望遠ズームは、標準ズームに比べて焦点距離が長いため、背景をボカして撮影したり、遠近感を圧縮した構図で捉えたりすることも得意です。カメラの位置や向きを少し動かすだけで、背景は大きく変化します。メインの花だけでなく、その手前および背景に気を配りながら最適な構図を探してみましょう。

2つ並んだスイセンの一方にピントを合わせ、もう一方は後ろボケとして利用。MCクローズアップレンズ No.1を使用。絞り優先AE(F6.3 1/800秒) ISO200 ホワイトバランス:晴天 焦点距離:100mm カメラ:OM-D E-M5 レンズ:「ED 75-300mm F4.8-6.7 II」(原寸大画像を見る)

赤と白をアクセントにして、背景を大きくボカしてみました。MCクローズアップレンズ No.1を使用。絞り優先AE(F5.6 1/1600秒) ISO200 ホワイトバランス:晴天 焦点距離:117mm カメラ:OM-D E-M5 レンズ:「ED 75-300mm F4.8-6.7 II」(原寸大画像を見る)

カメラをローアングルに構え、花の重なりに注意しながらアングルを決めています。MCクローズアップレンズ No.1を使用。絞り優先AE(F6.3 1/500秒) ISO200 ホワイトバランス:晴天 焦点距離:75mm カメラ:OM-D E-M5 レンズ:「ED 75-300mm F4.8-6.7 II」(原寸大画像を見る)

色の対比を意識しながら、菜の花をバックにしてサクラを撮影。MCクローズアップレンズ No.1を使用。絞り優先AE(F9 1/200秒) ISO200 ホワイトバランス:晴天 焦点距離:75mm カメラ:OM-D E-M5 レンズ:「ED 75-300mm F4.8-6.7 II」(原寸大画像を見る)

カメラの直前に赤いチューリップを配置し、前ボケとして利用。MCクローズアップレンズ No.1を使用。絞り優先AE(F6.1 1/800秒) ISO200 ホワイトバランス:晴天 焦点距離:194mm カメラ:OM-D E-M5 レンズ:「ED 75-300mm F4.8-6.7 II」(原寸大画像を見る)

黄色いチューリップの後ろに赤いチューリップを配置し、後ろボケとして利用。MCクローズアップレンズ No.1を使用。絞り優先AE(F6.4 1/800秒) ISO200 ホワイトバランス:晴天 焦点距離:234mm カメラ:OM-D E-M5 レンズ:「ED 75-300mm F4.8-6.7 II」(原寸大画像を見る)

花の上半分を大胆にカットし、部分のみをクローズアップしてみました。MCクローズアップレンズ No.3を使用。絞り優先AE(F6.3 1/500秒) ISO200 ホワイトバランス:晴天 焦点距離:205mm カメラ:NEX-3N レンズ:「E 55-210mm F4.5-6.3 OSS」(原寸大画像を見る)

重なった花びらが作り出す影に注目して構図を決めます。MCクローズアップレンズ No.3を使用。絞り優先AE(F6.3 1/1000秒) ISO200 ホワイトバランス:晴天 焦点距離:174mm カメラ:NEX-3N レンズ:「E 55-210mm F4.5-6.3 OSS」(原寸大画像を見る)

こちらは、単焦点の中望遠レンズを使用。背景をシンプルに整理しています。MCクローズアップレンズ No.3を使用。マニュアル露出(F4 1/1000秒) ISO100 ホワイトバランス:晴天 焦点距離:100mm カメラ:EOS 6D レンズ:「EF100mm F2 USM」(原寸大画像を見る)

ここまで接近すると被写界深度は極めて浅くなり、ピントを合わせた部分以外はふんわりとボケます。MCクローズアップレンズ No.3を使用。マニュアル露出(F4 1/400秒) ISO125 ホワイトバランス:晴天 焦点距離:100mm カメラ:EOS 6D レンズ:「EF100mm F2 USM」(原寸大画像を見る)

最後に、クローズアップレンズの選び方について少し触れておきましょう。No.1からNo.10まで数多くの種類があるクローズアップレンズから、どれを選ぶかは少々悩ましい問題ですが。個人的には、標準ズームに装着する場合は適度に倍率が高いNo.3かNo.4、望遠ズームに装着する場合は倍率が控えめのNo.1が使いやすいと感じています。

まず1枚のクローズアップレンズを購入して使ってみて、倍率に不足を感じたらより大きな番号のものを1枚追加、倍率が高すぎる感じたらより小さな番号のものを1枚追加、といったように複数のクローズアップレンズを揃えるのもいいでしょう。全部の番号を揃えるのは、よほどのマニア以外にはお勧めしませんが、2枚程度の使い分けなら、価格面でも携帯性の面でも負担はそれほど大きくないはずです。

左から順に、単玉タイプの「MCクローズアップレンズ No.1」「No.2」「No.3」、1群2枚で構成される「ACクローズアップレンズ No.4」、2群2枚で構成される「MCクローズアップレンズNo.10」

今回の撮影では天候にも恵まれ、時間が経つのも忘れて丸一日、花のクローズアップ撮影を楽しむことができました。みなさんも是非、ケンコー・トキナー「クローズアップレンズ」を使って気軽に花のマクロ撮影にチャレンジしてみて下さい。