今、女性を中心に大人気のタピオカドリンク。現在のタピオカドリンクのブームは、アイスミルクティーにタピオカを入れたタピオカミルクティーが主な商品になっています。「お茶は健康にいい」というイメージから中国茶が注目されるようになり、タピオカミルクティーの人気も高まっているようです。

  • タピオカドリンクって太るの? お茶だから健康にいい? 管理栄養士が解説

    タピオカドリンクは太るのか? 管理栄養士が解説

女性にとって気になるのは、タピオカドリンクは太るのか? ということ。もちもち食感のタピオカは食べ応えがあるため、ご飯の代わりにしているという人もいるかもしれません。タピオカドリンクは身体にいいのでしょうか? 合わせて解説していきましょう。

タピオカの原料は「キャッサバ」という芋

タピオカの原料は、キャッサバというサツマイモに似た植物から作られています。トウモロコシでんぷんから作られるコーンスターチ、カタクリ、くずなどと同じようにでんぷんの一種から作られます。タピオカドリンクのようなデザートには大粒が使われますが、いろいろな大きさがあり、中粒や小粒サイズは調理にも使われています。

キャッサバ芋は大きく2種類に分けられて、甘味種と呼ばれるものがタピオカになります。キャッサバ芋をすりおろして、でんぷんのみを集めてタピオカでんぷんができます。タピオカでんぷんを吸水させて茹で、水に浸けることで、一般的に食材として使われるタピオカができあがります。

イモ類は世界中で主食とされて、栄養面、味のうえでも優れた食材です。しかし、野菜の中ではカロリーが高い食材ですから、ダイエット中の人などからは敬遠されがちです。

タピオカの種類とカロリーは?

タピオカには、ブラックタピオカと呼ばれるものもありますが、タピオカの色が変わっても、同じ白いタピオカを着色したものなので、原材料は一緒になります。乾燥したもの、冷凍したものなどが市販されていますが、調理方法も同じです。

乾燥したタピオカは、100gあたり355カロリーです。茹でたタピオカは、100gあたり62カロリーあります。ちなみに、和のデザートとしても使われる「くずきり」は、同じでんぷんから作られる製品ですが、乾燥されたものが100gあたり356カロリーとタピオカと変わらないものの、茹でたものは100gあたり135カロリー。タピオカの方がカロリーは低くなります。

タピオカそのものに栄養やうま味はない

タピオカの栄養成分は、ほとんどが炭水化物です。たんぱく質は0gで、脂質は乾燥で100gあたり0.2gですが、茹でたタピオカには脂質もほとんど含まれていません。食物繊維は、茹でたもので100gあたり0.2g、カルシウムや鉄、カリウムも少しだけ含まれていますが、ビタミン類はまったく入っていません。

タピオカはイモ類が原料といっても、さつまいも、さといものように食物繊維が含まれているわけでもなく、ダイエットによいと思われる成分は見当たりません。

また、タピオカそのものに味やうま味はないため、デザートとして食べるときには、砂糖が加えられます。人気のあるタピオカ入りミルクティーは、紅茶に砂糖、ミルクが加えられ、タピオカ入りドリンクには、ココナッツミルクや生クリームも使われます。高カロリーな食材を組み合わせる食べ方が多いため、タピオカは太るといわれる原因になっています。

タピオカはダイエットにおすすめできない

タピオカドリンクは、もちもちとした食感がおいしい食べ物です。噛んで食べることにもつながるため、満足感があります。ただ、タピオカドリンク1杯にタピオカは少量しか入っておらず、ほとんどは砂糖入りの嗜好飲料です。砂糖なしのものを選べば、ご飯代わりになると考えるかもしれませんが、ご飯100gに食物繊維が1.5g入っているのに対して、タピオカは0.2gと、ご飯の1/7程度しか入っていません。ご飯にはうま味がありますが、タピオカにはうま味もないため、ご飯を食べた方が満足感につながり栄養も補えます。

タピオカは、デザートとして楽しむほうがおすすめです。ダイエットは、タピオカに限らず、特定の食材のみを食べる方法は継続しにくいため、おすすめできません。いろいろな食材を食事に取り入れることで、栄養をバランスよく摂ることができ、ストレスもたまりにくくなります。1日3食食べながら、ときどきタピオカ入りデザートを取り入れて、楽しみながらダイエットをしましょう。