SNS全盛時代にありながら、意外と見えない周りのお財布事情。この連載では、お金の学校ファイナンシャルアカデミーが、典型的な家計簿パターンを紹介しながら、明日から実践できる家計改善のコツを具体的に伝授します。

連載1回目となる今回は「毎月ちょっと赤字だけど、目指せ100万円! 貯蓄ゼロの24歳、会社員女性の家計簿」にメスを入れます。

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やりたいことがたくさん! 気づけば毎月1万円の赤字……。

首都圏にお住まいのA子さん(24歳)は、大手企業で事務職として勤務する社会人2年目。学生時代から続けているヨガや最近友だちと通い始めた料理教室などで、プライベートはとても充実しています。大学時代から付き合っている彼氏とは、そろそろ結婚話も出ていますが、全く貯蓄がないことはいまだ打ち明けられず……。毎月の収支はいつも少し赤字で、ボーナスで補填している状況。このご時世で給与アップはほとんど見込めませんが、なんとか貯蓄ゼロを脱したい! というのが今回のご相談内容です。

収入
19万円/月(手取り給与)
38万円/年(手取りボーナス)

支出
20万円/月(生活費)
26万円/年(旅行など特別支出)

貯蓄ゼロの"あるあるパターン"を抜け出す方法

貯蓄ゼロのA子さん。こういった方がお金を貯めようと思った時に、まず思うことが「お給料があと3万円でいいから高ければな……」ということ。ですが、この発想は危険です。

みなさんは「パーキンソンの法則」という言葉を耳にしたことがありますか。これは「支出の額は、収入の額に達するまで膨張する」と述べた法則。つまり、お金はあればあっただけ、結局使ってしまう、ということです。ドキッとした方も多いのではないでしょうか。

貯蓄ゼロから脱したいA子さんに必要なのは、ずばり「お金を持ち続ける能力」。非現実的な収入増を夢見るのではなく、今の収入でもお金を貯めるにはどうすれば良いか、という方向にマインドチェンジしましょう。「お金を持ち続ける能力」は、今後、扱う金額が大きくなったり、投資をするようになったりしても、絶対に必要な力です。

赤字体質の人が、お金を貯めるためにはどうすれば良いか。私たちファイナンシャルアカデミーでは、お金の使い方・貯め方の黄金比として、「2:6:2の法則」を伝えています。

これは、手取り収入のうち、2割を貯蓄、2割を自己投資にまわし、残りの6割で暮らしましょう、というものです。これが実現できれば、5カ月で月収分、5年で年収分の貯蓄が可能なのです。もちろん収入的に2割だとどうしても生活がまわらない! という人は、「1:9:1」からスタートしてもOK!

大切なのは、この法則を実践するための「仕組み」を作ることです。会社の財形貯蓄制度がある人はそれを使っても良いですし、なければ「貯蓄専用口座」を生活費用口座とは別に作り、お給料が入り次第、そこに自動入金されるよう設定しましょう。

ポイントは「先取り貯蓄」であること。受講生のカウンセリングをしていて毎回感じることは、貯蓄ができている人は、まず先取り貯蓄ができています。逆に、お金を貯められない人は、残った金額を貯蓄しようとしている傾向があります。もしまだ先取り貯蓄の仕組みがない人は、早々に仕組みを作ることをおすすめします。

なお、さらっと先ほど述べた2割の自己投資、という話ですが、これもとても重要な考え方です。会社に置き換えて考えてみるとわかりやすいのですが、先行投資をする会社と現状維持の会社、どちらが将来伸びるでしょうか。もちろん前者ですよね。これは私たち自身にも言えることで、未来への投資は一人ひとりの成長に欠かせないものなのです。この自己投資費用も貯蓄と同じで、先取りをし、かつ確実に使っていくのが重要です。

手取り19万円でも、無理なく100万円貯めるには?

では改めて、A子さんの家計簿をチェックしてみましょう。今は毎月の貯蓄はゼロ。そこで目指すべき貯蓄額の設定から始めます。手取りが19万円ですので、2割だと3万8,000円。ですが現状、支出額が収入額をオーバーしている赤字家計ですので「毎月3万円の貯蓄」からスタートしてみましょう。

マインドとしては、手取り19万円ではなく、もともと16万円だと思うのが◎。16万円で自己投資も含めたやりくりをする、と頭を切り替えましょう。

現在、趣味のヨガやお料理教室に2万4,000円使っていますが、これが自分にとって大切で、自分の成長につながると感じられるのであれば「自己投資費用」として考えれば良いでしょう。ですが、現在は学び方も多様化し、お料理教室などであれば、リーズナブルで個性豊かな個人レッスンも見つけやすくなっています。そういったものに切り替えることで、数千円単位の見直しは可能でしょう。

またお料理教室に通うくらいであれば、食費は十分に改善できるポイント。学んだことを実践しながら、お弁当作りを楽しんで行えば、お金も節約できるはず。また交際費と被服費は、収入に対して大きな割合を占めていますが、これは「限られたお金の中でやりくりする」という意識がなく、費用がふくらんでしまったのが一因でしょう。

今はお金をかけなくともおしゃれを楽しんだり、レジャーを充実させたりすることは十分可能です。「予算の中で楽しむ」という発想に切り替えましょう。

また、何に使っているのかわからない使途不明金は言語道断。家計簿アプリなどを使って、お金の出入りは把握しましょう。

手取り19万円でも、毎月3万円貯蓄できれば、ゼロからでも3年で100万円の貯蓄が可能です。「限られた中でやりくりする」というマインドをしっかり持ち、その中で楽しむ努力をすれば、意外と無理なくお金は貯められるものです。

ファイナンシャルアカデミー

お金の教養を身につけるための「総合マネースクール」。2002年の創立以来、東京校・ニューヨーク校・オンライン校を通じて19年間で累計61万人以上が、貯蓄や家計管理といった生活に身近なお金から、資産運用、キャリア形成、人生と社会を豊かにするお金の使い方までを学んでいる。人生と切っても切れないお金の知識が丸ごと学べる『お金の教養スクール』では、WEBで受講できる無料体験セミナーも実施している。