地上デジタル放送の開始と共に、爆発的に普及した薄型テレビ。その薄型化に伴い、テレビラックのオーディオ機器を設置するスペースもコンパクトなものへと変化してきている。そんな現状を反映し登場したのが、スタイリッシュな薄型フォルムを採用したヤマハの5.1ch対応AVレシーバー「RX-S600」だ。

薄型テレビとの利用に最適! ローボードラックにも収まる薄型ボディ

高音質と省スペース性を両立した「RX-S600」のボディサイズは、横幅435mm×高さ111mm×奥行320mmと非常にコンパクト。最近、インテリアとして人気があるローボードタイプのテレビラックにも設置しやすい

RX-S600では、スマートフォンやタブレットからの音楽再生をはじめ、ブルーレイディスク(BD)などのサラウンド、さらには最近脚光を浴びているハイレゾ音源、4K Ultra HDや3D映像といった次世代の音楽&映像コンテンツに至るまで、本機を介して手軽に楽しむことができる。また、そのスリムなボディにもかかわらず、ディスクリート構成を採用した高音質パワーアンプ(95W/ch、5基)、低インピーダンス化を徹底させた大容量電源、上級機種同等の大型スクリュー式スピーカーターミナル(バナナプラグ対応)、さらには音質面での評価が高いバーブラウンの192kHz/24bit対応D/Aコンバーターを搭載するなど、AVレシーバーとしての洗練された回路設計や妥協ないパーツ選定なども、高音質への強いこだわりを感じさせるものとなっている。

ネットインフラが整備され大容量データの配信も可能となった昨今、オーディオマニアを中心に注目を集めているハイレゾ音源を使ったネットワークオーディオ機能と組み合わせれば、従来にない超高音質な音楽再生環境を家庭でも手軽に構築できる。

「RX-S600」の薄型ボディには、同社のフルサイズAVレシーバーと同等のテクノロジーとノウハウが凝縮。バラエティー豊かな音声および映像ソースに幅広く対応する接続端子や、高品位なスピーカーターミナルなどが用意されている

お洒落なホームシアターパッケージ「YHT-902JP」で本格サラウンド環境を実現

映画やライブが収録されたBD、BS/CS放送など、最近ではサラウンド音声を楽しめるコンテンツが増えつつある。読者の皆さんの中にも、複数のスピーカーによる再生環境に接する機会は映画館だけではないという方が増えているのではないだろうか。

そんなリッチなサラウンド音声を自宅でも手軽に味わいたいという、ユーザーのわがままな希望をかなえてくれるのが、「YHT-902JP」。RX-S600と同社のトールボーイスタイルの5.1chスピーカーパッケージ「NS-PA40」(フロント2基、センター1基、サラウンド2基、サブウーハー1基)のセットモデルだ。コンパクトデザインを採用した2Way・3スピーカー構成のフロントスピーカーをはじめ、YHT-902JPで付属するスピーカー群はコンパクトながら、どれも非常に高い再生能力を持っている。日本の住宅事情にもベストマッチするサラウンドシステムだ。

実際にBS放送のドキュメンタリー番組を鑑賞してみたが、現場に入り込んでしまったかのような臨場感と迫力は、サラウンドシステムならではの大きなアドバンテージといえるだろう。5.1chサラウンドは、一度味わってしまうと従来のステレオ再生では満足できなくなってしまうほどインパクトのある再生環境なので、ぜひ皆さんご体験いただきたい。

「RX-S600」と、スリムデザインで美しくシアター空間を演出するトールボーイスタイルの5.1chスピーカーパッケージ「NS-PA40」を組み合わせれば、リビングなどでも圧迫感の極めて少ない本格的なサラウンド環境を構築できる。両モデルがセットになったパッケージ「YHT-902JP」もオススメ

「AV CONTROLLER」アプリで快適操作やハイレゾ音源再生を実現

ヤマハのAVレシーバー専用アプリ「AV CONTROLLER」(無料)を活用すれば、RX-S600を快適に活用することができる。このアプリでは非常に使い勝手がよく、Wi-Fi(無線LAN)接続によりワイヤレスでRX-S600をリモート操作することはもちろん、パソコンなどに保存された音楽コンテンツの再生も楽しめる。

「RX-S600」に付属のリモコンとAVレシーバー専用アプリ「AV CONTROLLER」を比較すると、その情報量には圧倒的な差があり操作面でのメリットが大きいのがわかる。リモコン機能のみならず、ネットワークオーディオの操作や端末内の楽曲データの再生などの機能も備えている

また、音楽配信サイトから購入したハイレゾ音源を、ネットワークを介してスマートフォンやタブレットなどで簡単に再生させられるDLNA準拠のネットワークオーディオ機能や、世界中のインターネットラジオ局に簡単にアクセスできるvTunerなどの各種機能の操作も直感的に行える。さらに、ヤマハ独自の音場創生技術「シネマDSP」のサラウンドプログラム(16種類)を、アイコン表示によりダイレクトに切り替えられるのも便利だ。

「RX-S600」は、仮想のプレゼンススピーカーを空間に創出するVPS(バーチャル・プレゼンス・スピーカー)により、音場の高さ(上下)方向の響きや広がりを忠実に再現するシネマDSP<3Dモード>を搭載。5.1chスピーカー構成でより立体的な音場が楽しめる

さて、前・後編の全2回にわたり、最新の音楽試聴スタイルに対応する特徴の異なるAVレシーバー2機種のレポートをお届けしたがいかがだっただろうか。今回紹介した「RX-S600」は、日本の住宅事情や現代のテレビ視聴環境にマッチした高機能な薄型AVレシーバーとして、シアタールームのみならずリビングやプライベートルームでも、BDなどのサラウンド音声やハイレゾ音源を手軽に楽しめるAVレシーバーとして活躍する逸品としてオススメしたい。

なお、ブラックとは異なる雰囲気を持ったチタンカラーの限定モデルも発売予定なので、好みに応じて選んでほしい。

フラッグシップセパレートAVアンプにも採用されたヤマハ伝統のチタンカラーは、500台限定で1月下旬より発売される。より一層スリムなデザインが引き立つ、クールで洗練された佇まいとなっている