【レビュー】

Android搭載のウォークマン、ソニー「Z1000シリーズ」の実力チェック

1 ハイスペックなAndroid端末

    小山安博  [2011/12/27]

    ソニーから新型ウォークマン「Z1000シリーズ」が登場した。OSにAndroidを搭載し、iPod touch対抗の高機能な音楽プレイヤーとして進化したウォークマンをチェックしてみた。

    ウォークマンZ1000シリーズ

    ハイスペックなAndroid端末

    ウォークマンZ1000シリーズは、フルフラットで4.3型の大型液晶ディスプレイを搭載した音楽プレイヤー。OSにはAndroid 2.3.4(Gingerbread)を搭載しており、「携帯電話機能のないスマートフォン」といえば一番分かりやすい。iPhoneに対するiPod touchのような位置づけで、携帯電話機能を除けば、ちまたにあるAndroidスマートフォンと同等のスペックと言っていい。

    ディスプレイは4.3型WVGA(800×480ドット)液晶で、タッチパネルに対応。タッチパネルと液晶パネルの間に空気層がない「エアギャップレス構造」を採用したことで、写り込みや光の反射を抑え、高コントラストな表示が可能になっている。エアギャップレス構造自体は、ソニーのクリアブラックパネルなどにも採用されている技術だ。グループ会社のソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ製スマートフォン「Xperia arc/acro」でも、このエアギャップレス構造は採用されている。

    本体背面。本体左右が膨らみ、そのまま床に置くと、わずかに本体上部にあるスピーカーが浮くというデザイン上の工夫がされている

    とはいえ、ソニー本体とソニー・エリクソンという違いがあり、Xperiaとというよりも、どちらかというとタブレット端末の「Sony Tablet」の小型版といった方が近いかもしれない。

    本体上部。電源ボタンを配置

    本体下部にはイヤホン、電源端子、ストラップホール。電源端子が独自端子なのは悩ましい。端子の部分だけmicroUSBケーブルに装着できるような変換アダプタを用意するなど、ケーブルをあまり持ち歩かずにすむような仕組みが欲しい

    特に、オリジナルアプリとして搭載されている「W.ミュージック」「ビデオプレーヤー」「フォトビューワー」「DLNA」といったアプリはSony Tabletに搭載されているものに近い。全く同じではないが、この辺りは共通したアプリといっていいだろう。

    ウォークマンZのホーム画面。音楽プレイヤーウィジェットやソニー・ミュージックウィジェットが用意されている。下部にはアプリアイコン3つとアプリ一覧、Favoritesボタンが並ぶ

    ホーム画面を左右スワイプすれば、別の画面が表示される。Google検索ウィジェットなどはいたって普通のAndroid端末

    アプリ一覧。紫背景のアイコンがソニーオリジナルアプリ。この辺りはSony Tabletと同じ。搭載されているアプリはAndroid標準とオリジナルアプリを除けばシンプル

    Sony Tabletにはない「FMラジオ」「ノイズキャンセル」「ちょい聴きmora」「W.コントロール」は、ウォークマンならではのオリジナルアプリだ。逆に、Sony Tablet Sには入っていた「Reader」「ソーシャルアプリ」「リモコン」といったアプリは省かれている。

    画面のUIは、方向性としてはSony Tabletに近く、デザインはシンプル。Android標準UIに対して大幅なカスタマイズを加えている感じではないが、画面下部にアプリ一覧、ビデオプレーヤー、W.ミュージック、Original apps、Favoritesの5つのアイコンが並ぶのは独特。アプリ一覧を開くと、インストールされているアプリが並ぶが、オリジナルアプリ以外はほぼAndroid標準のアプリのみでシンプル。Original appsをタッチすると、オリジナルアプリのみの一覧表示になる。Favoritesは、最近保存した画像や音楽などを一覧表示してくれる機能。Sony Tabletにも搭載されていた機能だ。アプリ一覧とFavorites以外は、任意のアプリのショートカットと入れ替え可能だ。

    Original apps。ソニーのオリジナルアプリを集めたもの

    最近視聴した動画像や音楽が一覧表示されるFavorites。アプリを経由せず、最近使ったファイルをすぐに見つけられる

    一般的なスマートフォンと同様、左右のフリックでホーム画面を切り替え、アプリを選んでタッチして操作する。Android標準のブラウザ、Gmail、Googleマップなどのアプリは使えるし、無線LANを使ってインターネット接続ももちろん可能。Android Marketからアプリを自由にダウンロードして利用することもできる。

    ブラウザでWebサイトを表示したところ。無線LAN環境であれば、自由にインターネット接続ができる。能力としてはAndroidスマートフォンと変わらない

    3G通信が行えないことを除けば、普通のAndroid端末である。UIに関して奇抜な部分もなく、メニュー画面なども標準的なので、Android利用者であれば迷うことはないだろうし、Androidの操作に慣れれば使い勝手は悪くないだろう。

    ハードウェアとしては、CPUがデュアルコアのNVIDIA Tegra 2 1GHz、RAM 512MB、ROM 16/32/64GB、GPS、デジタルコンパスなどのセンサーを内蔵し、無線LANはIEEE802.11b/g/n、Bluetooth 2.1+EDR、HDMI端子搭載などといったスペック。デュアルコアCPUを内蔵するので、操作としては十分快適。引っかかりもなく、音楽専用機としても、Android機としても試用した限り、不満は感じなかった。

    ベンチマークを取ったところ、Quadrant ProfessionalとAnTuTu Benchmarkでは以下のような結果になった。

    ■Quadrant
    Total 2087
    CPU 5437
    Memory 2581
    I/O 1340
    2D 286
    3D 791
    ■AnTuTu
    RAM 524
    CPU integer 1080
    CPU float-point 860
    2D graphics 272
    3D graphics 1099
    Database IO 365
    SD card write 79
    SD card read 193
    Total score 4472

    同じデュアルコアCPUを搭載したAndroidスマートフォンに比べると少し数値は落ちるが、QuadrantではSony Tablet Sよりも数値がよく、シングルコアのXperia acroと比べると3割ほど速い結果となった。

    個人的には細かい点として、日本語入力がPOBoxではなくiWnnなのは残念だが、「無線LAN専用Android端末」としても快適に利用できるという印象だ。画面も大きく、自然で鮮やかな画面表示は、画像や動画の閲覧、Webサイトの表示でも快適だ。

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