大阪市高速電気軌道(Osaka Metro)は、顔認証を用いた次世代改札機の導入に向けた実証実験を12月10日から実施する。同社は2024年度に全駅で顔認証によるチケットレス改札の導入をめざしており、実証実験は実用化に向けた課題抽出と検討基礎データの取得がおもな目的となる。

  • 次世代改札機イメージ。左はQRコードリーダー付き改札機、右は顔認証用カメラ付き改札機

2020年9月30日までの実験期間中、長堀鶴見緑地線ドーム前千代崎駅、中央線森ノ宮駅、堺筋線動物園前駅、御堂筋線大国町駅の4駅に実験用改札機を設置。事前に顔データを登録したモニターが改札機を通ろうとすると、改札機に備え付けられたカメラが顔を認識し、登録データと合致していれば改札ゲートを開ける。

モニターとなるのは同社社員のみとされ、一般の駅利用者を対象とした顔認証は行わない。モニターとして参加する社員に持たせたQRコードを改札機で読み取ることで改札入退場を行う「QRコード認証」の実証実験も同時に実施する。どちらの実証実験も運賃の収受は行わない。

今回の実証実験には、改札機の開発・販売元としてオムロンソーシアルソリューションズ、高見沢サイバネティックス、東芝インフラシステムズ、日本信号の4社が協力。実験を行う4駅にそれぞれ異なる会社の改札機を設置し、機能性・利便性やデザインについて比較検討する。