カシオが2021年春夏の時計新製品を発表した。基本はオンラインでの発表となったが、幸いなことに実機を直接見て触れる機会があったので、実機写真も含めてご紹介する。まずは注目のG-SHOCK編から。

掲載した写真はすべてクリックで拡大表示。価格は税込み、発売月はすべて予定。新型コロナウイルス感染症の影響によって、発売に関して変更が生じる場合があることをご了承いただきたい。

あの潜水工作員が伝統のイギリス艦隊空母と共闘!「GWF-A1000RN-8AJR」

  • G-SHOCK MASTER OF G FROGMAN(フロッグマン) GWF-A1000RN

    空母の艦体色をイメージしたグレーとイギリス海軍色を散りばめたフェイスで、一気にミリタリーイメージに!

G-SHOCKの核(コア)をなすサブブランド「MASTER OF G(マスター オブ ジー)」。その中で待望のアナログ針とISO規格200m潜水用防水機能を備えた「FROGMAN」(フロッグマン)が、イギリス最古の歴史を持つ海軍・ROYAL NAVY(ロイヤルネイビー)とコラボ。「GWF-A1000RN-8AJR」として登場する。

本モデルは、イギリス海軍史上で最大級の航空母艦「HMSクイーンエリザベス」をモチーフとしてデザイン。ケースとバンドは艦体をイメージしたライトグレー。その各所に、ROYAL NAVYのカラーである赤・白・ネイビーをアクセントとして用いている。メタルの遊環にはROYAL NAVYロゴを刻印、期待の裏ぶたには、錨(イカリ)を抱えたおなじみのカエルが刻印されている。また、ケースのSS(ステンレススチール)部はIP処理。

  • G-SHOCK MASTER OF G FROGMAN(フロッグマン) GWF-A1000RN

    ケースバックに刻印されるカエルのイラスト

非対称のフェイスデザイン、軽量なカーボンモノコックケース、汚れにくく加水分解を起こしにくいフッ素エラストマー製バンド、Bluetoothによるアプリ「G-SHOCK Connected」とのモバイルリンク機能、マルチバンド6対応電波時計、タフソーラーなど、機能と性能はベースモデルの「GWF-A1000」と同様。価格は110,000円で4月発売。

気分しだいでバンドを交換して楽しめる!「MTG-B2000BDE」

ベースモデルそのもののクオリティの高さに加え、CMF展開を計算した設計も評価の高い「MTG-B2000」。そのレイヤーコンポジットバンド(※)モデルをベースに、交換用の赤いソフトウレタンバンドがセットになった「MTG-B2000BDE-1AJR」が登場する。

※レイヤーコンポジットバンド:SSバンド風の外見とファインレジンによる軽快な装着性を併せ持つバンド

  • G-SHOCK MTG-B2000BDE

    時計自体は、既発売のMTG-B2000レイヤーコンポジットモデルと同じ

バンド付け根にバンド交換用のスライドレバーが2本設置されており、これを引くだけで(バネ棒を専用工具で押したりすることなく)バンドを着脱できる。これはMTG-B2000の特長のひとつでありながら、その機能を活用する環境が充実しているとはいえず、実質的にはケースやバンドの洗浄に便利程度の意味合いだった。交換用のコンポジットバンドやソフトウレタンバンドもあるにはあるが、色も黒のみであることから、カスタマイズの幅が広いとはいえなかった。

その点で、本製品はブラックIPのコンポジットバンドと赤のソフトウレタンバンドを気分しだい、あるいはTPOに合わせて手軽に交換できる。その日のファッションに合わせて交換するなど、一気に活用(遊び)の幅が広がるだろう。ウレタンバンドのケース接続部や尾錠、遊環といったSS部はIP処理されており、高級感と耐傷性についても抜かりはない。

  • G-SHOCK MTG-B2000BDE

    イメージが大きく変わる赤のウレタンバンド。ピンセット上の専用ツールも付属

スライドレバーの操作を容易にする専用ツールも付属する。交換用の時計本体の機能や性能はベースモデルと同様。価格は154,000円で、4月発売。

シリーズ最薄のフォルム! メタリックなダイヤル質感!「GST-B400」

モダンでメタリックなケースデザインとアナログ針、そしてG-SHOCKの耐衝撃性能を併せ持つ「G-STEEL(ジー・スティール)」から、薄型モジュールとカーボンコアガード構造により、さらにスリムで省電力化を実現した新モデル「GST-B400」が登場。

  • G-SHOCK GST-B400

    ウレタンバンドにシルバーケースの「GST-B400-1AJF」

部品のさらなる小型化とモジュールの薄型化に成功。バックからベゼルトップまでで12.9mmと「GST-B100」と比較して1mm以上薄くなり、G-STEEL史上最薄(2020年12月時点)を実現。

