2017年にNHK連続テレビ小説『わろてんか』でヒロイン・藤岡てんを演じ国民的女優となった葵わかな。その好演で幅広い世代へ名前が知られ、以降ドラマのみならず映画、舞台、バラエティと、幅広いフィールドで活躍を続けている。ここ最近では『ロミオ&ジュリエット』、『アナスタシア』と、ミュージカルにも出演。芸歴11年の22歳にして、ある種の到達感さえ漂う仕事ぶりだ。

  • 葵わかな

その実力派の彼女が新たに挑戦する作品が、MBS/TBSドラマイムズ枠で15日にスタートする連続ドラマ『年の差婚』(MBS 毎週火曜24:59~、TBS 毎週火曜25:28~ ※初回は25:38~)だ。本作は、「めちゃコミック」ランキング1位の人気作を、葵と竹財輝之助のダブル主演で実写ドラマ化したもので、24歳・ド天然お嬢様と44歳・愛すべきイケオジの、20歳差の胸キュン結婚生活を描いていくピュアなラブストーリーとなっている。

まったく男に縁がなかった超箱入り娘の24歳・村上舞衣子を演じた葵は、「とにかく自然体でいることを心がけました」と説明。「晴海(竹財)さんを振り回してしまう彼女の猪突猛進な性格は、作ったお芝居だとリアルに見えないと思ったんです。あれは彼女の正直でストレートな気持ちから出てくるもので、良くも悪くも素直すぎて結果的に周囲の人たちを巻き込んでしまっているんですよね。それが自然に表現できればと思ったので、一生懸命な女の子ということを心がけました」と振り返る。

また、「監督の廣木隆一さん、稲葉博文さんとご一緒できたことがすごく大きかったです」と葵。「ひとつのシーンをワンカットで撮ったり、複数のシーンを一連で撮ったりするので、セリフを間違えたらどうしようという緊張感もありましたが、カットごとに分けないことによって同じ時間がずっとつながっていて。それが日常なんですよね。普段の生活で『ここでストップ!』という瞬間はない。おかげで役柄が深まっていくような気がして、とても充実した時間になりました」と、役に入り込むことができたという。

そして、本作への参加によって結婚への憧れを感じたという。「結婚に対して何のイメージもなくてどうしようと思ったのですが、舞衣子さん自身も何もわからないまま結婚生活に飛び込んでいるので、彼女の結婚生活を辿ることで自分も辿ろうかなと思いました。周囲の夫婦も自分の両親くらいしかいないので、すごく新鮮な体験だったのですが、家族って温かいものだなと。晴海さんと舞衣子の夫婦はすごく憧れるなと思いながら演じていました」

さらに、「私もいつか家族がほしい、子どもがほしいという漠然とした思いはあったのですが、具体的にどういう結婚生活をしたいかまでは考えたことがなかったので、すごく新鮮でした」と結婚観も変わったようだ。

出演が決定した際は、「恋愛もののドラマ、ましてや奥さん役をほとんど経験した事がないので、私ですか!? と、うれしく思いつつもびっくりしてしまいました」と喜びとともに驚きがあったという葵。それだけに「挑みがいのある題材」だったと語る。

「恋愛映画の経験はありましたが、恋愛ドラマというジャンルは初めての経験で、難しいなとは思いました。今回であれば年の差というテーマがありますが、根っこにあるものは普遍的でどんな男女にも通じるもの。みなさん自分自身の体験があるからこそ鋭い視線があり、リアルでないとウソがばれてしまうジャンルなのかなと感じていました。好きという恋愛の感情をリアルになじませていけるのか、やる前は本当にドキドキしましたし、見る方が感情移入できないといけないと思っていたので、ほかの作品に入る時よりもプレッシャーや気負いを感じていました」

経験不足ゆえの迷いはあったものの、ある段階でしっくりきた瞬間があったという。

「今回はときめきよりも夫婦としての生活がメインの作風で、もちろんそこには乗り越えていく山あり谷ありでもあるのですが、青春恋愛映画のようにドキドキしてぶつかるのではなく、もうちょっと穏やかな感じなのかなと、撮影が始まってしばらくしてから思いました」

それは、晴海との家の中のシーンを撮っている時に感じたそうで、「緊張感よりも安らぎ、安定した幸せ感や温かい家庭みたいなものが出ていたほうが、このドラマには合うだろうなと、やり取りしているうちに思うように。2人の空気感を作ることが大事だと思ったら演じやすくなりました」と明かした。