「旨くて、安いラーメンが食べたい」。1杯1,000円を超える高級ラーメンも多いが、手軽で・旨くて・さらに安くラーメンが食べられるのなら最高だ。全国47都道府県のラーメンを食べ歩くラーメンライター・井手隊長が、旨くて安いアンダー700円のラーメンを紹介する。

今回は、南林間の老舗町中華「柳華」だ。

  • 東京・南林間「柳華」


ここ数年、町中華ブームが来ている。

昭和の時代から愛される老舗の町の中華屋さん。チェーン店やファーストフードなどがひしめく中、時代をそのまま切り取ったような昭和の町中華はある意味貴重な存在と言える。

小田急電鉄江ノ島線南林間駅徒歩1分のところに創業50年を超えるなかなかの佇まいの町中華がある。

時代を感じる看板やのれん、店頭ディスプレイには年季の入った手書きのメニューとともにどこで買ってきたかわからない民芸品が並んでいる。正直入店するにはなかなか勇気のいるお店だ。

店に入ると、驚きの光景を目にし、筆者は興奮でゾクゾクした。

おやっさんがぶっとい青竹で麺を打っているのである。こんな場所で青竹手打ち麺が食べられるなんて。明らかに長年やってきている手さばき。今、手打ちの再ブームが来ているものの、当時から手打ちを続けている職人に出会えるのはこの上ない喜びである。

そして、メニュー表を見てまた驚いた。ラーメンが450円なのである。もはやコンビニのチルド麺より安い。この手打ちの麺で作ったラーメンが、だ。

具はチャーシュー2枚、メンマ、ネギ。青竹打ちの麺は地方のご当地麺かと思うぐらいのピロピロの平打ち麺。

醤油がズバンと効いていて、じわじわと口の中に広がるダシ感。そして機械じゃ絶対出すことのできない食感の自家製麺。これぞ昭和、これぞ手作り。悶絶の一杯だ。今日まで営業を続けてきてくれてありがとうと心から言いたい。

コワモテのおやっさんでちょっとハードルは高いが、これは素晴らしい名店。ぜひ足を運んでみてもらいたい。