また、Bluetoothによるモバイルリンク機能やタフソーラー駆動といった高機能を維持しながら、消費電力も大幅に削減した。モジュールを省電力化できたことで、ダイヤルに立体パーツや蒸着を使用できる部分が増え、質感が大きく向上している。GST-B100にもあったスクリュー形のモード針は、より鋭角的な風車形になった。バンドはダブルスライドレバーによる簡易着脱式だ。

  • G-SHOCK GST-B400

    オールシルバーの「GST-B400D-1AJF」

  • G-SHOCK GST-B400

    赤の蒸着文字板にブラックIPのベゼル「GST-B400AD-1A4JF」

カーボンコアガード構造のおかげでボタンガードも極限まで削除。そのぶんケース対角線の4カ所のボタンがスリムで押しやすく、強度も十分な大型ステンレスボタンとなっている。徹底的にスリムでシャープなフォルムにこだわったG-STEELだ。

ちなみに「GST-B300」で便利だった大型センターボタンや、アナログ秒針は削除された。が、これは想定ユーザー層の切り分けだろう。GST-B300を好む人にはそちらを提供し、ケースの薄さや文字板の質感を優先して求める人にはGST-B400をアピールする戦略だ(GST-B400発売後もGST-B300は併売される予定)。

  • G-SHOCK GST-B400

    ブラックIPのケースとバンドにブルーの蒸着文字板を組み合わせた「GST-B400BD-1A2JF」

GST-B400は4モデルで展開。ウレタンバンドにシルバーケースの「GST-B400-1AJF」(49,500円)、オールシルバーの「GST-B400D-1AJF」(55,000円)、赤の蒸着文字板にブラックIPのベゼルを合わせた「GST-B400AD-1A4JF」(59,400円)、ブラックIPのケースとバンドにブルーの蒸着文字板を組み合わせた「GST-B400BD-1A2JF」(68,200円)をラインナップする。すべて5月発売。

その他、詳しくは別記事『G-SHOCK G-STEEL、シリーズ最薄&メタルの質感を高めた「GST-B400」』をご覧いただきたい。

G-LIDEやG-SQUADだけじゃない! G-SHOCK本家のスポーツモデル「GBA-900」

アスレジャーやアーバンスポーツを視野に入れたスポーツモデルの新製品「GBA-900」が登場。

  • G-SHOCK GBA-900

    左から「GBA-900-1A6JF」「GBA-900-1AJF」「GBA-900-7AJF」「GBA-900-4AJF」

Bluetoothによるモバイルリンク機能を装備。スマートフォンのGPSと連携して加速度センサーの距離計測を補正でき、一度補正すると次回から時計単体でより正確に計測できるようになる。

また、距離と走行時間の計測を連動させて走行ペースの計測に対応。一定距離を走行するたびに、自動でタイムを計測するオートラップ機能も備える。従来のステップトラッカー(歩数計測機能)やインターバルタイマー(最大5本×20セット)、ラップタイム計測(最大45本×1走分)、消費カロリー計測と併せて、毎日のトレーニングをサポートする。

アプリ「G-SHOCK MOVE」からは、時計の各種設定やトレーニングの管理も可能。ライフログやアクティビティ履歴なども確認できる。

ディスプレイには、新開発のドーナツ型液晶を採用した。ユーザーの運動強度を可視化する5段階のグラフと目標達成率を表示し、毎日の運動のモチベーションアップにつながる。

バンドはソフトウレタンバンド。接続部分には通気性を高めるベントホールを設けた。駆動は電池式だが、Bluetooth接続による自動時刻修正や簡易通知機能(報音のみ)、歩数計測機能など多機能を日常的に使用しても、約2年の電池寿命を実現した。

4色のモデルで展開。ケース外径は51.3mm、ケース厚は16.6mm。重量は61g。価格は18,700円で、4月発売。

G-SHOCK用に開発したチタンを使用! フル鏡面+マルチカラーIPで仕上げた「GMW-B5000TR」

大人気フルメタルスクエアの最新CMFモデル「GMW-B5000TR-9JR」は、G-SHOCKのために開発された新チタン素材「Tran Tixxii(トランテクシー)」を採用。フェイスとバンドをマルチカラーに仕上げたスペシャルモデルだ。

Tran Tixxiiは、カシオと日本製鉄が約6年の歳月をかけて共同開発したチタン素材。軽量で肌に優しいチタンの特徴を備えつつ、純チタンの約2倍の硬度を持つ。硬度が向上したことでSSに匹敵する鏡面仕上げの美しさが可能に。G-SHOCK初のチタン製のオールミラー仕上げモデルとなった。

  • G-SHOCK GMW-B5000TR

    オールミラー面仕上げは、G-SHOCK史上初!

