カシオ計算機の「EXILIM EX-ZR15」(以下、EX-ZR15)は、高速撮影と軽快な操作が気持ちいいコンパクトデジタルカメラだ。ハイスピードエンジンを搭載した「EXILIM EX-ZR10」の上位モデルで、その特徴を継承しつつ、背景ぼかし撮影など新たな機能が追加されている。新機能を中心にEX-ZR15を見ていこう。

1,610万画素の裏面照射型CMOSセンサーを搭載したEX-ZR15。本体カラーはブラック、ホワイト、ゴールド、レッドの4色を用意。今回はゴールドモデルを試用した

撮像素子は裏面照射型の1/2.3インチCMOSセンサーだ。EXILIM EX-ZR10の1,210万画素から有効画素数が増え、1,610万画素になった。これに光学7倍ズームレンズを組み合わせている。焦点距離が35mmフィルム換算で28~196mm(F3~F5.9)と、広角から望遠までを広くカバーしたレンズだ。

厚さ27.4mmの薄型ボディに光学7倍ズームレンズを搭載

内部では「リコンフィギュラブルプロセッサ」というCPUを搭載し、高速なデータ処理ともたつきのない操作感を実現している。高速処理がウリだった従来モデルよりもさらに速くなり、メーカーの公表値では、電源オンから使用可能になるまで0.99秒、フォーカスが合うまで約0.13秒、最短の撮影間隔が0.29秒、電源オフにする時間が約1.8秒だ。

使ってみると確かにサクサクと動く感覚で、軽快に操作できる。コンパクトカメラにありがちな、シャッターボタンの全押しからシャッターが切れるまでのタイムラグでシャッターチャンスを逃す、という感覚もまったくなかった。

上面(写真左)と背面(写真右)。物理的なボタン数が少ないので操作は簡単。上面の電源ボタンが小さく感じるかもしれないが、背面の「撮影」ボタンでも電源オンが可能

バッテリとSDメモリーカードは底面から装着

ズーム速度も適度に速く使いやすい。撮影間隔0.29秒というのは最速値で、常にこの時間で撮影できるわけではないが、オートモードであれば、イライラもなく軽快に撮影できた。後述するHDRアートなどの画像処理が必要な撮影では、だいたい5秒程度の処理時間がかかってしまうが、同様の処理をするデジカメの中では高速なほうだ。

細かい点だが、画像処理中に電源Offボタンを押すとただちにレンズを格納し、液晶モニタには「処理中です」と表示され、処理が終わると電源が切れるのは親切だ。レンズが格納されればすぐにカバンなどに入れても大丈夫だし、処理中とメッセージが表示されているので、誤ってバッテリやメモリカードを抜いてしまうこともない。

また、撮影した画像の再生も高速で、「次の画像」ボタンを連打しても、表示がちゃんと追いついてくる。

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