【レポート】

64ビットタブレットiPad Air登場 - 新たな価値「軽さ」がiPad miniの競合となる

Appleは米国サンフランシスコで開催されたメディアイベントに続き、東京でも日本の報道関係者向けイベントをJPタワー ホール&カンファレンスで開催した。米国で開催されたイベントの録画を放映し、発表された各種新製品のタッチ&トライを行った。その中でも注目されていたのは、デザインが大きく変更されたiPad Airだ。

第5世代となるiPadである「iPad Air」

製品は前面白・背面シルバーのモデルと、前面黒・背面スペースグレイのモデルの2色展開。Wi-FiモデルとLTEをサポートするセルラーモデルが用意され、11月1日に日本を含む世界各国で発売される予定だ。

日本での価格は、アップルからはWi-Fiモデルが16GB 51,800円、32GB 61,800円、64GB 71,800円、128GB 81,800円。セルラーモデルは16GB 65,800円、32GB 75,800円、64GB 85,800円、128GB 95,800円。なおセルラーモデルについてはソフトバンクとKDDIから発売されるが、9月20日からiPhoneを取り扱い始めたドコモについては検討中とのことだ。

第5世代目のiPad Air

iPad Airを発表する前に、アップルのCEO、ティム・クック氏は「iPadを1億7000万台を販売した」と発表した。iPadは2010年に登場した9.7インチのタブレットで、iPhoneが定義したスマートフォンと同様に、iPadは新たなタブレット市場を定義することに成功した。 iPhoneこそAndroidスマートフォンにシェアの面で追い抜かれたが、iPadは依然優位性をを保っている。クック氏が示した「タブレット市場におけるユーザー使用率」という数字は、iPadが全体の81%を占めているとアピールした。App Storeで配信される47,500本のiPad向けアプリとシンプルなデザインが人気を博していた。

第5世代目として登場した製品には「iPad Air」の名前が付けられた。MacBookにたいして薄型軽量化されたMac Book Airが登場したように、9.7インチのiPadを薄型化、軽量化するコンセプトだ。

実際に手に取ってみると、これまでの9.7インチのiPadと比較して非常に軽くなっていることがわかる。例えば、iPad Airの画面の縁を片手でつかんで長時間ウェブや電子書籍を読んだり、端末下部を指でつまむようにして立てて持ってみるなど、いままでのiPadではその重量から長時間は疲れてしまうような持ち方にも対応するようになったといえる。

端末下部を指でつまむようにして立てて持つこともできる

手の大きい人なら、片手でホールドすることも可能

またベゼル(額縁)が狭くなったことによって、サイズもやや小さくなり、その軽量化がより際立つ。見た目も軽快になっているが、実際に持ち上げてみて、しばらく手で持ってみると、見た目の印象以上に軽くなっていることがよくわかる。

バッテリー持続時間を犠牲にせず、薄型・軽量化

これまでの第4世代iPadと比較して、iPad Airは手に取るだけでなく、見た目からして薄型化されたことがよくわかる。

厚さは9.4mmから7.5mmへ1.9mmも薄くなり、これまでのiPad miniと同じようなつや消し処理が施され縁が丸く曲線を描く背面パネルへと変更された。ベゼルも従来と比較して43%細くなっているが、画面サイズは9.7インチRetinaディスプレイと変わらない。

縁が丸く曲線を描く背面パネルへとデザインが変更された

そして重さは、これまでのiPadはWi-Fi版で652gの重量だった。しかしiPad AirはWi-Fi版で469gと183gも軽量化された。軽量化は、シャーシの形状や重量の見直しやバッテリーサイズの減少といった工夫が必要になる。iPad Airは落下試験での耐久性テストでこれまで通りの壊れにくさを確保した。

またバッテリーについては特に言及はなかったが、軽量化していながら持続時間はこれまで通りの10時間に据え置かれ、1日充電しなくても利用できる特性を残すことができた。バッテリーについては、後述する高速化され高いパフォーマンスを誇る64ビットのA7プロセッサにも理由があるものと思われる。

iPhone 5sに続いて、64ビットA7搭載

iPadは第3世代から、Retinaディスプレイを搭載し、アップルのラインアップの中で、消費者向けのApple製品の中で最も高解像度のディスプレイを備える製品となった。特に米国では、家庭で一般的な固定インターネット回線よりも高速なLTE通信に対応したことから、画面のリッチと通信の速さで、iPadがパソコンのメリット以上のものをサポートするようになった。

iPad Airは、iPhone 5s搭載で発表された64ビットのプロセッサ「A7」を搭載し、64ビットに対応するiOS 7とアプリ群の恩恵を授かることができるようになった。特に2048×1536ピクセルという大きな解像度で、迫力のゲームなどを楽しむことができるようになるほか、大きなPDFファイルを開いたり、GarageBandやiMovieでの作業をスムーズに行うことができる様になる。

A7プロセッサの搭載によって、初代iPadから処理性能は8倍、グラフィックス性能は72倍にまで飛躍的に高まっている。アプリの64ビット対応かはこれから進んでいくものと見られており、A7プロセッサを搭載したiPadはこれまで以上に長く利用できるのではないだろうか。またA7搭載によって、写真など、iPadに備わるほかの機能の向上ももたらされている。

背面のiSightカメラは新しいカメラモジュールに変更された

もう1点、内部での変更は、カメラの刷新だ。会場の説明員によると、背面のiSightカメラは画素数こそこれまでの500万画素と共通だが、新しいカメラモジュールに変更され、またA7によって画像の処理速度が大幅に向上したという。インカメラのFaceTImeカメラも暗い場所での撮影性能が向上している。

iPad miniと悩む軽さ

2012年に発売された7.9インチと小型化されたiPad miniも、今回の発表会でRetinaディスプレイ搭載、A7チップ搭載となり、iPad Airと性能面での差異は画面サイズだけになった。iPad miniはWi-Fiモデルで331g。469gのiPad Airと数字で比較すると、138gも軽く、およそiPhone 5cと同じくらいの重量差がある計算だ。

しかし実際に手にしてみると、これがなかなか悩ましい重量差だ。持ってみても確かにiPad miniの方が軽くコンパクトであることは間違いないが、大きな画面を利用できることを考えるとiPad Airもこれまでのようにノートパソコンとともにカバンに入れるのを躊躇するほどでもない。

写真や映像の閲覧、文字入力のキーボードのサイズを優先するなら選択はiPad Airか?

iPad AirとiPad miniの価格差は100ドルあり、iPad miniの方が手に取りやすい。しかし写真や映像の閲覧、文字入力のキーボードのサイズなどを比較すると、9.7インチも捨てがたい。スペックでの比較以上に、店頭で実際に手にしてみると、さらに悩むことになる、そんな難しい選択を迫られているようだ。

64ビット化を果たし対応アプリやその使い方を含め、これから数年かけて充実していくことになる64ビットタブレット。これまでのデバイス以上に長く使うつもりで、想定の1つ上の保存容量を選んでおいても良いのではないだろうか。

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