オリンパスは16日、マイクロフォーサーズシステム規格に準拠したレンズ交換式のカメラ「オリンパス・ペン E-P1」を発表した。キットには、標準ズーム「M.ZUIKO DIGITAL ED14-42mm F3.5-5.6」が付属するレンズキット(市場予想価格10万円前後)、広角単焦点レンズ「M.ZUIKO DIGITAL 17mm F2.8」が付属するパンケーキセット(同11万円前後)、標準ズームと広角単焦点の2本が付属するツインレンズキット(同13万円前後)の3種類があり、いずれも発売日は7月3日。ボディのみ(同9万円前後)は受注生産で、発売は7月下旬となる。なお、各キットとボディのみにはそれぞれシルバーとホワイトのカラーバリエーションが用意される。

「オリンパス・ペン E-P1」と標準ズーム「M.ZUIKO DIGITAL ED14-42mm F3.5-5.6」(写真左:シルバー/右:ホワイト)

マイクロフォーサーズシステム規格とは、オリンパスとパナソニックによって策定され、昨年夏に発表されたデジタル一眼の撮像素子やレンズマウントに関する規格だ。従来のフォーサーズシステムと同じく4/3型(約17.3×13mm)の撮像素子を用いながら、フランジバックの短縮やマウント径の縮小、マウント電子接点の増加を図ることで、フォーサーズシステムに比べてレンズやボディをいっそう小型軽量化できるメリットがある。

パナソニックはすでにマイクロフォーサーズ製品として「LUMIX DMC-G1」と「LUMIX DMC-GH1」を発売しているが、オリンパスとしては今回のE-P1が初めてのマイクロフォーサーズ機だ。これまでに国内外のイベントで展示していたモックアップ機を、デザイン等を変更して製品化した、ということになる。

「オリンパス・ペン E-P1」と広角単焦点レンズ「M.ZUIKO DIGITAL 17mm F2.8」(写真左:シルバー/右:ホワイト)

製品名の「オリンパス・ペン」は、同社が1959年に発売したハーフ判(35mmフィルムの半分となる24×18mmのサイズ)のフィルムカメラから由来し、携帯性に優れた小型軽量ボディや、質感の高いデザイン性などを受け継いでいる。

E-P1のボディは、上部と下部にアルミニウムを、両側面と背面にステンレスを用いた、金属外装となる。カメラ内部からミラー構造を省き、電子ビューファインダーや内蔵ストロボも非搭載にすることで、レンズ交換式のカメラとしては画期的な小型軽量ボディを実現した。サイズは、幅120.5×高さ70×奥行き35mmで、本体重量は約335g。世界最小をうたうデジタル一眼レフ機「E-420」に比較して、実体積比で約58%に凝縮されている。

液晶モニターは、3.0型約23万ドットのハイパークリスタル液晶を搭載する。ライブビュー時のAFは、撮像素子上のコントラストを検出してレンズを動かす「ハイスピードイメージャAF」(コントラスト検出方式)を採用。ライブビュー画面に表示されるアイコンを選択して直感的に操作できる「ライブコントロール」を新搭載し、顔認識AFや測距点の移動も可能だ。

手ブレ補正は、最大で効果4段分のボディ内補正式を搭載する。すべてのマイクロフォーザーズレンズで補正が働くほか、マウントアダプター「MMF-1」(21,000円)を経由して装着した全フォーザーズレンズでも補正が作動する。またマウントアダプター「MF-2」(21,000円)経由で装着したフィルム時代のOMレンズの場合は、焦点距離を入力することで補正が有効になる。

背面のメインダイヤルとサブダイヤルによって各種機能を直感的に設定できる新操作系「ライブコントロール」を採用する

最大効果4段分の手ブレ補正機構や、撮像素子へのゴミ付着を防ぐダストリダクションシステムを搭載する

撮影機能としては、シーンを自動判別する「iAUTO」や、フォーサーズ機「E-30」や「E-620」と同等の、画像に特殊効果を与えて撮影できる「アートフィルター」を備える。また720pのハイビジョン動画モードも搭載し、動画撮影中にアートフィルターを利用することも可能だ。リニアPCMによる高音質録音にも対応するほか、HDMI端子も搭載する。

そのほか、肌を滑らかに表現する「eポートレート」や、自動拡大表示でマニュアルフォーカス操作をサポートする「MFアシスト」機能、DJのDAISHI DANCEによるBGM付きで静止画や動画を再生する「マルチMixスライドショー」、カメラのアオリと水平の傾きに対応した水準器機能、ダストリダクションシステムなどを搭載する。

マイクロフォーサーズだから実現できた薄型軽量ボディ

往年の「オリンパス・ペン F」が醸し出していた、ボディの高い質感や凝縮感を継承する

撮像素子には4/3型ハイスピード有効1230万画素Live MOSセンサーを、画像処理には新エンジン「TruePic V」をそれぞれ採用。記録メディアはSD/SDHCメモリーカードとなる。感度はオートISO200~6400(カスタマイズ可能、デフォルトISO200~1600)/マニュアルISO100~6400 1/3、1EVステップ選択可能。

オプションとしては、光学ビューファインダー「VF-1」(18,375円)や、小型軽量の外付けストロボ・エレクトロニックフラッシュ「FL-14」(21,000円)、本革のボディージャケット(5,670円)とショルダーストラップ(5,040円)などが用意される。

なお、発売記念特典としてパンケーキキット、ツインレンズキットには光学ビューファインダーが同梱される。

記録メディアはSD/SDHCカードで、電源はリチウムイオン充電池「BLS-1」を採用する

パンケーキレンズ装着時は特にコンパクトで、気楽なスナップ用途に最適

アダプタを利用してフォーサーズレンズやOMレンズも装着できる

エレクトロニックフラッシュ「FL-14」を装着

広角単焦点レンズ「M.ZUIKO DIGITAL 17mm F2.8」専用の光学ビューファインダー「VF-1」。パンケーキセットおよびツインレンズキットには、VF-1が標準付属する

本革ボディージャケット「CS-10BWT」と、オンラインショップ限定発売のレンズキャップを装着した状態