料理ができる男子って、女の子から見ると魅力的にうつる。モテるためのポイントとしては、非常に大きい要素だろうと思う男性は多いことでしょう。しかし、一概に料理ができる。掃除ができる。家事ができるといっても、果たしてその「できる」がどの程度のものなのか。シビアな女の子は「できる」の度合いを重要視すると思います。

例えば料理。男性が料理が得意と自分で言ったとしても、女の子は思ってしまいます。屋外のバーベキューとか、高級食材を買ってきてつくる特別料理が得意っていうだけじゃないの? と。

女の子にとって、料理は「日常」です。毎日三食つくって(外食でもいい)食べなくてはいけない。食べることと料理することは、楽しみたいんだけれども、疲れているときには義務になってしまう部分もある。日常と切り離せないのが料理なのです。

ところが、料理ができると男性が言う場合、特別に取り寄せた材料を使って3日以上煮込んだスープでつくるラーメンだとか、やたらと高い鍋やグリルなどを購入してつくるスペアリブだとか、ハーブや大量の普段使いできない調味料を使ってつくるフレンチの一品(逸品? )だとか、スパイスの調合についてうんちくの長いカレーだとか、毎日は食べられないようなものを指す場合が多いわけです。女の子の考える料理は、毎日疲れているときでもつくる、時には買い物に行く時間がなかったときに冷蔵庫の中にあるありあわせのものでもつくることのできる料理。家計のやりくりとカロリーや栄養も考えながら、カラダにいいものをと工夫する。それが女の子にとっての料理なのです。

それは料理だけでなく、家事や生活全般においてもいえることです。男子が掃除ができる。洗濯ができる、といっても、それが女の子から見て「きちんとできる」「最後まできる」とは限らないものです。

「私の大事な下着と一緒に、台所のフキンを洗った~」
「どうして片一方のくつ下がいつもいなくなってるの? くつ下はちゃんと結婚させてあげて」
「掃除したって……留守の間にそうじ機ロボをセットしていただけじゃないの。フローリングの床はやっぱり最後は水ぶきで仕上げないと」
「料理してくれたのは嬉しいんだけど、レンジのまわりが油でギトギトじゃない。これの後始末はどうするの? 」
「ごはんはあるけど、お茶を飲むためのお湯を沸かしていない……。デザートがない」

というように、何かしらの部分が抜けているのが男子……です。もちろん、男性の中にもごくまれに、女の子よりも何でも完璧にできる。女の子以上に気がきく、オトメンな人もいることはいます。しかし、そのオトメンが女の子にとってやさしいオトメン、恋愛体質なオトメンかというと、そうでない場合が多いものです。

オトメンの意識は男友だちとうまくやっていくことに向けられていて、オトメンのオトメ能力は、対男子用に使われる場合がほとんど。そんな非恋愛体質のオトメンは、女の子以上によく気がつくので、かえって女の子のアラ探しをしてしまい、女子からすると、重箱の隅をつつく姑のように見えてしまう可能性は否めないわけなのです。ただでさえ数少ないオトメンが、恋愛体質である確率はごくわずか、なかなかマンガのようにはいかないということになってしまいます。

とまあ、このように、男性が「オレは100%家事ができる」「自分の家事能力は完璧だ! 」と思っていたとしても、それは女の子ならではの持って生まれた気遣い、心配りの行き届いた能力に比べると、どうしてもちょっと下がってしまうものなのです。

だからもっと家事能力を磨いて、地に足ついた行動をしてほしい、と少しは思いますが、女の子だって男性に完璧を求めているわけではありません。少しヌケているところがあったり、男子ならではのウカツさを「かわいい」と感じる女性はけっこう多いと私は思います。家事を完璧に何でもこなせなくてもいいけれど、ただ、女の子も自分もお互いに疲れている時には、お茶漬けでもコンビニのおでんでも簡単な食べ物でいいので、彼女ではなく、自分が用意してあげる。くつ下を脱ぎ散らかしたり、トイレで新聞やマンガ、雑誌を読んで置きっぱなしにしない。そうじ機をかけるのが面倒、食器を洗うのが面倒だったら、そうじ機ロボや食器洗い洗浄機の導入を検討する。彼女が大切そうにしている洋服や下着を洗濯機に入れそうになる前に、ひと言、「これ、どうすればいい? 」と聞いてみる。

これぐらいのことだけでも注意してみると、完璧とはいかなくても、女の子から「ありがたい」と思われること請け合いです。その上で、冷蔵庫にあるありあわせのもので晩ごはんがつくれるようになったり、いなくなったくつ下をみつけて結婚させてあげたり、窓ガラスをふいてあげたりできるようになるとよりいいと思います。ぜひ、できるところからはじめてみてほしいところです。

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こんにちは、酒井冬雪です。今回、自分の経験から言っているわけではありません。私はどちらかというと、気がきかない男子に近いかもしれません。では、またね。