筆者は今回、斉藤和義の記念すべきハイレゾ版『歌うたい25 SINGLES BEST 2008-2017』を再生するにあたって、ぜひ気持ちよく聴ける環境を整えたいと思い立ちました。そこで、Astell&Kern(アステル&ケルン)から発売された「A&norma SR15」(以下、SR15)を用意。Astell&Kernの公式直販サイト(アキハバラe市場)の販売価格は99,980円(税込)という、プレミアムなハイレゾ対応ポータブルオーディオプレーヤーです。

  • Astell&Kernの音楽プレーヤー「A&norma/SR15」レビュー

    SR15の背面。ガラスパネルの背面に立体的な模様を配置。光の反射によって異なる表情を見せます

音楽再生のリファレンスにふさわしいプレーヤーの選び方は、ユーザーの好みを再現できるものであることが何より大事。その背景として、使っているパーツや本体の素材とともに、良い音を再現するため細部までていねいに作り込むには手間がかかります。するとやはり、信頼あるブランドのそれなりに高価なプロダクトを、一度は聴いてみる価値があるのです。

  • Astell&Kernの音楽プレーヤー「A&norma/SR15」レビュー

    内蔵メモリーは64GB。microSDカードスロットを1基搭載しています

最近はハイレゾ再生に対応したスマホも増えましたが、音楽再生専用のプレーヤーを使うメリットは数え上げると切りがないほどたくさんあります。例えば、音楽ファイルにはさまざまなデータ形式があるものですが、SR15は多彩なデータ形式に対応しています。音質に定評あるDSD形式の音楽ファイル(2.8MHzのものまで)を、変換なしにネイティブ再生できるのもポイントです。

SR15は、音質の要になるDAコンバーターのICチップや、専用設計のアンプ回路にもこだわっているので、スマホとは再生される音の純度やパワーがケタ違いです。さらに、明瞭なステレオイメージの分離感が得られる、バランス接続にも対応しています。2.5mm/4極のプラグを持つリケーブルを装着できるヘッドホン・イヤホンを組み合わせることで、一層ピュアな音を再現できるようになります。

  • Astell&Kernの音楽プレーヤー「A&norma/SR15」レビュー

    本体のトップにふたつのイヤホン端子を搭載。右側がよりクリアで鮮明なサウンドが楽しめるバランス接続用の端子です

  • Astell&Kernの音楽プレーヤー「A&norma/SR15」レビュー
  • Astell&Kernの音楽プレーヤー「A&norma/SR15」レビュー

    ボリュームの変更は側面のダイアル、またはタッチパネルで操作します

音楽再生専用のプレーヤーなので、スマホのように内蔵ストレージをアプリや写真、ゲームなどのデータと共有しなくてよい点も魅力的です。SR15は64GBの内蔵メモリーとmicroSDカードを併用できるので、たくさんの音楽ファイルを保存して持ち出せます。

  • Astell&Kernの音楽プレーヤー「A&norma/SR15」レビュー

    感度の良いタッチパネル液晶。画面を左から右へスワイプすると各種メニューが表示されます

Bluetoothによるワイヤレス音楽再生は、クアルコムの上位オーディオコーデック「aptX HD」に対応。同じくaptX HDをサポートするヘッドホン、イヤホン、スピーカーなどと組み合わせれば、ハイレゾ相当の音質でワイヤレスオーディオ再生を楽しめます。

  • Astell&Kernの音楽プレーヤー「A&norma/SR15」レビュー

    再生画面を右から左へスワイプするとアルバムの楽曲リストを表示

  • Astell&Kernの音楽プレーヤー「A&norma/SR15」レビュー

    Bluetoothはハイレゾ相当の音質が楽しめるコーデック「aptX HD」に対応しています

SR15は、タッチパネル液晶の操作性がとても心地よいプレーヤーです。画面の左右スワイプ操作だけで、本体に保存した楽曲や各機能にすばやくたどり着けます。クアッドコア構成のCPUと応答性能の高いタッチパネルを積んでいるので、スマホと変わらないスピード感でサクサク使えます。

Astell&Kernの音楽プレーヤーは、初代モデルであるAK100のころからナチュラルでバランスが良く、むやみな色付けのないサウンドが人気を博してきました。最新モデルのSR15は解像度が一段と高くなったうえ、音場の透明感にも磨きをかけた印象です。

  • Astell&Kernの音楽プレーヤー「A&norma/SR15」レビュー

    10バンド・イコライザーで好みのバランスに音質のカスタマイズも思いのまま