ケンコー「クローズアップレンズ」は、デジタル一眼のレンズ前面に取り付けるだけで、被写体をより大きく写せるようになる便利なアイテムです。今回は、望遠ズームや単焦点レンズにクローズアップレンズを組み合わせて撮影した写真を紹介します。

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【ハウツー】「クローズアップレンズ」で楽しむ春のマクロ撮影 - 前編・標準ズームの場合

ACクローズアップレンズ No.3を使用。絞り優先AE(F5 1/125秒) ISO250 ホワイトバランス:晴天 焦点距離:75mm カメラ:NEX-7 レンズ:「E 55-210mm F4.5-6.3 OSS」(原寸大画像を見る)

デジタル一眼のユーザーなら、標準ズームレンズに加えて望遠ズームレンズを所有している人は少なくないでしょう。ダブルズームキットとして、ボディと一緒に購入した人もいるはずです。望遠ズームといえば、子どもの運動会やスポーツ、ポートレートなどの用途を連想しがちですが、活用シーンはそれだけではありません。花の撮影用にも生かせます。

特に花壇や柵の中、高い木の上など離れた位置にある植物を撮る際には、望遠ズームが便利です。といっても、望遠ズームはマクロレンズではないため、接写性能はあまり期待できません。花壇の一部分を切り取ることはできても、ひとつの花を大きく捉えるには力不足。少々もの足りなさが残ります。

そんな時こそ、ケンコー「クローズアップレンズ」の出番です。望遠ズームの前面にクローズアップレンズを取り付けると、最短の撮影距離がグンと短くなり、被写体をより大きく写せるようになります。その効果は、標準ズームにクローズアップレンズを装着した場合よりも大きく、手軽に超接写が楽しめるようになります。

ケンコー・トキナー「クローズアップレンズ」。撮影倍率の違いによってNo.1/2/3/4/5/10などの種類があります。後ろにあるのは今回使用したカメラ「NEX-7」

下の写真は、クローズアップレンズNo.1/No.2/No.3/No.4/No.10を装着し、それぞれの最短撮影距離で写したもの。数値が大きくなるほどワーキングディスタンスが短くなり、葉っぱがいっそう大きく写っていることが分かるはずです。カメラは「NEX-7」で、レンズには「E 55-210mm F4.5-6.3 OSS」を使用。焦点距離は210mmに固定しています。

クローズアップレンズなし。撮影距離は96cm。ワーキングディスタンスは約78cm(原寸大画像を見る)

MCクローズアップレンズ No.1を使用。ワーキングディスタンスは約47cm(原寸大画像を見る)

MCクローズアップレンズ No.2を使用。ワーキングディスタンスは約33cm(原寸大画像を見る)

MCクローズアップレンズ No.3を使用。ワーキングディスタンスは約26cm(原寸大画像を見る)

ACクローズアップレンズ No.4を使用。ワーキングディスタンスは約20cm(原寸大画像を見る)

MCクローズアップレンズNo.10を使用。ワーキングディスタンスは約11cm(原寸大画像を見る)

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