クリスマスも過ぎ去り、世の中は一気にお正月モードへ突入。新しい年を迎える前に忘れてはならないのが大掃除だ。一節によると、大掃除とは日常的に身の回りをこまめに掃除をしている人が使う言葉とのことだが、普段掃除を怠っている人こそ使って欲しいのが"ロボット掃除機"だ。いまや子育て世帯や働く独身世帯の間で"時短家電"としてすっかり定着し、さまざまな機種がラインナップされているが、普及機として手頃な価格帯ながら高い実力の3商品をここでは紹介する。大掃除前に駆け込みで、この年末こそは手に入れてみてはいかがだろうか。

シンプルながらロボット掃除機として安定した性能の「ルンバ620」

世の中にロボット掃除機を認知させ、広く普及させた功労者的存在の「ルンバ」。地雷除去ロボットの技術を応用した高い清掃能力は、いまだ他製品の追随を許さないほどの信頼感がある機種だ。そんな中でも「ルンバ620」は、2012年にリーズナブルなエントリーモデルとして発売された「600シリーズ」の中でも装備品を最小限に絞った一台。2013年12月末時点では実売3万円台前半で売られている。

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【左】本体の直径は34cm、高さ9.2cm。現在のロボット掃除機のスタンダードを作ったと言っていいデザインだ 【右】充電台の本体は小ぶりだが、コンセントプラグとの間にACを接続する必要がある。それぞれ別の設置スペースが必要なのが難点だが、単体での幅が狭いため、設置場所は比較的フレキシブルだ

エントリー機とは言いながらも、掃除用の基本性能と機能はしっかり押さえており、上位ラインの「700」シリーズに比べると、スケジュール設定の可否や操作インタフェース、排気用フィルターなどがわずかに異なる程度だ。「バーチャルウォール」という機能を使うための装備品も1つ付属しており、侵入させたくないエリアに赤外線で仕切りを設け、立ち入りを禁止することも可能だ。

障害物を避けるセンサーとしては、今回紹介する3機種の中で唯一赤外線センサーを搭載。赤外線を床に反射させることで床を認識しているため、光が透過する窓際などの掃除が不得意なほか、目の前の障害物に対して減速せずに体当たりしてしまうことがあるのでこの点だけ注意が必要だ。室内に傷を付けたくない家具などがある場合は、養生するなどして対処たほうがいい。

ただし、掃除機本来の性能である清掃能力は、メーカーがゴミ除去率99.1%と自信を持って謳うだけあってピカイチ。人工知能で判断しながら何度も部屋をいろいろな角度から往復し、ゴミ検知センサーで微細な粉塵を捉えることができるので、その実力は時に人力以上と言ってもいい。家具の足元や壁の隅などは何度も繰り返して隅に入り込んでゴミを掻き出してキレイに掃除してくれる。

【左】ルンバの最大の強みはゴミの除去率。ゴミを掻き出す「エッジクリーニングブラシ」と、接触面の角度を床材に応じて自動調整する2つの回転ブラシ、強力なバキュームで微細なゴミまで吸い込む 【右】ダストボックスは簡易的。フィルターを含めてこまめに掃除しておく必要がある

ただしその分、運転音が大きく、動作も荒々しいというのが正直な印象。多少手荒でもとにかくガッツリゴミを取って欲しい人にオススメの機種だ。

動画

同じ箇所を何度も往復したり、念入りに重点的に「攻める」ように掃除するのがルンバの特徴。動きは変則的で予測不能だが、そのぶん同じ場所をいろんな方向から掃除してくれる熱心さを感じる。ただし、運転音は結構騒がしく、テレビの音は通常のボリュームでは聞こえづらくなる。また、障害物に対しては勢いよく体当たりしてしまうことが多い(動画を再生するにはここをクリック)