デジタルライフ推進協会(DLPA)は6月10日、リモート視聴を中心としたテレビの新しい視聴スタイルを提唱する「DLPAリモートアクセスDay」を開催した。2010年2月に設立したDLPAは、デジタルコンテンツ使用の利便性を高める目的で設立された団体だ。
録画コンテンツのホームネットワーク内での視聴は、静かな広がりを見せている。DLPAがその次の段階として見据えているのが、リモートアクセスによるコンテンツ視聴だ。マイナビニュースでも記事を掲載したように、DLPAでは、2013年1月に「リモートアクセスガイドライン」を策定している。この春以降、同ガイドラインに沿った製品もリリースされてきており、DTCP+に対応したNASと、リモートアクセスに対応したプレーヤーの組み合わせで、Wi-Fiや3G回線を使った視聴が既に現実のものとなっている。
DLPAリモートアクセスDayでは、DLPAの会員となっているアイ・オー・データ機器、デジオン、さらにリモートアクセスに対応したスマートフォンをリリースしている富士通より、各社の取り組みが紹介された。さらに、エムジェイアイの代表取締役 前田悟氏のゲストスピーチも行われた。前田氏はソニーで、ネットワークテレビ視聴の先駆けともいえる「ロケーションフリー」の開発に携わったことでも知られている人物だ。
前田氏は、「タイムシフト」から「プレイスシフト」へと、視聴スタイルの多様化が進んでおり、DLPAとDTCP+には大きな可能性があると語っている。しかし現状では、スマートフォンでテレビを見るという視聴スタイルが"必需品"にはなっていないことも指摘。テレビコンテンツのプレイスシフトのさらに先にあるものを考えていく必要があると述べた。