結婚して親には頼らずに自立した生活を送りたいと思っている相談者の女性。しかし現状、貯蓄がほぼゼロに近く、実家の家を借りて暮らしています。子どもが小学生になるまでにマイホーム購入の夢は叶えられるのでしょうか。今回はAFP資格を持つ女性のお金の専門家・矢野舞美さんがアドバイスします。

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◆相談者さんのプロフィール

相談者

地方在住、ゆーみんママさん(仮名/女性/33歳/パート)

家族構成

夫(31歳/会社員)、子ども2人(3歳・1歳)

◆お悩み

夫は会社員ですが低収入のため、実家の家を借りて住み始めました。ただ、小さい子どもと住むには不便だったので200万円ほどかけてリフォームをしました。独身時代の貯金と親の援助もあり5年のリフォームローンで支払っている状況です。長女が小学校に入学するまでにマイホームを購入したいです。子どもの教育費もかかると聞いているので不安もあり、どのように準備をしていけばよいか、アドバイスのほどよろしくお願いいたします。

◆ゆーみんママさんの家計収支

年間の収入

年間の支出

現在の貯蓄額

年間の収入はご夫婦の手取りを合計し486万円、支出は486万円、貯蓄額は50万円となっています。

ボーナスの使い道

車2台分の維持費(保険・税金・車検など)10万円、娯楽や交際費・レジャー費に20万円程度を使い、残りは生活費にあてている。

借りた実家をリフォームしたものの、築35年で機密性が低く湿気も多い。快適な環境での生活を望んでいる。夫婦ともに戸建ての家で育った経験から、子どもたちも同じような環境で育てたいと思っている。

夫は家計を相談者に任せきりにしている。小遣い額にはやや不満があるが、マイホームの購入には協力していきたいと考えている。

相談者は、現在パートで働いているが、貯蓄を増やしたいので正社員として働きたいと考えている。

◆FPからのアドバイス

ゆーみんママさんの世帯ではその他の支出が多く、何に使ったかわからない使途不明金があります。家計を見直して支出を減らし、お金が貯まる仕組みつくりから始めていきましょう。

アドバイス1: 固定費を削減してふるさと納税でお得をゲット

まずは固定費の中から見直していきましょう。特に携帯やネット環境の通信費は、取扱各社プラン内容によって料金が異なります。格安SIMや無料通話アプリなどの利用で低価格のプランへ変更できます。ご自身の用途や使用頻度に合わせて見直しをすると良いですね。

また、ふるさと納税を利用すると、自己負担額2,000円でお礼の品を受け取れます。そして、2,000円を超える金額について、所得税や住民税から控除できるのでお得です。

アドバイス2: 浪費グセを改善! 児童手当は貯蓄へ

何に使ったかわからないお金を知ることが大切です。浪費パターンが見えてくると、ムダな出費も減っていきます。

例えば、3カ月分のレシートを保管し、どのような目的で買ったものか振り返りをします。そうすると、「ネットで衝動買いをしてしまっていた」「外食・出前などの頻度が多い」「給料日後には浪費が多く、給料日前になると浪費が減る」などお金の使い方を知ることができます。

子育てや家事、パートなど忙しいママですから効率よく効果的な方法で浪費グセを見つけましょう。

児童手当は、将来の教育費のためにも貯蓄に回します。児童手当は一人当たり約200万円の貯蓄になります。通帳を分け、つい使ってしまうことを防ぎましょう。

アドバイス3: ママの働き方を変え、収入アップ!

転職し正社員で働こうと考えられていらっしゃるとのこと、前向きな姿勢がとても素晴らしいですね。正社員で就職できれば収入アップも期待できるでしょう。しかし、小さいお子さまを育てながらフルタイムで働くと、子育てと家事、仕事に追われて心身ともに疲れてしまうかもしれません。近くにご両親がいらっしゃれば協力をお願いすると良いでしょう。

ただし、ご両親もお仕事をされていると、いつも頼るわけにはいきませんよね。そのような時は、パートで働きながらスキマ時間を利用して副業をすることも考えられるといいですね。オンライン化が加速し、自宅にいながら1万円~5万円と収入を得ることもできます。 自宅で収入とスキルをアップさせて、経験を積んでいくと良いです。ご自身の強みになり履歴書にも書けるので、転職する際の自信に繋がります。

◆相談者からの感想

節約もしていたし、家計の管理はできているものと思っていましたが、お話をしているうちに無駄遣いをしていた部分に目をつぶっていたことに気づきました。

ストレス発散のために、自宅で家飲みも増えていたかもしれません。マイホームの購入のためにも、浪費を削っていきたいと思います。

正社員で働きたいと思っていましたが、子どももまだ小さいので不安もありました。自宅でも収入を増やす方法があると聞いて、子どもと過ごしながら収入アップをしていきたいです。今回、ご相談をして早速取り組んでいきたいと思いました。ありがとうございました。