「旨くて、安いラーメンが食べたい」。1杯1,000円を超える高級ラーメンも多いが、手軽で・旨くて・さらに安くラーメンが食べられるのなら最高だ。全国47都道府県のラーメンを食べ歩くラーメンライター・井手隊長が、旨くて安いアンダー700円のラーメンを紹介する。

5回目は、東京・南砂町の「高龍軒」だ。

  • 東京・南砂町の「高龍軒」


南砂町。

東京メトロ東西線で大手町から約10分。下町情緒あふれる街並みと、再開発による大型商業施設やビルが共存している街だ。駅の南には城東地域最大の商業施設「南砂町ショッピングセンターSUNAMO」がある。

駅から7、8分歩くと東砂という住所になり、住宅街が広がる。小学校が多く、単身というよりファミリーがメインの住宅街だ。ゆったりと時が流れる感じで、ここが都内だということを忘れさせてくれる。

そんな東砂エリアで、最高の町中華を一軒見つけた。 「高龍軒」というお店である。元八幡(富賀岡八幡宮)の近くにある地元に根ざしたお店だ。

赤い看板に年季の入ったディスプレイ。まさに昭和の町中華だ。 メニューがとても多く、家族で食べに来ることも前提のメニュー構成になっていて、セットなども充実している。 店主と見られるおじいさん、おばあさんに従業員の方2名で和気藹々な感じでお店を回している。

ラーメンは500円。透き通るほどあっさりとしたスープがじんわりと沁みてくる。麺は少し太めで食べ応えがあり、モチモチとした食感が嬉しい。大きめに切ったナルトも嬉しい。チャーシューは噛み応えがしっかりしていて、味も染みていて美味しい。

見た目は本当にシンプルだが、丁寧に作られた愛情のこもった一杯。何よりお店の雰囲気が良くて、コロナが開けたらぜひ飲みに行きたいと思わせてくれるお店だった。

昭和からの味と風情を残しながら、街とともに長く残ってほしいお店だ。