オリンパス「OLYMPUS PEN E-P1」は、同社初となるマイクロフォーサーズ規格のデジタルカメラだ。従来のフォーサーズ機と同等の4/3型センサーを搭載しつつ、レンズ交換式のカメラとしては画期的な小型軽量ボディを実現。銀塩のハーフ判カメラ「PEN F」のテイストを取り入れた個性的なデザインも光る。そのE-P1をレビューしよう。レンズキットの推定市場価格は10万円前後。現在の市場価格はマイコミジャーナル価格情報をご覧いただきたい。

E-P1に標準ズーム「M.ZUIKO DIGITAL ED14-42mm F3.5-5.6」を装着

クラシック風ボディにデジタル機能を満載

マイクロフォーサーズ規格のデジタルカメラ、オリンパス「E-P1」が登場した。同規格の製品は、これまでにパナソニック「LUMIX DMC-G1」と「同DMC-GH1」が発売されているが、E-P1はその2台とはデザインが大きく異なる。端正な横長の長方形スタイルで、フィルムの高級コンパクト機を彷彿させる形状だ。見た目にクラシックなイメージはあるが、と同時に、従来のデジカメには見られないデザインという意味では、新しさも感じる。

キットレンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED14-42mm F3.5-5.6」は、鏡枠部分を回してレンズ前部を引き出してから使用する

薄型軽量のパンケーキレンズ「M.ZUIKO DIGITAL 17mm F2.8」を装着。ボディの薄さと軽さが際立ち、デザイン的にもマッチする

外装は、上部と下部にアルミニウムを、両サイドと背面にステンレスを用いた金属製だ。カラーバリエーションとしてシルバーとホワイトの2色がそろい、どちらの色もフルブラックのカメラとは違った、軽やかで親しみやすい雰囲気を生んでいる。

サイズと重量は、一般的なコンパクトデジカメよりも一回り以上大きくて重いが、4/3型の撮像センサーを搭載し、レンズ交換に対応することを考慮すれば、かなり小さくて軽いボディといえる。

液晶は3型の大画面。ファインダーは非搭載だが、オプションに、17mmパンケーキ専用の光学ビューファインダーが用意される

記録メディアはSD/SDHCカードを採用。電源は「E-410/420」と互換性のある薄型のリチウムイオン充電池。CIPA準拠の電池寿命は約300枚

レンズは、レンズキットに標準ズーム「M.ZUIKO DIGITAL ED14-42mm F3.5-5.6」が、パンケーキキットに広角単焦点レンズ「M.ZUIKO DIGITAL 17mm F2.8」がそれぞれ付属する。また両レンズが付属するツインレンズキットもある。今回試用したのは、最もお買い得なツインレンズキットだ。

ボディ上部の電源ボタンを押すと、背面の液晶モニターが点灯する。ファインダーは電子式も光学式も搭載せず、撮影はすべて液晶のライブビュー表示を見ながら行う。一眼レフ機のようにファインダーを見ながらしっかりとボディを支えられないことは、特にズームの長焦点側での撮影時には戸惑いを覚える。だが、コンパクトデジカメではファインダー非搭載は珍しくなく、慣れれば違和感はない。

フォーサーズよりもマウント径が小さく、電子接点の数が多いマイクロフォーサーズマウント。ストロボは非搭載で外付けタイプが別売となる

上部左にはボディに埋め込まれたモードダイヤルがあり、背面の操作ボタン類は右側に集中配置。ややクセのある操作系には慣れが必要

液晶のスペックは3.0型の約23万ドット。特に高精細とはいえないが、明るい屋外でも薄暗い室内でもまずまずの視認性がある。視野角や発色にも問題は感じない。AFは、コントラスト検出方式を採用。AFスピードは超高速とはいえず、先行するパナソニックのマイクロフォーサーズ機に比べるとやや遅めだ。だが、デジタル一眼レフ機のコントラストAFよりは格段にスピーディで、一般的なスナップ撮影でAFにストレスはない。……続きを読む