日本初開催となる「フォーミュラE」(ABB FIA フォーミュラE選手権)に参戦する日産自動車が記者会見を開いた。会見ではフォーミュラEへの2030年までの長期参戦を発表。同社はコンストラクターとしてフォーミュラEへの長期参戦を表明した最初のメーカーとなる。

  • 日産フォーミュラEチーム

    日産フォーミュラEチームが記者会見。写真は左からチーフパワートレインエンジニアの西川直志氏、23号車ドライバーのサッシャ・フェネストラズ氏、22号車ドライバーのオリバー・ローランド氏、ゼネラルマネージャー兼マネージングダイレクターのトマソ・ヴォルペ氏

2030年までフォーミュラEに参戦決定!

フォーミュラEは日産にとって、電動化技術を開発する重要なプラットフォームのひとつという位置づけだ。2018-2019年のシーズン5での初参戦以来、活動を継続して拡大してきた。

日産は長期ビジョン「Nissan Ambition 2030」の実現に向け、2024年度から2030年度の間に計34車種の電動車両を投入すると発表済み。グローバルな電動車両のモデルミックスは2026年度に40%、2030年度には60%を見込む。

今回、日産フォーミュラEのゼネラルマネージャー兼日産フォーミュラEチームのマネージングダイレクターであるトマソ・ヴォルペ氏は、東京で開催した記者会見において、FIAのシニアサーキットスポーツディレクターであるマレク・ナワレツキ氏およびFormula E最高経営責任者のジェフ・ドッズ氏とともに、フォーミュラE選手権のシーズン13から同16までの公式登録書に署名した。

  • 署名後、ジェフ・ドッズ氏からトマソ・ヴォルペ氏にダルマが贈られた

2026-2027年のシーズン13から2029-2030年のシーズン16では、第4世代となる「GEN4」マシンが導入となり、フォーミュラEは革新的な電動化技術を開発する舞台としてさらなる進化を遂げる見通しだ。最先端の技術を採用するGEN4マシンはエネルギー効率が向上し、回生量は最大700kW、最大出力は600kWに達する見込みとなっている。

フォーミュラEの楽しみ方は?

フォーミュラE世界選手権シーズン10第5戦(東京開催)は3月30日。22号車で参戦するドライバーのオリバー・ローランド氏は今シーズン、2度の表彰台を獲得するなど調子がいい。東京でのレースにもチーム一丸になって臨むと意気込みを語った。

今回が日本初開催だけに、フォーミュラEの楽しみ方がわからないという人も多いと思うのだが、レースの楽しみ方について日産フォーミュラEチーム チーフパワートレインエンジニアの西川直志氏は、「同じバッテリーを積んで走る各車が、限られたエネルギーの中でどう走るかという駆け引きを想像しながら見てほしい。ただ、これは上級者向けの見方だと思うので、まずは迫力を楽しんでいただければ」と話していた。電気自動車(EV)のレースなのでエンジン音はしないものの、西川氏によればフォーミュラEのマシンは「音もカッコいい」とのことだった。