なぎら健壱さんが歌っている「いっぽんでもニンジン」。なぜかあのフレーズが印象的で、つい口ずさんでしまう。先日、TVを見ていたら田原俊彦さんが芸能ニュースで出ていらっしゃった。デビュー30周年だそうで、凄いな~! もうそんな月日が流れているんだって、ついつい見入ってしまいました。私が物心ついたころには大スターだったトシちゃん。

誰でもトシちゃんの歌は知っていたし、小学生の高学年のころに世の中ではカラオケBOXなども出現し、トシちゃん、マッチ、明菜ちゃん、聖子ちゃんは誰かしら歌うレパートリーの1曲に入れていたほど。今みたいにアーティストの曲の入れ替わりもそんなに早くなかったからなのか、それともメディア、TVを通してなどの少ない情報量だったからなのか、当時のアーティストの楽曲は流行っていれば自然に歌詞をなんとなく歌えるまでに記憶していたと思います。

まあ、そんなわけでトシちゃんは当時から大スターで、TVの中の人で、しかも私が10代後半にはドラマ『教師びんびん物語』が流行り、毎週見ていました。当時、19歳だった私は、モデルのお仕事をさせてもらっていたわけですが、お仕事でキスシーンのお話がやってきました。「えっ、キスシーン? ヤダー!」と、一瞬思ったのですが、実際はキスシーンのマネをするだけで、本当のキスはないとのこと。ならばと好奇心ありありの私は、そのお仕事を引き受けました。

すると、なんとまあ、それがトシちゃんとであり、『教師びんびん物語』のお仕事だったのです。で、どういった内容かといいますと、実際ドラマの中で出演するのではなく、確かオープニングだったかエンディングだったのか、毎回トシちゃんの曲とともに流れるドラマVTRで、トシちゃんがことごとくいろんな女の子にフラれてしまうといった設定になっていました。

私とのシーンは、池袋駅前にある大きな広場にて撮影されました。もちろん大人気中だったトシちゃん。しかも『教師びんびん物語』のロケとなればすんごい人だかり。ロケバスで待機していた私は、ガチガチに緊張していました。しかも、そのVTRに出演していたモデルさんは、みんな大人っぽくてキレイで、19歳にしてはかなーり子どもっぽかった私とトシちゃんのキスシーンは、もしかしたらチグハグだったんじゃないか? と当時も思っていました。

そうそう、ロケバスの中には、当時小学生の安達祐実ちゃんもいました。ロケが開始すると、めちゃめちゃ緊張していた私に、トシちゃんは声を掛けてくれました。「君の名前は? 歳はいくつなの?」と。ガチガチ中の私は、「えぇっと由美です。19歳ですっ」と精一杯のか細い声で答えました。するとトシちゃんは、「そうか、由美っていうんだ。由美は安達祐実に似てるな」とおっしゃってくれたのを記憶しています。

それから耳元で「心配しなくていいよ、キスするマネだけでキスしないからね」というようなことを言ってくれたのを覚えています。そして本番、トシちゃんと夜の広場でデート中にキスシーンがやってきます。キスしようとすると反対側から小学生の安達祐実ちゃんが登場。それを見た私は「な~に? 子持ちだったのねー!!」と怒って、プイっとそっぽを向いてその場を離れてしまう。トシちゃんは「ちょっと待って、ゆみ~!」となるわけですが、反対方向に安達祐実ちゃんが行ってしまうので、トシちゃんは「お~い! 待って(安達)ゆみ~!!」みたいなシチュエーションとなりました(笑)。

あのVTRがあったら、見てみたいな。それから月日は流れ、30周年を迎えたトシちゃん。おめでとうございます。私もあれから数年後、歌手としてデビューさせていただきました。そんな私も来年あたりで15周年? みたいな。生涯現役で私も歌っていきたいな、と新たに思った瞬間でした。そして、来月頭には超久々レコーデイングがあります。では、また次週お会いしましょう。
See you soon love xx.

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