日立グローバルソリューションズは、9月初旬に発表した過熱水蒸気オーブンレンジ ヘルシーシェフシリーズの新モデル「MRO-W10Z」のプレス向けオンラインセミナーを開催。新しく追加された野菜料理の自動メニューや、「1分スピード」メニューの実演も行われました。MRO-W10Zは10月9日発売で価格はオープン、推定市場価格は152,000円前後です。
「手軽に美味しく野菜を摂りたい」というニーズ
日立が2021年に行った「食生活の変化」調査によると、コロナ禍の影響で「野菜を多く摂ることを心がけている」「食事は健康が大切」「料理はなるべく手作りしたい」など、健康的な料理を自炊したいと考えるユーザーが増加する傾向。このためか、オーブンレンジ購入時に期待する効果についても、「調理時間の短縮(時短)」「料理のレパートリーが広がる」「調理の手間が省ける」など、自炊の手間暇を減らす期待が大きいことがわかります。
ヘルシーシェフシリーズの最上位モデルは以前から、オリジナルメニューだけでなく投稿型の料理レシピサイト「クックパッド」の殿堂入り人気レシピとの連動メニューを搭載。さらに、カゴメ、味の素、キッコーマン、キユーピーといった食品メーカーが提供する多彩なレシピまで自動メニューとして採用。幅広い料理レシピの自動調理に対応してきました。新製品となるMRO-W10Zは、新メニューとして新たに8品目の「野菜シャキシャキメニュー」を追加しています。
野菜シャキシャキメニューは、その名の通り野菜の歯ごたえをシャキシャキのまま仕上げる自動調理メニューです。一般的に電子レンジによる自動調理では、野菜が水っぽく、シンナリと仕上がりがち。MRO-W10Zは以前からある「Wスキャン」というセンシング方法に、新しい加熱制御を組み合わせることで、野菜をきちんと加熱しつつも歯ごたえを残すことに成功しています。
新制御の加熱方法では、Wスキャンの赤外線センサーで食品があるエリアを特定。食品部分のみを集中的にセンシングして最大1000Wのレンジ加熱で自動調理します。大火力で短時間調理することで、野菜から水分を出し過ぎずシャキシャキ食感に仕上げます。
オンラインセミナーでは、野菜シャキシャキメニューのひとつ、キッコーマン提供の「やわらかむね肉カシューナッツ炒め」のデモンストレーションが行われました。
「やわらかむね肉カシューナッツ炒め」は、プラスチックボウルに対応した「簡単プラボウルメニュー」対応メニューでもあります。耐熱プラスチックボウルはガラスボウルと比べて軽く割れにくく、扱いやすいというメリットがあります。
ただし、自動メニューで使う誤検知されやすく、これまでは調理前にボウルの種類を「ガラス」か「プラスチック」から選ぶ手間がありました。新モデルのMRO-W10Zは、Wスキャン時に容器を含む食材の重さと、食材温度の上昇速度から使用しているボウルがガラスかプラスチックかを自動的に判別できるようになっています。
忙しい家庭に嬉しいスピード調理と冷凍食材調理
野菜シャキシャキメニュー以外にも、最短1分や10分以内で調理できる「最短1分スピードメニュー」を8メニューのほか、冷凍した食材をそのまま調理できる「冷凍から焼き物」メニューも19メニュー追加されました。
冷凍から焼き物メニューは、時間があるときに下ごしらえした食材を冷凍しておけば、あとはボタンひとつで加熱するだけで簡単に料理が一品できあがるという、忙しい家庭の味方です。セミナーでは最短1分スピードメニューの「豆苗の塩昆布ナムル」を調理するデモンストレーションも行われました。
5インチの大型液晶画面で使いやすさもアップ
新製品で大きく変化したのは操作部。従来はモノクロ液晶画面にダイヤルと物理ボタンを組み合わせた操作でしたが、新モデルでは5インチサイズの大型カラータッチ液晶を採用しています。液晶画面の大型化とカラー化によって、表示できる情報量が格段にアップ。また、タッチパネル化したことでより直感的な操作性になりました。
筆者は前モデルのMRO-W10Xを数カ月ほど試用したことがあるのですが、そのときに気になったのが検索性。日立のヘルシーシェフ最上位モデルはIoTオーブンレンジのため、以前から多くの自動調理メニューを搭載していました。従来モデルの操作部は小さなモノクロ液晶表示だったため、メニューの検索性は高いとはいえません。
今回の新モデルではさらに便利なメニューが追加され、メニューが増えると操作が煩雑になりがち。しかし、大型カラータッチ液晶を採用したことで、操作性の向上と検索性が格段にアップしています。時短調理や手間を減らせる自動調理メニューを多く追加しているだけに、この操作性の良さはかなり魅力的です。