「レッツ! Windows 8」は、現在プレビュー版として配布中のWindows 8 Release Preview(以下、Windows 8)を試用している方々に、同OSの使いこなし術を紹介する連載です。コンピューターには詳しくないが新しもの好きで、既にWindows 8を導入された方や、今後のことを踏まえてWindows 8を導入し、さまざまな検証を行っている方に役立つテクニックを紹介しますので、ご興味のある方は是非ご覧ください。今回は新しいタスクマネージャーの使い方を解説します。
レッツ! Windows 8
使いやすくなったタスクマネージャー
本来であればユーザーは、コンピューター上で稼働しているソフトウェアを把握し、不要なものは終了させるといった整理整頓が必要です。だが、Windows OSはバージョンを重ねるごとに複雑化し、現在稼働しているソフトウェアを把握するのが難しい時期がありました。過去にはこの欠点を補うフリーウェアも数多く登場しましたが、OSレベルで対応し始めたのがWindows NT 4.0から含まれるようになった「Windows NTタスクマネージャ」です(図01)。
そもそもタスクとは作業という意味を持ち、コンピューターにおいてはソフトウェアの稼働を指す単語。このほかにもプログラムの動作状態を意味するプロセスや、プロセッサにおける処理単位を指すスレッドといった単語もありますが、特定の説明が付加しない限り、同義であると言っても構いません。Windows OSにおいては、アプリケーションやサービスなどのソフトウェアが稼働している単位をタスクと称し、前述のような名称が付けられました。なお、現行のWindows OSでは、表記変更に伴い「タスクマネージャー」に変更されています。
さて、Windows 8のタスクマネージャーは、エンドユーザーが使いやすいように、簡易表示/詳細表示の2モードを用意するようになりました。前者はコンピューターの操作に詳しくない方でも現在稼働しているタスクを一目で把握し、ショートカットキーを用いないタスク切り替えが可能。機能的には従来のタスクマネージャーにおける<アプリケーション>タブと同等です。この説明だけでは「タスクバーで十分」と捉えがちですが、通常のデスクトップアプリケーションに加え、Metroアプリケーションも同列に扱われるため、タスクバー以上の範囲をサポートしていると言えるでしょう(図02~04)。
一方の詳細表示モードは、タブ単位で表示内容を切り分けた従来のタスクマネージャーと同じ表示方法を採用しています。もっともWindows 7以前のタスクマネージャーとは異なり、<プロセス>タブは稼働中のタスク(=プロセス)が列挙されますが、「アプリ」「バックグラウンドプロセス」といった種類で切り分けられるようになりました。前者は文字どおり通常のデスクトップアプリケーションとMetroアプリケーションが分類され、後者はWininit.exe経由で起動したサービスやスタートアップフォルダーに登録したアプリケーションが分類されます。
また、表示内容も整理され、初期状態ではプロセッサ/メモリー/ディスク/ネットワークの4ジャンルに限定されました。以前のようにページプールやワーキングセットなど詳細なメモリー消費量は確認できませんが、簡単な情報は追加表示することができます(図05~06)。
<パフォーマンス>タブは、デザインを刷新してプロセッサやメモリーといったカテゴリごとにグラフ表示するようになりました。また、フォントサイズに強弱を付け、配色を変更することで見やすくなっているのも注目ポイントの一つでしょう。最近のプロセッサは最低でも2コア以上のマルチコアプロセッサですが、図07で示したグラフは一つ。この点に不満を覚える方もおられるでしょう。これは単に初期設定が全体の使用率を示す設定になっているに過ぎず、はコンテキストメニューから<理論プロセッサ>を選択することで、簡単に切り替えることができます。
このような拡張表示を確認できるのは、現時点で「CPU」だけですが「イーサネット」などネットワーク系リソースでは、使用率やリンク速度、使用したバイト数を数値として確認することも可能です。以前のタスクマネージャーにも<ネットワーク>タブが用意されていましたが、こちらの方が視覚的も数値的にも把握しやすく便利に活用できるのではないでしょうか(図07~10)。