アイロボットのコリン・アングルCEO

アイロボットの日本総代理店セールス・オンデマンドは9月11日、「ルンバ 10th Birthday 記念発表会」を開催。発表会には、「ルンバ」シリーズの開発者であるアイロボットのコリン・アングルCEOが出席した。

ロボット掃除機「ルンバ」シリーズは、2012年9月17日で誕生10周年を迎える。発表会に合わせて来日したアングル氏は、10周年記念を最初に日本で行う背景として、「日本のユーザーは製品の性能に対する要求が高く、ロボット掃除機の意義を理解している人が多い」という点を挙げ、日本市場を重視していることを強調した。

また、アングル氏は製品登場10年を経る「ルンバ」シリーズについて、その歩みを紹介した。アイロボットは、ロボット専業メーカーとしてアングル氏らが設立した会社だが、ロボット掃除機の開発にあたって、家庭向けクリーニング用品メーカーのSCジョンソンと提携。そこで、「ユーザーにとって大事なのは、ロボットが掃除をすることではなく、きちんと掃除をできるかどうかだ」というアドバイスを受けたという。

アイロボットと「ルンバ」シリーズの歩みが紹介された

「その点に関して、高いハードルが設定された」と当初の苦悩を明かしたが、「掃除全般について同じことが言えるが、1回掃除しただけではなかなかキレイにはできない」ということに気付き、「汚れのある場所を何度も掃除するために、キレイになったかどうかを検知できる独自の高速応答プロセス『iAdapt』を開発した」と説明した。

長年に渡る研究の成果で、「ルンバ700」シリーズでは99%ものゴミ除去率を達成

また、ロボット市場では、他メーカーの新規参入が相次ぐ状況だが、アングル氏はこの点に関しても言及。「競合他社へは、掃除機能の追求をすべきだとアドバイスしたい。掃除以外の部分で特徴を持たせようとし過ぎないことが重要だ」と、掃除機能の追求に余念がないアングル氏ならではのエールを送った。

実勢価格を5万円前後に抑えた「ルンバ600」シリーズも発表

写真上が「ルンバ630」、下が「ルンバ620」

発表会では、新製品「ルンバ600」シリーズの発表も行われた。既発表の「ルンバ500」シリーズの後継製品で、「ルンバ630」と「ルンバ620」の2モデルがラインナップされる。

「ルンバ700」シリーズで充実していたメンテナンスキットなどの付属品を省略。また、「ルンバ700」シリーズでは上部に備えられていたタッチパネルなども省略することで価格が抑えられている。いずれも価格はオープンだが、直販サイト「アイロボットストア」での価格は、掃除箇所を制限するバーチャルウォールが2つと交換用フィルターが1つ付属するルンバ630が54,800円、バーチャルウォールが1つ付属するルンバ620が49,800円となっている。

いずれも、上位モデルの「ルンバ700」シリーズと同様に人工知能「AWARE」や「iAdapt」などを搭載し、機能的には遜色ない。掃除後には自動で充電状態に入るなど、全体的には「ルンバ700」シリーズと同じ使い勝手で利用可能。

電源はニッケル水素充電池で、充電の所要時間は約3時間。集塵方式は紙パック不要のダストビン式で、本体サイズは直径340×高さ92mm、本体重量は約3.7kg(バッテリー含む)となっている。

また、ルンバ630をベースにした「ルンバ 10th Birthday 限定モデル」も「アイロボットストア」において発売される。8色がラインナップされ、各100台限定となっている。10周年にちなみ、ベーシックモデルのルンバ630(カラー:グレー)、ルンバ620(カラー:ホワイト)と合わせて10色になるようにしたとのことだ。

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