いつかは資産を貯めてFIREしたいと思っている30代の人も多いでしょう。たとえば貯金400万円ほどの30歳の人は、FIREを目指すなら毎月いくら積立をする必要があるのでしょうか?

今回は家計支出の25年分を貯めてFIREするのに必要な金額、毎月の積立額について、ライフステージ別に解説します。自分がFIREを達成できそうなのか、目安を付けるための参考にしてみてください。

※シミュレーション結果は将来の資産額を保障するものではありません。また、税金や各種手数料は考慮しないものとします。

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夫婦二人暮らしの場合

「家計調査報告(家計収支編)2020年度」によると、二人世帯かつ勤労者世帯の消費支出は1カ月あたり28万13円、 年間でおよそ336万円です。

FIREは年間支出の25年分を貯める必要があるので、約8,400万円の貯蓄が必要です。

積立投資で年率3%のリターンを得るとすると、貯金400万円から8,400万円にするには、20年間なら毎月25万6,000円、25年間では毎月約19万円の積立が必要です。

年率5%の場合、20年間なら20万4,000円、25年間なら14万2,000円となります。高年収の世帯で年率5%の運用を行えるなら、実現できるかもしれません。

共働き夫婦と子ども1人の場合

夫婦に加え、子ども1人が同居する場合で考えてみましょう。50代でFIREするなら、子どもは大学生ぐらいの年齢、もしくはすでに社会人になっていると考えられます。

3人世帯・かつ勤労世帯の消費支出は1カ月あたり29万6,272円、25年分の実支出は8,888万円です。

FIRE後に子どもが大学や専門学校に入学するなら、学費も用意しておく必要があります。私立大学で考えると入学金は25万円、授業料・設備費は1年あたり109万円ほどが相場で、4年合計で461万円がかかります。

生活費に大学の学費を足すと、トータルで9,349万円の資産が必要です。

貯金400万円から年率5%の運用でこの数字に到達するには、20年間なら毎月約22万円、25年間では毎月約15万円の積立が必要です。

独身の場合

「家計調査報告(家計収支編)2020年度」において単身(勤労者)世帯の消費支出は1カ月あたり168,965円、1年で約202万円です 。25年分では約5,068万円となります。

貯金400万円から年率5%の運用でこの数字に到達するには、20年間なら毎月約11万4,000円、25年間では毎月約7万8,000円の積立が必要です。

夫婦の場合と比べれば当然積立額は少ないですが、1人でずっと貯めていくので、こちらもそう簡単ではないでしょう。

完全なFIREは難しい

フルでFIREをするには相当な資産が必要で、ハードルが高く感じる人が多いでしょう。その場合は週に何回かアルバイトをするなど、「セミFIRE」の状態を目指すのも1つの手です。

セミFIREで月に10万円ほど稼ぐなら、年間120万円稼げるので、積み立てる資産額もその分少なくて済みます。