AirPodsをお使いのみなさん、電車の中で充電ケースをパカパカと開け閉めするのは控えたほうがよさそうです。他の人のiPhoneにそのAirPodsとのペアリング画面が表示されている可能性があります。
誰かの使用中AirPodsがアピってくる
最近Twitterで「電車内で近くの人がAirPodsのケースをパカパカする度に『接続』画面が表示されて迷惑」という内容の投稿を何度か見かけました。編集部のIさんも先日、同じような体験をしたとのことで、実際にどんな状態になるのか試してみました。
接続を求めるポップアップが出るのなら、ペアリング前のAirPodsということでしょうか? 試してみると、ペアリング前だけでなく、ペアリング済みのAirPodsでも他の人のiPhoneに「接続」を誘導するポップアップが表示されました。
つまり、電車の中でAirPodsを使おうと取り出してケースを開けると、近くの人のiPhoneにこのポップアップが表示されてしまうというわけです。ちなみに空のケースのみ開け閉めした場合は表示されませんでした。
別アカウントから乗っ取りは可能か?
では、このポップアップから本当に接続が可能なのでしょうか。
ここでケースのボタンを長押しすると、接続が完了。同時にこのようなアラートが表示されました。
この状態でAirPodsを装着すると、iPhone Xから再生される音声を聞くことができました。
結果を整理すると
- iPhoneに表示された接続ポップアップから、他の人が使用中のAirPodsとのペアリングが可能。
- その場合、ケースのボタンを押す操作が必要。
- AirPodsの位置情報は元の持ち主が確認できる状態になる。
ということがわかりました。
つまりマルチペアリングができると?
一方、元の持ち主のiPhone 12を確認してみると、AirPodsの接続設定が残っていました。手動でAirPodsへの接続を試みると、iPhone Xに接続中のAirPodsを耳に装着したまま、iPhone 12側へ接続を奪う形になりました。
要するにBluetooth機器のマルチペアリング機能と言えるわけですが……AirPodsにこの機能、必要でしたっけ?
結論として、
- AirPodsケースに触れられない限り、接続ポップアップから不用意に乗っ取られる恐れは低い。
- 意図的にペアリングを許可して共有することは可能。
と言えるでしょう。
どちらかというと乗っ取られることよりも、ケースを開け閉めすることで他の人のiPhoneにポップアップを表示させてしまう迷惑を心配したほうがよさそうです(わかってやっている人もいるようです)。
どんな意図でこうした仕様(?)になっているかは不明ですが、Appleにはなんとかスマートに対処してほしいところです。
補足:初回ペアリング前は要注意
乗っ取られる恐れは低いと書きましたが、AirPodsがまだどのiPhoneにも未接続の場合は要注意です。現在最新のiOSでは、初めての接続の場合AirPods側のボタンを押さずに接続が完了します(記事執筆時点:iOS 15.1)。編集部・Iさんの事案はこちらだったようで、恐らく開封したばかりのAirPodsに接続を促されたとのことでした。
他人のiPhoneにペアリングされた場合、位置情報が丸見えになり続ける恐れがあります。開封して自分のiPhoneにペアリングするまでは、人のいる場所でケースを開け閉めしない方が安全です。