楽しいゴールデンウィークも終わり、これからまた仕事漬けの日々が始まる。まぁ、とにかく今は気持ちを切り替えて……って、そう簡単に切り替わるかー!と、内心ブチギレている人も多いだろう。

昔から「5月病」という言葉があるくらいだし、GW明けに気持ちが塞ぎ込むのはとても正常な反応だと言える。社会人の皆さん、本当にお疲れ様です……!

そもそも、現代の日本は「ストレス社会」だと言われて久しく、企業側の人間も社員のメンタルヘルスには頭を悩ませているという現実もある。そんな現状をどうにかしようと新たに開発されたツールがある。それが、総合デジタルファームの電通デジタルが手掛けた「INNER FACE(インナーフェイス)」だ。

リモートワーカーのメンタルヘルスケアを目的に開発されたというこのツール、なんともユニークで斬新さが漂っていたので、マイナビニュース社員もさっそく試してみることに。我々はどんなときにストレスを感じ、どんなときに幸福感に包まれるのか、その一例をご覧いただこう。

■そもそも「INNER FACE」って何?

まずは「INNER FACE」について、もう少し詳細を補足しておこう。

コロナ禍以降、全世界でうつ病・うつ状態の患者数は倍増傾向にあり、同時に広まったリモートワーク中のメンタルヘルスケアも喫緊の課題となっている。『月刊総務』によると、「従業員のメンタルケアが難しい」と課題を感じている企業は73.3%にも上るそうだ。

オフィスワークですら従業員ひとりひとりのメンタルヘルスをケアすることは簡単ではない。それがリモートワークとなると、もはや従業員の気持ちの変化を察知するなど不可能なのではないか、と企業側は絶望したくもなるだろう。

そんな状況を踏まえ、電通デジタルが開発したのが「INNER FACE」である。

簡潔にまとめると、要は従業員がパソコンでリモートワークをしている最中、AIがパソコンの内蔵カメラを通して従業員の表情分析を行い、メンタルヘルス状態をレポーティングし、コンディション管理をサポートするというツールである。

主な特徴としては、「幸せ」「悲しい」「恐れ」 「驚き」「怒り」「嫌悪」の6つ感情に基づく表情データを取得したり、感情の推移を時間帯や曜日で比較したパーソナライズレポートを作成することで、自分の感情の変化の傾向を高い制度で把握することができるという。

自分の感情やストレスの溜まり具合というものは、わかっているようでイマイチわかっていないものだし、これらを客観的に数値化できるなら、確かにコンディション管理には大いに役立ちそうだ。

■マイナビニュース社員が1週間使ってみた結果

今回、マイナビニュースでは、編集・K氏、営業・F氏とO氏の3人が1週間にわたって「INNER FACE」を試してみた。職場ではいつも笑顔を絶やさない彼らだが、果たしてあの笑顔は心からのものなのか、それとも……。

ここからは、表情の変化が顕著に読み取れた日のレポートをかいつまんで見てみよう。

まずは初日のF氏。午後から夕方にかけて「大変な案件」の相談があったせいか「悲しい」の割合が大きく現れている。大きなプレッシャーに押しつぶされそうになったのだろうか。

2日目のK氏は、午前中撮影を行っていたため、作業がたまっていたとのこと。しかし、午後から数件のmtgに参加しなければならず「悲しい」の割合が現れている。やらなければいけないことがあるが、出来ない……といった複雑な感情に出ているのかもしれない。

こちらは3日目のO氏。17~18時まで他部署の課長の相談に付き合っていた際、笑顔になることが多かったようで、「幸せ」ゲージが計測史上、最も高くなっていた。やはり会議やミーティングも内容によってまるでストレス値が違うようだ。

こちらは4日目のO氏。前日と打って変わって「悲しい」が爆増。どうやらセミナーで長時間拘束されていたことがこの結果を生んだようだ。O氏にとって、よほど耳の痛いセミナーだったのだろうか。

続いて最終日のK氏。この日は記事の入稿作業がメインで、パソコン前で黙々と作業をしていたためか感情の起伏が少ないように見受けられる。やはり感情というのは、良くも悪くも人と関わることで何かしらの変化が生まれるのかもしれない……。

最終日のO氏。午前中は社外打ち合わせで少しピリつく場面があったようで、午後は定例会にて少し表情が和らいだものの、18時以降は提案のすり合わせでうまくいかず「怒り」のゲージが上昇している。

今回は一週間のお試しではあったが、「INNER FACE」を数カ月~数年ペースで使い続ければ、かなり自分のメンタルヘルスの状況が把握できるだろうし、何か大きく落ち込んだときなどはハッキリとその心的ダメージを可視化することができるに違いない。上手く活用すれば、うつ病発症のリスクなども早期に察知し、うつ病予防の効果も期待ができそうだ。

まだ一般向けの本格運用は始まっていないが、電通デジタルは現在、世界初の試みとして、福島県立医科大学・早稲田大学に在籍する研究者らと産学共同で「INNER FACE」を用いた「リモートワーカーの表情とメンタルヘルスの相関性を観測する」研究をスタートするなど、精力的な取り組みを続けている。

リモートワークが働き方のひとつとして定着した今、メンタル状況を逐一把握できる「INNER FACE」の登場は、企業にとっても従業員にとっても大いに役立ちそうだ。