特別招聘研究員が話すように、便秘は複合的な要因が絡み合うことで生まれる"病気"なのだ。ふだんから食物繊維乳酸菌を多く含む食事を摂(と)るようにし、無用なストレスからは離れるように心がけ、「下半身スッキリ美人」を目指すようにしよう。

筆者プロフィール : 辨野 義己(べんの よしみ)

理化学研究所イノベーション推進センター辨野特別研究室特別招聘研究員。専門領域は腸内環境学。腸内細菌のDNA解析によって新しい最近を多数発見。腸内細菌と病気との関係を掘り下げて研究するとともに、ビフィズス菌や乳酸菌の健康効果をメディアなどで発信している。

著書「一生医者いらずの菌活のはじめ方
・定価: 1,320円(税別)
・発行: 株式会社マイナビ
・200ページ