ケースはゴールドIP、ボタンとバンドはレッド(ボルドー)、ブルー、ライトグレー、ダークグレー、ゴールドと複数色のIPを施したマルチカラーデザイン。(バンドの)幅が同じコマは入れ替えることができ、自分だけの色の並びを楽しめる。

ベースモデルは、初代G-SHOCKの遺伝子を受け継ぐフルメタルオリジン「GMW-B5000」。STN液晶によるクリアな時刻視認性、モバイルリンク機能、マルチバンド6対応電波時計、タフソーラーなど、機能と性能はこれに準じる。なお、詳しくは別記事『G-SHOCK「GMW-B5000TR」、新開発チタン素材のフルメタルスクエア』をご覧いただきたい。価格は192,500円で、4月発売。

実物は意外にシブイ! レインボーIPのMT-G第3弾「MTG-B2000PH」

すでに発表され大きな話題となったG-SHOCK MT-Gシリーズの最新作「MTG-B2000PH-2AJR」も展示。「MTG-B2000」をベースモデルに、レインボーIPを使用してデザインされたスペシャルモデルだ。詳しくは、レビュー記事『G-SHOCK新作を写真で - 青き鳳凰爆誕!! 熟成のレインボーIPモデル「MTG-B2000PH」』をぜひご覧いただきたい。

  • G-SHOCK MT-G MTG-B2000PH

    難しい多色のコンビネーションをバランスよくまとめ上げた「MTG-B2000PH」

本作のモチーフである「ブルーフェニックス」は、現れると「よいことが起こる前ぶれ」ともいわれる伝説の鳥「鳳凰」の欧米での呼び名で、欧米のフェニックスとは別の存在。陶磁器などの芸術品や飛行機の機体などにもモチーフとしてよく使われる。

上記のレビューでも触れているが、実物は広告イメージよりけっこうシブイ。だがそれは広告の色が強調され過ぎているわけではなく、照明の具合で光の反射が大きく異なるレインボーIPの特徴だろう。広告は十分に光を回して撮影するが、日常生活ではそこまでの強い光線を跳ね返す状況はあまりない。普段使いでは、イメージよりはるかに使いやすい一本だ。価格は143,000円で、5月発売。

ナイトサーフィンをイメージした「G-LIDE」

世界のトップサーファーから支持を受けるG-SHOCKのスポーツライン「G-LIDE」(ジーライド)から、ナイトサーフィンをイメージしたカラーが登場する。

  • G-SHOCK G-LIDE

    「GBX-100NS-4JF」(左)と「GBX-100NS-1JF」(右)

ベースモデルは、モバイルリンク機能を搭載した「GBX-100」。専用アプリ「G-SHOCK MOVE」では、サーファーにとって重要な各地の潮汐情報、日の出・日の入時刻を、世界約3,300カ所から選択して簡単に時計側に設定できる。

また、ワイドフェイスで高精細なMIP (メモリインピクセル)液晶を採用、視認性を高め、従来のモデルのタイドグラフ、ムーンデータ表示に加え、満潮・干潮時間、満潮・干潮の潮位、日の出・日の入時刻を表示することが可能。現在の状況を詳細に把握する機能に加えて、トレーニング計測機能(距離、速度、ペース、ラップ、ピッチ計測)も備えている。

  • G-SHOCK G-LIDE

    ワイドフェイスで高精細なMIP液晶ならではの情報表示力

ベゼルは樹脂とメタルを組み合わせて構成。ベゼルがブラックIPのモデルとゴールドIPのモデルをラインナップする。ベゼルはSSパーツ。トップはヘアライン処理とC面加工で質感と強度を両立したデザインとなっている。バンドはソフトウレタンバンド。価格は各26,400円で、4月発売。

  • G-SHOCK G-LIDE

    見た目的にも安心できる強靭そうなベゼルと、極めて視認性の高いダイヤル

ストリートスポーツをイメージした「Black and Green Series」

スポーティな深いグリーンをアクセントにした「Black and Green Series」が登場。ブランドカラーであるブラックをベースに、スニーカーやキャップに用いられるグリーンをアクセントカラーとしている。

  • G-SHOCK Black and Green Series

    「GW-B5600MG-1JF」

  • G-SHOCK Black and Green Series

    「AWG-M100SMG-1AJF」

  • G-SHOCK Black and Green Series

    「GA-700MG-1AJF」(左)と「GA-140MG-1AJF」(右)

ベースモデルは、初代G-SHOCKのフォルムを受け継ぎ、モバイルリンク機能を搭載した「GW-B5600」、コンパクトなケースに電波ソーラーや日付、曜日表示などの実用性を備えた「AWG-M100S」、立体的なフェイスデザインとフロントボタンがダイナミックな「GA-700」、計器をイメージしたフェイスとビッグケースの「GA-140」といったように、G-SHOCK定番の4機種。今回のシリーズ各モデルも、機能と性能はこれらベースモデルと同様だ。

価格は「GW-B5600MG-1JF」が23,100円、「AWG-M100SMG-1AJF」が26,400円、「GA-700MG-1AJF」が18,150円、「GA-140MG-1AJF」が15,950円。すべて4月発売。