こんにちは、鍼灸師の片山愛子です。今回は「この腰の痛さ、いつまで続くの? 」という慢性的な腰痛が続くときにセルフケアしていただきたいツボをご紹介します。

腰痛とは、安静にしていても運動をしていても腰に痛みを感じること。腰は「肉付き(月)の要(かなめ)」と書くように、まさに身体の中心、体幹の要です。腰を痛めてしまうと、日常の行動のすべてがつらくなってしまいます。

腰痛の原因としては「筋・筋膜性腰痛 」「脊椎疾患」「脊髄疾患」「神経根・末梢神経の障害」「骨盤周辺の疾患」「内臓疾患」などさまざまです。

特に女性の骨盤は扁平で幅広くなっているため、直立歩行に適しているとは言えません。直立歩行でバランスをとるために普段から腰には負担がかかっています。ヒールのある靴などをはくことで、さらに腰や靭帯への負担がかかり、慢性疲労につながります。その結果、腰痛が起こりやすくなってしまうのです。

今回ご紹介するツボは、生理中の腰痛にも使えます。実践時は息が浅いと深部まで刺激が届きません。まず、手を痛いところに当てて、気持ちと呼吸を落ち着けてから ツボを刺激していただきたいと思います。

腰痛を軽減したいときのツボ

腎兪(じんゆ)

発育や生殖など生きる力に関わる症状、排泄、腰痛、浮腫み、ストレス、だるさほかに対応します。生理痛対策としても使えます。

■場所: 腰、腰骨の高さで腰に手を置いたときに親指があたったところから指2本分上がったところ。おへその高さで腰に手を置いたときに親指が届くところ。

腎兪(じんゆ)の場所

帯脈(たいみゃく)

腰痛、生理不調、生殖、おりものほかによいとされています。

■場所: おなかのわき、おへその高さで手を腰にあてたとき、親指と人差しの間の股があたるところ。

帯脈(たいみゃく)の場所

委中(いちゅう)

腹痛、排尿障害、腰痛や膝痛などから下の症状で悩みがあるときに試してください。

■場所: 膝の後ろ、膝の線上の真ん中。

委中(いちゅう)の場所

崑崙(こんろん)

頭痛、頸肩背の痛み、背中の痛み、腰痛、坐骨神経痛、めまいほかによいです。

■場所: 足首、外くるぶしとアキレス腱との間のところ。

崑崙(こんろん)の場所

腰痛点(ようつうてん)

急性腰痛、頭痛、耳鳴り、手の痛みほか。周辺を刺激することでイライラ・ストレス解消にも効果が期待できます。

■場所: (1)手の甲、ひとさし指と中指の骨の間で、2本の骨が合わさる手前にあるくぼみ。(2)手の後、くすり指と小指の骨の間で、2本の骨が合わさる手前にあるくぼみ。

腰痛点(ようつうてん)

猫背や座りっぱなしが腰痛の原因に

普段から猫背だったり、仕事で座りっぱなしだったり、立ちっぱなしの姿勢が多かったりしても腰痛の原因となります。さらに生理周期や婦人科疾患によって腰痛を感じる人も。日常生活には腰痛につながる要因があふれているため、慢性腰痛に悩む人が多いのです。

さまざまな症状の中で、原因疾患があり医療機関を受診した後も不調を訴えて鍼灸治療にいらっしゃる方が多いことからも、腰痛を抱えて生活することがいかに苦痛かがわかります。

慢性化した腰痛は、セルフケアだけではなかなか寛解とはいかないと思いますが、しないよりはした方がずっとよいでしょう。最善の手は治療院に通いながら、自宅でもストレッチや軽めの運動をとりいれていただくことです。



記事監修: 片山愛子(かたやま あいこ)

鍼灸師。人間総合科学大学鍼灸医療専門学校東洋医療鍼灸学科(旧早稲田医療)卒業。同校臨床実習施設にて卒後研修修了。医学博士町田雅秀先生に師事。メディコ八千代院長。あおぞら鍼灸治療室勤務。メディコ新宿勤務。在学中より現在まで東京医科大学にて年数回の解剖実習、中国での中医学研修、薬膳研修修了。予防医学・介護予防運動・美容健康などについて研修。疾病治療と予防医学を東西医学の両面からアプローチした治療を実践。