背面下部に細長い溝が切ってあり、スピーカーグリルが見える。サウンドは人の声が聞き取りやすい音質で、大きな音量をクリアに得られる。携帯デバイスの域を出るほどの音質ではないものの、ヘッドフォンを使わなくてもビデオチャットで会話したり、映画を楽しめる。

底面に3.5ミリ・ヘッドフォンジャック、Micro USBポート、スピーカなど

前面上部に120万ピクセルカメラ

カメラは前面のみ。Nexus 7はコンテンツの消費とコミュニケーションにフォーカスしたタブレットということなのだろう。ただ120万ピクセルのカメラなので、Google+ハングアウト(ビデオチャット)などに映る自分の見た目はiPadよりも精細だ(第3世代iPadのフロントカメラはVGA)。

現時点でTegra 3の性能は圧倒的で、ベンチマークアプリ[Geekbench 2]でNexus 7は1350-1550ポイントの高スコアを出す。第3世代のiPadは760前後だ。

Geekbench 2(長い方が高パフォーマンス)、総合スコアはNexus 7が「1514」、iPadが「761」

ただ、この圧倒的なスコアが、そのまま利用体験の違いにあらわれているかというと、そうではないのだ。唯一ストリーム性能のみが260-280ポイントと、iPad (320-340)を下回っており、Geekbench 2の結果から想像すれば、写真や動画の編集など大きなファイルを扱う作業を除けばNexus 7の圧勝のはずだ。しかしながら、実際の使用では随所でiPadの方が快適に感じられる。これは、むしろApple製品のOS、ハードウエア、ソフトウエアのバランスの良さ、相乗効果を引き出すAppleのうまさを評価するべきなのだろう。また、このベンチマーク結果と利用体験の食い違いに、今Androidが乗り越えようとしている課題がよくあらわれていると思う。

内蔵バッテリの電池容量は4325mAh。Googleは、HDビデオ再生が最長9時間、Webブラウジングが最長10時間、スタンドバイ最長300時間としている。ディスプレイの明るさを最高にし、Wi-Fiをオンにした状態でHDビデオをループ再生したところ、バッテリ駆動時間は8時間58分だった。明るさ100%でWi-Fiを使ってWebブラウジングを1時間行ったところバッテリの減少は11%。電子書籍アプリは1時間の使用で10%減だった。どちらもフル充電からの連続使用で9時間を超えるだろう。

他のアプリをインストールしていない"Pure Android"状態で、バッテリ駆動時間に関してGoogleのアピールに誇張はなく、実際に使っていて十分に満足できるものだ。199ドルと低価格でありながら、ユーザーの利用体験に直結するディスプレイ表示やバッテリ駆動時間などがおろそかになっていない。だからNexus 7を称賛する声が多いのだろう。

後編では、スピードが改善されたAndroid Jelly Bean、新サービスGoogle Nowなど、ソフトウエアとサービスをレポートする。

(記事提供: AndroWire編集部)