「レッツ! Windows 8」は、現在プレビュー版として配布中のWindows 8 Release Preview(以下、Windows 8)を試用している方々に、同OSの使いこなし術を紹介する連載です。コンピューターには詳しくないが新しもの好きで、既にWindows 8を導入された方や、今後のことを踏まえてWindows 8を導入し、さまざまな検証を行っている方に役立つテクニックを毎回紹介しますので、ご興味のある方は是非ご覧ください。今回はHyper-V 3.0上の仮想マシンにUbuntuをインストールしてみます。

レッツ! Windows 8

Ubuntuなら統合サービスなしで使用可能

以前に述べましたとおり、Windows 8にはHyper-V 3.0が用意されています。概要やシステム要件は以前の記事をご覧頂くとして、今回はWindows以外のOSをインストールしてみましょう。仮想マシンへ簡単にインストールできるOSと言えばLinux。

そもそもHyper-VではCentOS 5.2以降、Red Hat Enterprise Linux 5.2以降、そしてSUSE Linux Enterprise Server 10 Service Pack 4以降をサポートしています。これらの情報はWindows Server 2008 R2に搭載されているHyper-V 2.0を対象とした2012年4月時点での情報ですので、Windows 8にそのまま適用されるかわかりません。

しかし、Linuxカーネル 2.6.32以降は、Linux Integration Components for Windows Server 2008 Hyper-V R2のオープンソース実装が組み込まれていますので、実のところさしたる苦労もせず、インストールできることをご存じでしょうか。同カーネルは2009年12月にリリースされていますので、今更という感じもありますが、コンシューマー向けWindows OSを使ってきた方がHyper-Vに触れるのはWindows 8が初めてですので、インストール時のポイントをいくつか解説しましょう。ただし、基本的な手順は前々回のWindows XPと大差ありませんので、ポイントだけかいつまんで紹介します。

現在、Ubuntuの日本語サポートを行っているUbuntu Japanese Teamでは、最新版であるUbuntu 12.04 LTS Desktop日本語版の仮想HDDイメージをリリース中。ISO形式ファイルから新たにインストールするよりも簡単ですので、こちらのイメージファイルをダウンロードしましょう(図01)。

図01 Ubuntuの仮想HDDイメージを配布しているページ。今回は「Ubuntu 12.04」用となる「ubuntu-ja-12.04-desktop-i386-vhd.zip」をダウンロードします

前回のセットアップ手順と異なるのが仮想HDDの選択。Ubuntu Japanese Teamが配布している仮想HDDイメージファイルはVHD形式ですので、そのままHyper-V 3.0の仮想HDDとして使用可能です。ダウンロードしたZIP形式ファイルを展開し、Hyper-V 3.0が参照する「C:\Users\Public\Documents\Hyper-V\Virtual Hard Disks」フォルダーにVHD形式ファイルを移動させましょう。後は同ウィザードで<既存の仮想ハードディスクを使用する>を選択し、同VHDファイルを参照するだけです(図02~06)。

図02 Hyper-Vマネージャーから仮想マシンを作成するウィザードを起動し、インストールするLinuxディストリビューション名を入力します

図03 仮想HDDの接続に関する設定画面が現れましたら、<既存の仮想ハードディスクを使用する>をクリックし、「場所」に記載されている「C:\Users\Public\Documents\Hyper-V\Virtual Hard Disks」フォルダーをエクスプローラーで開きます

図04 図01でダウンロードした「ubuntu-ja-12.04-desktop-i386-vhd.zip」を展開します

図05 「ubuntu-ja-12.04-desktop-i386.vhd」ファイルを図03で開いたフォルダーに移動させます

図06 仮想マシン作成ウィザードの<参照>ボタンをクリックし、「ubuntu-ja-12.04-desktop-i386.vhd」ファイルを選択して<開く>ボタンをクリックします