「彼氏にこんなこと言われちゃったんです~」と女の子から話を聞いて、ビックリするフレーズというのは結構あるものです。例えば、小悪魔っぽい彼女に振り回されている男性がその彼女を評して、「○○○じゃね? 」(○○○は想像にお任せしますが)。最近、家デートばかりじゃないと言った彼女に対して、「釣った魚にはエサをやらないって言うだろう」なんていう返答。女の子のほうから「釣った魚に……」と言うならまだしも、男性が自分で言わないでほしいものです。

また、ケンカの度に彼女に、「じゃあ、別れよう」と言う彼氏。そのくせ、なぜか絶対に別れなくて、別れるときは彼女にふられるパターンが多かったりもします。その他、「××と(オレと)どっちが大事なの? 」とデートを度々ドタキャンしたり、休日に彼氏と会うよりも他のことを優先したりするする彼女に言ってしまう質問。××の部分は、仕事でも友だちでも趣味の何かをあてはめてみましょう。

以前は、女の子でこういう人が多かった印象があるものの、最近は男性もこんな質問をする人が増えていることが明らかになってきました。

「昨日、何してたの? 誰と?? 何時ごろ帰ってきた?」――彼女と会えない休日があった際、後から彼女のスケジュールを根掘り葉掘り聞いてくる彼氏。嫉妬深い男性や、彼女が社交的で元気という場合に、どうしても尋問っぽいことをしてしまいがちです。

女の子からすると「こんなこと言うなんて」というようなセリフとはいえ、このうちの1つや2つは言ってしまったことがある。言ったそばから「しまった」と思いつつも、やらかしてしまったことがある……という男性はきっといることでしょう。女の子をおとしめるような言葉や釣った魚に……なんて「はあ? 」と言いたくなる言葉を言うのは論外として、思ってもいないような「じゃあ別れよう」発言を連発するとか、「昨日は誰と何をしていたの? 」とか、「オレと●●とどっちが大事なんだよ」というようなことは、ついつい言ってしまいがちなものだと思います。

それが悪いとは思いませんが、何度も言ったり同じことをいつも繰り返してしまっていたら、それはよくないことです。「オレだってイヤなことを言いたくないんだから、彼女のほうもなるべくケンカをしないようにしてほしい」「ドタキャンはやめてほしい」「久しぶりの休日、しばらくぶりに2人で会える時間も趣味に費やすのはやめてほしい」と考えてしまう男子もいることでしょう。けれど、付き合っていればケンカをしてしまうのも、急に仕事の予定が入ってデートをキャンセルすることも、24時間くっついてでもいない限り、相手が何をしているか知らない時間もあるはずです。

そんなふうに不安な気持ちになったとき、本当ならば、「仕事なんだ。ムリしないで、気をつけて」と言ってあげたい。「久しぶりに△△ちゃんと会っていたんだ。よかったね。元気だった? 楽しかったみたいだね」と彼女を気遣ってあげたい。そんなやさしく心の広い男でいたいと誰もが思っているはずです。

ところが、口を開けば言ってしまったのは相手をせめるような言葉や、尋問のような質問ばかり。自分でも自己嫌悪ですし、彼女にも「なんなの? 」と思われる。これでは、いいことがひとつもなくなってしまいます。

それでは、どうすればこういったことがなくなるのかというと、やはり自分の気持ちはしっかり伝える。小出しに怒っておく、ということが大切だと思います。彼女と口論になって自分の非を責められたとき、カッとなってつい「じゃあもう別れよう」と言ってしまう。そうなると、言われたほうは別れたくないから、これ以上は何も言えず、黙るしかなくなります。けれど、黙ったままでは、本当に伝えたかったことが伝わらず、彼女はつらい思いを抱えたままでいなくてはなりません。自分に非があると認めているのなら、黙って彼女の口撃を聞いてあげる。彼女の気が済んだと思ったところで、「ごめん。キズつけるつもりじゃなかったんだ」と自分の気持ちを話せば、お互いにスッキリできるはずです。「別れよう」を話を終わらせるための簡単な手段にしてむやみに連発せず、冷静な気持ちで彼女の気持ちを受け止めてあげてほしいものです。

「オレと仕事とどっちが? 」も答えは聞かなくともおのずとわかっていること。彼女だって、仕事よりあなたが大事に決まっています。自分自身、仕事のためにデートをドタキャンしたことがあるのでしたら、彼女をこんな言葉で責めたりせず、待ってあげられる男性になってほしいなと個人的に強く思います。

最後になりますが、大好きな彼女が休日に自分と会っていないとき、何をしているか、どこへ行っていたのか、何を考えていたのかを知りたい気持ちはよくわかります。

「昨日、何してたの? 」と聞いて「うーん、特に何もしてないかな。洗濯して、うちでゴロゴロしてた」というような話だったら、それ以上深く、「本当に? どこにも行かなかったの? 」と突っ込まず聞き流して、「この口ぶりからして、浮気はしていなさそうだ」とホッとすればいいのです。心配な理由が他にあるのでしたら、実はこれこれこういう件を心配していると正直に話せば、彼女のほうも何でも話してくれるはずです。

あまりプライドや意地にこだわらず話をしてみるのが、相手をキズつける言葉を言わずにすむいちばんの方法です。時には素直になって、自分をさらけだしてしまうといいと思うので、ぜひ一度、チャレンジしてみてください。

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酒井冬雪です。個人的には、男子から「オレと仕事とどっちが大事なんだ? 」と言われたら、かわいくて笑ってしまうと思います。笑ったせいで余計に怒られるという悪循環があるかもしれませんが……。では、またね。